アイコン マイナス金利導入 5対4の評決 4は白川時代からの審議員だった 黒白対決

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これまで黒田日銀では、白川前総裁派に近い審議員は全員お辞めいただき、入れ替えを敢行してきたが、白川総裁に近くない中間派はそのまま審議員を続けてきた。それほど黒田氏も自らの政策が自信溢れたものだったろう。
しかし、金融緩和でいくら世界に向けバズーカ砲を撃っても、企業収益は上がったものの、勤労世帯の収入は実質マイナスが4年連続して続き、自らの目標である物価を2%に引き上げる使命は遠のくばかりとなっている。

「マイナス金利」の導入を巡り、日銀内で激論が交わされていたことが8日、日銀が公表した金融政策決定会合の「主な意見」で明らかになったと報道されている。
マ イナス金利は5対4の小差で決定したが、反対した4人は全員が白川方明前総裁の下で就任した審議委員。2012年に発足した安倍政権は、白川前総裁の金融 政策から一層の緩和へかじを切らせようと黒田東彦総裁の起用に踏み切っており、ここに来て「黒」対「白」の構図が鮮明になってきた。

この4人の審議員の命脈も政権によりすぐ切られてしまうだろう。口とは裏腹に何事も反対を絶対許さない人たちが運営している国である。原発規制緩和委員会がそうであったように。

そんなことはどうでもよいが、結果、超円安になり、企業収益が上がり、労働者の賃金が上がり、消費者の購買は増加し、資金が回転し、設備投資が増加し、税収も増えるというバラ色の景色は現実の前に崩れ去ろうとしている。
当初は、目論見どおり、企業収益は大幅に改善された。しかし、企業は、利益を労働分配しなかった。設備投資も少子化進行によりマーケット縮小が保証されている国内市場には投下せず、更新需要を少し早めただけでお茶を濁した。利益を積み上げた内部留保金は、投資家のご機嫌取りに自己株式を購入して吐き出す始末で手に負えない状態となってしまっている。

マイナス金利導入では、その弊害が今になって論ぜられ、現実は米国の風あたりに3日持たずしてその効果が吹き飛ばされ、弊害ばかりが目立つようになってきている。

エコノミストの中には、辛辣に「日銀がこれまでに取ってきた路線が行き詰まったことを端的に示す出来事」とみていると論じている。
マイナス金利とは、金融機関が日銀に預けたら預け賃を取られるというもの。それでなくとも、企業の借り入れニーズは、これまでに蓄えた内部留保金で事足り、日銀が金融機関に国債などを売却させた代金のほとんどは金融機関に眠ったまま、金融機関の業績も悪化してきているのが現実となっている。

マイナス金利導入では、金融機関の業績がさらに悪化することから、金融機関はリスクある貸し出しを控える動きに徹するものと見られ、逆に資金の流動性が悪くなると懸念されている。マイナス金利導入で、不動産株が一瞬上がったが、弊害の現実に上がった分は下げ、元の木阿弥となっている。また、最大の期待指数であった円安誘導も3日持たずして元の木阿弥となってしまった。今や124円を伺うところまで円高が進行している。米経済さえもピークアウトが論じられる時勢、リスクという世界の大きな流れに竿を刺しても流されてしまうことを思い知らされた。
 

[ 2016年2月 9日 ]
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