アイコン 4月造船受注・日本0 再び中韓が安値受注競争 VLCCピークの半額 発注も増加傾向

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世界の造船発注量が激減している中、韓国の造船業界は巨額赤字露呈により選別受注強化され、受注残が激減してきた。しかし、こうした事態に融資銀行のタガが外されたのか、中韓や韓国企業同士で再び安値受注競争に走り、価格下落が続いている。

超大型タンカー(VLCC)価格は、昨年12月から4ヶ月連続で毎月隻当り50万~200万ドルずつ下落している。
LNG船も3月に続き、4月にも隻当り200万ドルずつ下落を記録した。
ただ、これに対して、ケープサイズ級(10万トン超の大型船、運河航行不可)のバルク船は隻当り50万ドル上昇しているという。

英クラークソン・リサーチによると、造船業の景気がピークだった2008年に1隻当たり1億6000万ドルまで上昇したVLCCの新規建造価格は、今年3月末時点で8000万ドルまで下落した。
業界関係者は「船会社はVLCCの価格が、底値の今年が発注のチャンスだとみて、船舶の世代交代を推進しているとみられる」としているという。

<4月の造船受注・韓国久しぶりに首位>

5月10日クラークソンが発表した造船海運市況によると、韓国は4月に計34万CGT(標準貨物船換算トン数)・12隻を受注して国別で最も高い実績を上げた。中国が26万CGT(13隻)で韓国の後に続いた。日本は受注を記録することができなかった。

4月の世界の船舶発注量は75万CGT(28隻)で、3月の95万CGT(59隻)に比べて約20万CGT(31隻)減少した。

<今年の国別受注累計>1~4月
また、今年1~4月の世界の累積発注量は471万CGT(179隻)で、前年同期451万CGT(179隻)と大きな差はないことが明らかになった。
国別受注実績は中国143万CGT(78隻)、韓国123万CGT(34隻)、イタリア74万CGT(8隻)、フィンランド33万CGT(2隻)、日本25万CGT(11隻)の順となっている。イタリアとフィンランドは大型クルーズ船の受注によるもの。

<4月末の国別受注残>
4月末の全世界の受注残量は7,824万CGT。
国別の受注残量は、
中国は2,682万CGT、
日本は1,773万CGT、
韓国は1,762万CGT
の順と集計されている。
<4月~5月10日までの韓国勢の受注状況>
1、現代重工業はノルウェーのフロントラインからVLCC(超大型タンカー)4隻受注。フロントラインは「船舶王」と呼ばれる実業家のジョン・フレドリクソン氏が所有する世界最大のタンカー船会社。契約額は3億2000万ドル(約366億円)とされ、2019年に引き渡しの予定。現代重工業グループは年初来18隻、総額16億ドルの船舶を受注したが、うち9隻をVLCCが占めた。

2、サムスン重工業も5月2日、シンガポールのBW社からVLCC4隻を受注したと発表した。同社がVLCCを建造するのは2012年以来5年ぶり。同社はさらに、ギリシャの船会社、キャピタル・マリタイムと最大8隻のVLCC建造に関する発注意向書(LOI)を取り交わした。本契約に向けた交渉が進められているが、契約規模は6億5000万ドル以上が見込まれる。

3、大宇造船海洋も4月、ギリシャの船会社からVLCC3隻を2億5000万ドルで受注。現代商船とも最大10隻のVLCCを建造するLOIを締結している。
以上、
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[ 2017年5月12日 ]
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