アイコン 中国「爆買い」の火は消えるか/ロイター

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中国は2015年GDP6.9%と経済低迷、特に鉱工業生産の伸び率は6.0%にとどまっている。株式(上海総合指数)も年末の3,638ポイントから 22日には2,916Pまで下落し、下落率は▲18.5%に達している。昨年のピークの6月12日の5,166Pからすれば43.6%も下落していること になる。不動産も中核都市では再度上昇に転じているが、地方都市は低迷している。

ただ、2015年の乗用車の販売台数は前年比7.3%増の2114万6300台と増加基調を維持している(商用車が景気を反映して▲9.0%減の345万1300台となり、全体では4.7%増にとどまった)。

個人購入は減税効果もあろうが、いまだ旺盛である。

ロイター通信は、中国経済の低迷や変調により、富裕層を除けば「爆買い」の火は消えるかも知れないと次のように掲載している。 

ロイター記事
世界経済の先行きにとって、さらに悪いニュースかもしれない。「爆買い」で昨年の経済成長を支える主役だった中国の消費者が、今年は支出を切り詰める可能性が高まっている。
外食の頻度を減らし、スマートフォンの機種交換を先送りし、衝動買いを減らしていくという。
世界第2位の経済大国である中国の政策当局にとっては、ただでさえ株式市場の動揺と賃金成長の伸び悩みに苦慮しているというのに、これもまた気を揉む材料だ。
中国経済は昨年、この四半世紀で最も低い経済成長率を記録したが、少なくとも政府が掲げた目標に近い成長率を維持できたのは消費需要のおかげだったと、アナリストは見ている。
エコノミスト・インテリジェンス・ユニットの北京在勤アナリスト、トム・ラファティ氏は、「2015年に経済を救ったのは中国の消費者だ」と語る。「彼らの消費支出が、これまで中国経済のけん引役だった産業や投資の不振を相殺することに貢献した」と言う。
だが、今年も消費者が同じように動いてくれるという保証はない。

オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)が20日発表した調査によれば、中国の消費者信頼感は今月記録的な低さとなった。
米調査会社チャイナ・ベージュ・ブックの調査では、第4・四半期の雇用成長・賃金成長は過去4年間で最低となっている。
これらの調査を裏付けるように、ロイターが上海で取材した消費者も、今後支出には気を配り、抑制していく可能性が高いと語っている。

男性のZhouさんは、昨年ガールフレンドとともに外食で約7万元(約125万円)、衣類とアクセサリーに4万元を使ったという。だが、今年は経済状況に鑑みて約3分の1近く支出を切り詰める予定だ。「自炊を増やす。携帯電話などのエレクトロニクス製品の買い替え頻度も減らすかもしれない」と言う。

ある店舗でマグカップやベッド用のシーツを物色していた30歳の女性Zhengさんは、「物価上昇に収入が追いつかないようだ」と不安を口にする。「こういうものは必要ない。もう少し自制して、買い物にも頻繁に行かないようしなければ」と語った。

さらに厳しい打撃を受けるのは、中国で増大しつつある高齢者層かもしれない。医療費が可処分所得に食い込みつつあるからだ。
すでに退職した55歳の女性は、ロイターの取材に対し、自分のお金の大半は都市部の大気汚染対策用のエアフィルターに使わざるを得なかったと語る。「病気になって病院に行く必要が生じたときのために、貯金しておきたいのだけど」と言う。

中国国内に多数存在する小規模な小売店経営者は、彼ら自身も消費者だが、完全に国内需要に依存して生計を立てているだけに、厳しい状況に置かれている。

上海で携帯電話ショップを経営するDongさんは、昨年下半期に売上が急激に落ちたという。「奇妙な話で、理由は分からない。株式市場が暴落したからかもしれない。2016年はもっと悪くなると思う」と話す。

<逆風>
エコノミストは、今年、賃金が伸びず失業率が上昇すれば、消費者の支出は低下すると警告するが、そうなる可能性は高そうだ。
また、最近の人民元安によって中国で販売されている多くの輸入品価格にその影響が及んでおり、中国人の購買力が内外で低下することも考えられる。
「賃金上昇が緩やかになることで、今年は消費支出の伸びが抑えられると予想している。さらに、産業の不振が消費に及ぼす悪影響が強まるリスクも残っている」と、オックスフォード・エコノミクスのアジア経済担当責任者ルイス・クイジス氏(香港在勤)は分析する。

中国の国家統計局によれば、GDP成長に対する消費の貢献比率は、昨年15ポイント上昇して3分の2を超え、巨大な製造部門の減速を相殺することに貢献した。もっとも、そのうち民間消費ではなく政府支出によるものがどの程度あるのか、公式の内訳は発表されていない。

中国の国務院は昨年11月、民間消費を加速させる試みとして、小売、医療、旅行やスポーツなど「ライフスタイル関連ビジネス」に対する融資提供において、金融機関がこれまで以上に多様な担保を受け入れることを奨励していくと発表した。

<強靱さの兆候も>
とはいえ、消費財の小売販売額は前年比で11%以上増加し4000億ドル(約47兆円)を超え、オンラインショッピングサイトのタオバオでは、11月の販促イベント期間中、たった1時間で約40億ドルの売上高を稼いでいる。
こうした消費の強靱さを示す兆候は続いている。

ANZ(銀行)の消費者信頼感調査からは、「今こそ高額商品を購入すべき時期だ」と考える回答者が増えていることが分かる。
昨年の新車販売台数は4.7%増と伸び悩んだが、中国自動車製造者協会によれば、今年は6%増が見込まれている。
それでも、上海の婦人服店の経営者は「この1年間、商売は不振だったし、上向きになるとは考えられない」と懸念する。
「富裕層が高級品を買うとしても、貧困層は節約に走るだろう」と語った。
以上、

こうした記事にもインバウンド関連の日本企業は読んでおく必要がある。
ただ、中国は13億人、上位中間層と富裕層も1億2千万人(日本の総人口と同数)を超えており、懐がより深くなっている。経済低迷といってもGDPは6.9%も伸びているともいえる。

 

 

2015年中国の自動車販売台数 /万台
 
乗用車
商用車
合計
 
台数
前年比
台数
前年比
前年比
2015
2114.63
7.3%
345.13
-9.0%
4.7%
12
244.21
18.3%
34.34
-1.6%
15.4%
11
219.68
23.7%
31.20
-1.1%
20.0%
10
193.69
13.3%
28.47
2.3%
11.8%
9
175.12
3.3%
27.36
-4.9%
2.1%
8
141.85
-3.4%
24.60
-0.6%
-3.0%
7
126.86
-6.6%
23.44
-9.9%
-7.1%
6
151.14
-3.4%
29.17
3.5%
-2.3%
5
160.93
1.2%
29.45
-8.3%
-0.4%
4
166.88
3.7%
32.57
-17.6%
-0.5%
3
187.04
9.4%
37.02
-19.4%
3.3%
2
137.67
6.4%
19.66
-30.9%
-0.2%
1
203.80
10.4%
28.16
-9.0%
7.6%
出典:中国汽車工業協会
・2015年10月、自動車取得税を10%から5%に引き下げた。
 

[ 2016年1月25日 ]
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