続、23億円の債務超過 「アウガ」経営の三セク「青森駅前再開発ビル」
商業ビル「フェスティバルシティ・アウガ」は2001年1月開業。青森市が、殺風景だった駅前の整備や空洞化した「新町商店街」に賑わいを取り戻すために、地権者などを集め再開発の一環として建築した。
地下1階が「アウガ・新鮮市場」、1階から4階までが商業施設、5階から6階が「青森市男女共同参画プラザ・カダール」、6階から9階が「青森市民図書館」(9階は書庫)となっている。
2015年末、アウガの再生を検討していた外部のプロジェクトチームは再生について、「商業化は実現可能性が低く、採算上も成り立たない」(商業施設としては採算が取れない)と断じている。
厳しい経営が続く青森駅前の再開発ビル「アウガ」を運営する第三セクターが土地や建物などの固定資産の価値を見直す「減損会計」を適用した結果、23億円あまりの債務超過に陥ったことについて、27日青森市が正式に公表した。
これを受け2月15日、青森市は「全館公共化」を目指すと発表している。
これは、第三セクターに出資する青森市の鹿内市長が、市議会議員を対象にした説明会で正式に明らかにしたもの。
「アウガ」を運営する第三セクター「青森駅前再開発ビル」は、昨年度の決算が3期連続赤字になる見込みで、所有する土地や建物などの固定資産の価値を見直す「減損会計」を適用したところ、所有する固定資産の価値が大幅に減額され、▲23億8500万円の債務超過に陥ったという。
また青森市は、「アウガ」を円滑に公共化させるための資金として、修繕費として積み立てている2億円を第三セクターに支援する方向で関係者と調整を進めていて、鹿内市長は、市議会側に同意を得るための条例案を市議会本会議に提出したい考えを明らかにした。
鹿内市長は、「第三セクターが資金繰りに行き詰まり、テナントや関係者に不測の損害が生じることになれば、円滑な公共化に支障をきたす。アウガ再生に向けてご理解願いたい」と述べ、議会側に理解を求めた。
第三セクターの佐々木淳一社長は記者会見で債務超過に陥ったことについて謝罪した上で、「債務超過の公表を受けてアウガのテナントが退店する動きが今後加速する可能性が高い。テナントや地権者のみなさんの負担が減らせるように対応していきたい」と話しているという。
以上、
青森駅前再開発ビル(株)は一度破綻させ、商業施設部分を二束三文でも分譲売却して膿を出し切ることが望まれよう。円滑な公共化など御託を並べ、事業失敗の隠蔽工作をはかろうとしているようだ。これまで、天下りポストとして多くの人たちが市から天下り、退職金も含め恩恵に授かったものと見られる。
青森駅前再開発ビル(株)は債務超過額が約23億円とされているが、資本金8億35百万円も食い潰しており、累積赤字額は32億円に達している計算になる。
全建物の公共化により、市の出資金も貸付金もすべて水に流すということだろうか。そして地権者に対して、今後とも地代を支払うというのだろう。
一流どころに設計させ、一流どころに建築してもらっている。当時、市は予算がさぞ腐るほど有り余っていたのだろう。
市民を前に、昔の市長が執行したものと現市長が責任回避すべきものでもない。
フェスティバルシティ・アウガの概要
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用途
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商業施設・図書館、男女共同参画センター
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設計者
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久米設計
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施工
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清水・東海・奥村・阿部重建設工事共同企業体
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建築主
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青森駅前再開発ビル(株)・青森市
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事業主体
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青森駅前再開発ビル(株)・青森市
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管理運営
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青森駅前再開発ビル(株)
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構造形式
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CFT・鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄骨造
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敷地面積
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9,686m2 m²
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建築面積
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7,114m2 m²
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延床面積
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54,505m2 m²
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階数
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地上9階・地下1階・塔屋1階
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竣工
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2001年1月
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所在地
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青森県青森市新町1丁目3番7号
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経営
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三セクの青森駅前再開発ビル(株)
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資本金
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8億35百万円。市の出資額63.7%(5億31百万円)
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市の貸付金
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約23億8千万円
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債務超過額
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約23億円
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