アイコン 富士通など、冷却不要の直接変調レーザーで光伝送成功

同社は、冷却不要の直接変調レーザーで毎秒40ギガビットの光伝送に成功したと発表した。
現在、伝送速度10Gbpsまでは、温度調節素子を必要としない、冷却不要の小型・低消費電力の直接変調レーザーが実用化されている。一方、10Gbpsを超える高速伝送では、10km程度までの短距離用でも外部変調方式の電界吸収型変調器集積レーザーが用いられている。しかし、電界吸収型変調器集積レーザーを安定して動作させるには、温度調節素子によって冷却する必要があり、この素子は消費電力の半分以上を占めるため、消費電力の低減が課題になっていた。

大量の情報を光に乗せて高速に伝送する光通信では、電気信号を光信号に変換するために、光強度を変調できる光源が必要。変調方式には、半導体レーザーへの注入電流を変調する直接変調方式と、半導体レーザーの外部に光変調器を用意して変調を行う外部変調方式の大きく2種類があり、主に低速・短距離用では直接変調方式、高速・長距離用では外部変調方式がそれぞれ用いられている。

 クラウド・コンピューティングサービスや高精細画質の映像配信サービスなど、ネットワークを流れるデータ量が急速に増大しており、年々増大するデータ伝送量に対応するため、データセンター内では伝送速度10Gbpsを超える高速光通信の導入が始まっており、環境負荷低減のために低消費電力の光通信が求められていた。
今回の開発で、従来と比べて消費電力を半分以下に、次世代高速光通信に向けて大きく前進する。
 本研究の一部は、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)より技術研究組合光電子融合基盤技術研究所(PETRA)に委託されたプロジェクト「次世代高効率ネットワークデバイスの技術開発」にて実施されたものである。
 

[ 2011年3月10日 ]
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