アイコン 相次ぐ死亡事故 日本光電工製AED 滋賀・大阪・奈良/救急車は最低2台装備を 

滋賀県の湖北地域消防本部は18日、救急隊員が心肺停止になった同県長浜市の男性を救急車で搬送する際、搭載した半自動の自動体外式除細動器(AED)が正常に作動しなかったと発表した。
 同本部によると、男性は病院で死亡が確認された。「機器の不具合と死亡との因果関係は不明」。
 不具合が起きたのは医療機器製造販売会社「日本光電工業」が製造している「TEC-2503」。
同社は「トランジスタがショートしてヒューズが溶けたのが原因」と説明。
 
同社によると、この機種は全国で約20台、プリンター内蔵型の「TEC-2513」は約千台配備されているという。
湖北地域消防本部では2月11日の点検では異常はなかったとしている。

<これまで明らかにされている日本光電工製のAED事故>
2009年12月4日大和郡山市で、心臓発作を起こした65歳の男性に救急隊員が医療従事者向けのAEDを使用しようとしたところ正常に作動せず、男性が死亡。

大阪市消防局で2010年4月、機器の故障で電気ショックが作動しない事例があった。患者は死亡。
 
同社は「今回も大阪の例も救急救命士向けの専門機種。不具合が続いて申し訳ない。2503と2513について、来週にもユーザーと連絡を取り点検を進める」としている。

 同社の有価証券報告書を見る限り、こうした事件やリスク情報は一切記載していない。日本光電工は、輸入品であろうが、あらゆる耐久試験を何千回・何万回と車両並みにテ
ストしていれば、こうした問題は生じなかったはずである。厚労省に働きかけ、AEDを
あちこちいろんなところに設置させたまでは売上も上がってよかっただろうが、肝心の命を預かる製品がこうでは、使い物にならない。
 各救急車はこうしたAED装置を、2台以上装備しておく必要があるのではなかろうか。当然、日本光電工は1台売ったから万が一のために2台分提供すべきだろう。

 当製品が、輸入品だったら、トランジスタの素子にゴミでも入っていたのではないだろうか。そうした不都合はいつ何時起きるかわからない。
トランジスタも含む電子回路は、日本並みのクリーンルームレベルと電源の安定性のなかで製造されない限り、東南アジアや停電ばかり起きる中国などで、いくらクリーンルームで製造したところで、電子部品の信頼性は大幅に落ちる。アメリカや欧州のメーカーは殆ど台湾や中国など東南アジアで製造している。
納入されている個々の機器について、問題ないかはっきりするまで販売禁止や全品回収などの措置も必要であろう。

日本光電工はこれまでにも約9万台AEDをリコールしており、今回もまた問題を起こした。

2010年7月22日 薬事・食品衛生審議会医療機器安全対策部会議事録>
株式会社フィリップスエレクトロニクスジャパンのAED「ハートスタートFR2+」です。こちらは、一定の時期に製造した製品で、メモリーの素子の故障率が高いとして、米国でリコールが行われています。国内でも、昨年10月に約3,000台の回収を行っています。
 次に、4ページの88番です。こちらもフィリップス社のAEDで、「ハートスタートHS1」です。これも特定の時期に製造した製品で、自社の品質基準を満たしていない可能性があるコンデンサが使用されていたとして、米国でリコールが行われています。国内でも、昨年11月に410台の自主回収を行っています。

 続いて、7ページの164番、165番、9ページの217番、218番、14ページの345番、
346番の6件になりますが、日本光電工業株式会社のAEDで「カルジオライフAED
-9200シリーズ」です。こちらは、本来は内部回路の故障が発生した際に、セルフテスト
で故障を検出するというような機械ですが、セルフテストでの故障の検出ができないとい
う問題が発覚して、ソフトウェアを変更をするとの改修(Repair)をアメリカ、ドイツ、ス
イス、カナダ、イギリスで実施したとの報告です。国内においても、昨年11月に合計約
10万台の改修を行うと発表している案件です。

 次に、12ページの292番です。こちらも、日本光電工業株式会社のAEDに使用する電極パットで「使い捨てパドルP-510シリーズ」です。これは、一部のロットで規定外の工具が使用されていたために、コネクタ部分のピンが広がっていて、接続不良が起こる可能性があるとして、ドイツでリコールを行っています。国内でも、昨年12月に約4,500個を自主回収しています。

 続いて、14ページの330番になります。こちらもフィリップスエレクトロニクスジャ
パンの「ハートスタートXL」というもので、これはAEDに近いのですが、医師が使用
する手動式の除細動器です。こちらは除細動器の本体ではなくて、付属品のパドルにある
スイッチが機能しないおそれがあるというのが特定のロットで判明したとして、米国でリ
コールが行われています。国内でも、本年1月にパドル90個を自主回収しています。
 最後に15ページの357番、368番から371番ですが、これも日本光電工業株式会社の
AEDで、「カルジオライフAED-9200シリーズ」です。これは、特定のロットで、電
子部品の絶縁チューブが損傷して、心電図にノイズが混入することによって放電ができな
くなる可能性があるとして、米国、英国、フランス、ドイツで改修(Repair)を行い、国内
でも本年2月に改修を行ったものです。このように、AEDに関しては非常にクラス?T回
収が多くなっている状況です。資料2-4の説明は以上です。

「消防機関における自動体外式除細動器(AED)の取扱いについて」・・・厚生労働省医薬食品局審査管理課・・・平成20年3月30日
の報告においても、今回のような機器の故障・不作動については報告されていない。機器の故障による死亡事故は既に平成19年12月奈良県で発生していた。

厚労省は、医療器具として販売許可を出している責任があり、これらのAED機器がこれまでにも救急型及び一般配置型とも問題を起こしている。
救急医療現場のAEDがこれでは、厚労省の信頼が薄らぐばかりである。厚労省は、これまでのようにメーカー任せの検査体制ではなく、AED機器の抜本的な検査指針を作り上げ、全品の総点検すべきではなかろうか。

AED製造販売会社
株式会社エムビーエス
日本光電工業株式会社
日本メドトロニック株式会社
株式会社フィリップスエレクトロニクスジャパン

AED
 

[ 2011年2月19日 ]
モバイル
モバイル向けURL http://n-seikei.jp/mobile/
スポンサードリンク

関連記事

  • この記事を見た人は以下も見ています
  •  
  • 同じカテゴリーの記事です。
  •