アイコン シャープ 革新機構今さら日本技術流出?

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シャープの液晶技術IGZO、もともと科学技術振興機構(JST)の支援事業の下、東工大で開発されたものでJSTが特許を持つ。その特許を一番早くJSTが提供したのは韓国のサムスンである。 
税金で開発された技術を韓国のサムスンに使用権を与え、今頃になって日本国は、技術流出が何じゃらこうじゃら。今回の問題は、国の一貫性がまったくないことに起因しているとえよう。没落電子産業にいまだしがみつく国はほとほと呆れかえさせる。

 革新機構がシャープを買い取るか、鴻海が買い取るか、最終決定はここまで体たらくにさせた経営陣ではなく、株主と金融団が決定するものだろう。

<革新機構によるシャープ解体劇始まるか>
( ↑ 海外勢の本命は今や台湾の鴻海となっている)


( ↑ 海外勢の本命は今や台湾の鴻海となっている)

 

<鴻海が6000億円規模の再建案提出>
経営不振に陥っている「シャープ」への出資を提案している台湾の大手電子機器メーカー「ホンハイ精密工業」の経営トップ郭台銘会長が30日大阪阿倍野区のシャープ本社を訪れ、高橋興三社長ら経営陣と会談した。6000億円を超える規模の再建策を直接説明。その説明では、買収したあとも現経営陣の退任は、求めない方針などを説明したものとみられる。
経営不振に陥っているシャープを巡っては、官民ファンドの「産業革新機構」も再建案を提出し、経営陣の総退陣を要求している。
シャープは、急に技術流出を避けたいと言い出した国の意向を踏まえ、3000億円規模の出資を行うとする産業革新機構の案に基づいて再建を目指す方向で、最終的な調整に入ることにしている。
これに対し鴻海としては、トップどうしで直接、再建策を協議することで、交渉での巻き返しを図るねらいがあるものとみられる。

<革新機構でシャープを生かせるのか>
シャープを生かせるのは、その製品の販売先であり、もはやその道は絶たれつつある。スマホでは、韓国勢などがしのぎを削り、シャープの価格競争力もなくなってきている。また、足元を見られ、中国のスマホメーカーから買い叩かれているのが現状である。
さらに、アップルも2018年から主力のスマホに有機ELを用いると時代の流れは、有機ELに動いている。(極細液晶に量子ドットを組み合わせれば、有機ELに太刀打ちできる)
価格競争力も失し、販売先が安定しないシャープは、今後とも蚊帳の外に置かれる可能性が高い。一方、鴻海はインドでスマホ事業を展開する計画を持ち、すでに会社も作っている。本格的な参入となれば、家電も含め総合的にシャープの技術が生きてくる。

<鴻海はインド市場を睨む>
インドのスマートフォン市場は、地場メーカーとサムスンが抑えているが、中国勢4社(Lenovo、Huawei、Xiaomi、Gionee)が10数%のシェアをすでに獲得している。地場では、Micromaxが圧倒しているが、新興勢力のIntexも急激に売上台数を伸ばしているという。インドのスマホ市場はすでに年2億5千万台の販売まで急成長している。ましてや100ドルまでの販売価格帯が主流であり、今後、高付加価値のスマホ領域への拡大が期待されている。
 
スマホメーカーが、まだ固まらないインドや中国市場に対して、これまでEMS専業だった鴻海がメーカーに変身するためには、世界で名が知れたシャープの存在がいかに大きいものか。
 鴻海は昨年10月の連結売上高で5,029億6,400万台湾元(約1兆8,850億円)を計上している。単純計算でも年間15兆円以上の売上高を計上していることになる。しかし、あくまでアップルの下請け中心の電子製品受託メーカーとして存在している。
鴻海も前回は、シャープの足下を見、安く買い上げる魂胆であったが、今回は自らの今後の事業展開においてもぶら下がっているシャープの存在が大きく、破格の値を提示したようだ。

<革新機構の戦略が見えない>
革新機構が家電製品部門を東芝などと合体させ、オールジャパン製品を作り出すトータル再建案を提示している。また、液晶に関しては、韓国勢に日本の技術を売り渡した国の機関であるJSTのように、先が見えない。ジャパンディスプレイに液晶部門を統合させたところで、縮小のみ強いられることになる。
日本の液晶技術は国のJSTにより韓国へ流出し、有機EL技術もかつて愚経営のソニーがサムスンと液晶技術で提携したときに全部サムスンに持っていかれたものと推察される。

脇の甘さが日本のIT産業をダメにしているが、ハゲタカ対策に開発研究費まで削らせた当時、売国奴の竹中平蔵が米国のハゲタカに無防備のまま日本市場を開放したことにすべて起因している。(米国では日本がバブル時代にハゲタカの猛攻撃にあい、日本襲来時には、すでに米国では議決権を10倍100倍持つ株がいくらでも存在し、ハゲタカ対策が万全なものになっていた)
企業経営者もサラリーマン化し、官僚化し、会社を硬直化させ、老化させている。

<中国勢の台頭、液晶にぶら下がっても将来はない>
LCD(液晶ディスプレイ)のチキンゲームの勝敗は明らかに思われる。2015年にBOEチャイナスターなど中国8世代以上の工場の生産能力は58.4%に急増した。韓国は▲5.5%、日本は▲2.6%減少した。その上、BOEは12月に安徽省合肥に世界最大のLCDラインである10.5世代工場を着工した。
この工場はサッカー場20コート分以上と大規模で、BOEは今後3年間に約2兆円を投資する計画。2018年に量産が始まれば65インチ以上の大型パネルで見過ごすことのできない価格競争力を持つようになる。

ワン・ドンソンBOE会長は着工式で「市況を考慮せずに投資を増やして2022年にはサムスンとLGを超えて世界1位になる」と公言している。
サムスン・LGディスプレイは、LCDではウルトラHD級パネル生産の拡大などで収益性を確保し、技術で先んじたOLED(有機発光ダイオード)で格差を広げるという考えで動いている。OLEDに商品価値の優位性があると証明されれば、中国勢は即生産対応してくることから、韓国勢と中国勢のチキンゲームは続き、結果、韓国勢は、昔、日本勢が韓国勢に負けたように負けることになる。なぜなら、技術を進化させることはできるが、基礎技術がなく、新機軸のディスプレイを開発する力がないことによる。

中国では、石油精製や鉄鋼など余剰生産能力の構造改革が求められている。液晶は世界的な構造改革の時期に至っているといえよう。時代に逆行しても得るものは少ない。内需用に1社でもあれば済む。

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[ 2016年2月 1日 ]
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