アイコン フランスでフードドライブ法案可決 売れ残り食品の廃棄を禁止 大型スーパー

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世界の食料生産量の約3分の1が毎年廃棄されている。その現状を変えようとしたパリ近郊クルーブボア市のアラシュ・デランバーシュ市議(36)の努力が結実し、フランス全土にある大型スーパーに売れ残りの食料の廃棄を禁じ、慈善団体への寄付を義務付ける法律が成立した。

 イラン革命(1979年)でフランスに逃れた両親の間に生まれたデランバーシュさんは、大学時代に食費の工面に苦労した経験から食料廃棄に目を向けるようになった。
 
市 議になった2014年、訪ね歩いたスーパーでは、廃棄食品が持ち去られるのを防ぐためにゴミ箱に鍵をかけたり、食べることができないように化学薬品で処理 した上で廃棄されたりしていた。デランバーシュさんが生活困窮者への無償提供を打診すると、「法規制されたらやるよ」と皮肉交じりに言われた。

SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で法規制を呼びかけ、インターネットの署名サイトで約20万人の署名を集めた。下院議員に協力を呼びかけ、2月3日、法が成立した。
 食料廃棄禁止法は、延べ床面積400平方メートル以上の大型スーパーを対象に、売れ残りの食料の廃棄を禁止し、生活困窮者に配給する活動を行う団体への寄付を義務付ける。違反するたびに3750ユーロ(約48万円)の罰金が科せられる。

 国連食糧農業機関(FAO)などによると、毎年世界で13億トンもの食料が、収穫されてから消費者の口に入るまでの間に廃棄され、食べられるのに家庭やレストランで廃棄される「食品ロス」は、フランスは約700万トン、日本は約640万トンとされている。
 デランバーシュさんは、「日本は第二次世界大戦で飢えを経験し、食べ物の貴さを理解している。きっと現状を変えることはできるはずだ」と呼びかけた。

<フードドライブ・北九州>
家庭に眠っている食品を子育て中の貧困家庭へ 
日本では、品質や安全性に問題がないのに処分されている食品は年間500~800万トンが、賞味期限内で、まだ食べられるにも関わらず、印字ミスや箱が壊れたり、あるいは規格外として販売できない食品が廃棄されているという。
NPO法人フードバンク北九州ライフアゲインでは、生活に困窮している子育て世帯などを支援するため、家庭に眠っている食品の寄付を募る「フードドライブキャンペーン」を市内7ヶ所に寄付ボックス設置して1月に行った。
フードバンクは、捨てるのが美徳の時代、この社会にあふれる「もったいない」を「ありがとう」に変える取組みとして、新しい社会システムの構築を目指している。

社会システムがないからこそ、愛知県で生じている食品産廃業者ダイコーが、廃棄食品の危険性の有無も調べず、大量に、かつ恒常的に利益欲しさに横流しした事件が発生している。
この問題は日本でも久しく取り上げられているが、何一つ解決していない。以前、賞味期限まじかの弁当の廃棄処分に対して、格安販売を提起したセブイレブン店経営者たちは、セブンイレブンにより近隣に店舗を造られ、経営難に陥っているという企業間のパワハラがまかり通っている。超大企業の伊藤さんの陰湿さが透けて見える。
日本の美意識は今や捨てることを美徳とし、その分消費や生産が活発になることを政府自ら望んでいる。消費者は、食品メーカーや販売店が、廃棄する食品の代金も販売する商品価格に入れていることをわかっているのだろうか。

<横浜「さなぎ食堂」の取り組み>所在地:横浜市中区寿町2-7-7 神埼ビル1階 
ローソンでは、店舗で余ったパンや弁当などを活用したユニークな取り組みが行なわれている。毎朝9時半、横浜市中区寿地区で活動中のNPO「さなぎの食堂」のスタッフが、ローソン横浜尾上町三丁目店にやってくる。おにぎり、弁当、パン、パスタ、おかずなどの食材が、ローソンからさなぎの食堂のスタッフに手渡される。食材は、すぐに「さなぎの食堂」に運ばれ、お昼には定食の一品に生まれ変わり、寿地区生活者の食の支援に役立てられている。
「もともと『廃棄される食品がもったいない』という認識があり、なんとか活用する方法がないか検討しておりました。」とローソンCSR推進ステーションの人は述べている。
ローソンでは、客の食の安全を第一に考え、消費期限より早い“販売期限”を設けている(コンビニ共通)。その販売期限を迎えた食品はやむなく廃棄される。でも、まだまだ安全においしく食べられる食品である。
ローソンでは、これらの食材を活用できるアイデアを一緒に考え、取り組んでくれる連携先を探し始めた。横浜市からいろいろな団体に声をかけてもらい検討された末、横浜型「もったいない運動」として「さなぎの食堂」との連携が始まった。

<横浜「さなぎ食堂」>
「さなぎの食堂」は、生存の5本の柱の内の「食」と「職」を担っている。横浜市が発行している「食券(注、現在廃止)」を利用して、路上生活者にも3食の温かい食事を食べてもらいたいという趣旨で、2002年から始まった。
現在も路上生活者等の生活困窮者、地域住民を中心に一日250人以上の客が訪れ、おいしく、安価(300円~450円の定食)な食事の提供を行っている。
また様々な方々の就労の場、ジョブトレーニングの場としても機能しているのが特徴。2009年より「寿JUMP(就労・生活・メンタルサポート事業)」の活動の場としても機能している。
(経営者が変わったローソンが、まだ「さなぎ食堂」と提携しているかは現在不知)
 

[ 2016年2月18日 ]
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