アイコン 半導体戦争 SKハイニックス1.5兆円の忠州半導体工場建設へ 3D-NAND製造

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NANDを世界で始めて開発した東芝から技術を盗んで大成長したSKハイニックス、バレて東芝は和解金を取得したが、米原発事業で巨額の損失を出し、潰れる一歩前。それに比べ、SKハイニックスは今や世界3大半導体メーカーとなっている。

SKハイニックスが、2兆2千億㌆を投じ、忠清北道・忠州に最先端の半導体工場を新設する。
この投資規模は、工場建物とクリーンルームなどにかかる金額で、半導体生産装備まで含めると15兆㌆以上の大規模投資になる見通し。
今回は、需要が急増している3D(立体)NAND型フラッシュメモリー工場となる。

当半導体工場は、忠州産業団地に敷地面積23万4千平方㍍で建設される。今年8月に着工、2019年6月の完成を目指す。
SKハイニックスが、SKグループ傘下に入った直後の2012年、半導体業界は投資が縮小する不透明な状況だったが、SKハイニックスは崔泰源グループ会長の決断で設備投資を拡大してきた。
昨年8月に京畿道・利川に半導体工場が完成。その際、半導体の世界市場をリードすることを目的に総額46兆㌆の中長期投資計画を発表した。今回建設を決めた忠州工場はその一環。
以上、

韓国では、半導体の圧倒的シェアを握るサムスン電子も巨大工場の建設に入っている。半導体のニーズは、AI、IOT家電、自動運転自動車へと市場拡大が保証されている。サムスン電子に至っては、半導体の急激な値上がりから、販売停止に至ったノート7の損失を穴埋めし、さらに利益が出るという半導体事業がサムスン電子にとって救世主となっている。
ただ、中国では、国の政策により、半導体工場が今年から来年にかけ大規模工場が各地で完成してくる。すでに技術者・開発者不足が表面化、先進国も以前のような買収には軍事面から買収認可を与えないようになっており、優秀な人材の不足に陥っている。当然、韓国から大量に引っこ抜いているが、国の施策であり、地方が競って誘致に動き、箱物はできても動かせる人がいないのではとささやかれている。それでもいくつかの大手の大工場は稼動すると見られ、生産量はサムスン電子の建設中の平沢工場も今年完成・操業し大幅に増加してくる。
業界では2017年の成長率を10%と予測している。
半導体生産業界は、開発や新規設備に巨額投資を必要とし続け、世界の需給バランスが保たれている間は利益が出続けるが、崩れた場合、即価格競争に陥り、半導体ほど飯を食う産業は逆にない。

 
2016年半導体メーカーのランキング
 
メーカー
国籍
生産方式
百万ドル
前年比
シェア
1
インテル
米国
 
56,313
8%
20.0%
2
サムスン
韓国
 
43,535
4%
15.4%
3
TSMC
台湾
ファンドリー
29,324
11%
10.4%
4
クァルコム
米国
ファブレス
15,436
-4%
5.5%
5
ブロードコム
シンガポール
ファブレス
15,332
1%
5.4%
6
SKハイニックス
韓国
 
14,234
-15%
5.0%
7
マイクロン
米国
 
12,842
-11%
4.6%
8
TI
米国
 
12,349
2%
4.4%
9
東芝
日本
 
10,922
16%
3.9%
10
NXP
オランダ
 
9,498
-10%
3.4%
11
Media Tek
台湾
ファブレス
8,610
29%
3.1%
12
Infineon
ドイツ
 
7,343
6%
2.6%
13
ST
イタリア
 
6,944
1%
2.5%
14
Apple
米国
ファンドリー&ファブレス
6,493
17%
2.3%
15
Sony
日本
 
6,466
3%
2.3%
16
Nividia
米国
ファブレス
6,340
35%
2.2%
17
Renesas
日本
 
5,751
1%
2.0%
18
グローバルファンドリー
米国
ファンドリー
5,085
-11%
1.8%
19
ON Ssemi
米国
 
4,858
0%
1.7%
20
UMC
台湾
ファンドリー
4,455
0%
1.6%
 
 
 
282,130
3%
100.0%
・米IC Insightsによる11月での予想、イメージセンサー含まず
・ファブレスは工場も持たない半導体会社、ファンドリーは他社設計を生産
・半導体には、メモリー系とシステム系に分かれ、メモリー系は韓国勢が圧倒
・中国勢はシステム系がほとんどで企業数が多い。メモリー系を育成中
 

<半導体市場はシステム半導体とメモリー系半導体の2つの市場がある>
システム半導体市場に強者はいないが、メモリー系より市場は3倍大きい。

<DRAM生産市場 2016年7~10月>
1、サムスン電子   64.5%
2、SKハイニックス  22.8%
3、マイクロン      10.6%
以上3社で97.9%に達している。

半導体関連情報サイトのDRAMエクスチェンジは25日までに発表したサムスン電子の7~10月期のモバイル向けDRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)の売上高は前期比22.4%増の29億6000万ドル(約3366億4000万円)となった。シェアは64.5%となり、前期から3.0ポイント上昇し過去最高を記録した。
シェア2位は韓国のSKハイニックスで22.8%だった。3位は米マイクロン・テクノロジーで10.6%。韓国2社で世界市場の87.3%を占めている。
DRAMエクスチェンジはサムスンについて、「回路線幅20ナノメートル(ナノは10億分の1)製品の生産技術が既に高い水準にあるとしている。

<2016年7~9月期のNAND市場>
米調査会社IHSによると、2016年7~9月期のNAND市場の市場占有率は次のとおりとなっている。
1、サムスン電子は37億4400万ドルの売上高を上げシェア36.6%。
2、東芝は20億2600万ドルの売上高を上げてシェア19.8%。
3、ウェスタン・デジタルが17.1%で、サンディスクを合併した効果が出た。
4、SKハイニックスはシェア10.4%、
5、マイクロンは9.8%となっている。
以上で93.7%に達している。

<サムスン電子の2016年10~12月期決算>半導体事業過去最高利益
サムスン電子の昨年10~12月期の売上高は53兆3,300億ウォンで、前年同期比0.03%増加した。
半導体部門の営業利益は4兆9,500億ウォンで、過去最高15年7~9月期(3.66兆ウォン)を1兆ウォン以上、上回った。
IM(ITモバイル)部門の営業利益は2兆5,000億ウォン、
ディスプレイ部門は1兆3,400億ウォン、
消費者家電(CE)部門は3,200億ウォン
と集計された。

 半導体が全体をけん引した。部門別の営業利益をみると、モバイル向け半導体メモリーの需要が急増し、単価が上昇した。18ナノメートルプロセスのDRAMと48層の積層構造の「V―NAND」型フラッシュメモリーを量産するなど、競合他社を引き離す技術力が過去最高益に導いたと分析される。

<2016年サムスン電子の決算>
2016年通期は、売上高が前年比0.6%増の201兆8700億ウォン、営業利益が10.7%増の29兆2400億ウォンだった。
 売上高は5年連続で200兆ウォン台を記録。営業利益は13年(36兆7900億ウォン)に次いで過去2番目の高さとなった。
救世主となった半導体事業は、半導体メモリーのうち高付加価値製品の販売を拡大し、10ナノプロセスのDRAMと64層V―NAND型フラッシュメモリーへの移行を進める。システムLSI(大規模集積回路)に関しては顧客企業の多様化と高付加価値製品の供給拡大、10ナノプロセス製品の供給に注力する方針。
 ディスプレイは、有機ELパネルのうち高付加価値のフレキシブル製品の外部供給を拡大し、液晶パネルの収益性改善にも取り組む。

<中国のメモリー系への追撃>
中国政府は、自国産品は自国産素材・部材・部品を使用する国策の下、メモリー系半導体(DRAM+NAND)の強化を図っている。これまでは先進国の半導体企業を買収して、技術を導入していたが、最近では米政府などが軍事面から買収承認せず、韓国などからヘッドハンティングして人材確保に努めている。
中国の各地方政府が競ってメモリー系やディスプレイの生産工場誘致を行っているものの、開発や技術の人材不足により実際生産に漕ぎ付けるのは数社と見られている。そうした中、国立清華大学系の紫光集団は南京に300億ドルをかけてメモリー半導体工場を作っている。また、紫光集団の子会社であるXMCは、昨年3月、武漢に240億ドルでメモリーチップ工場を建設すると発表していた。
2015年基準での世界の半導体市場は、システム半導体市場が2,670億ドル規模に対して、メモリー半導体市場は807億ドルとされ3倍多く、システム半導体市場は大きなシェアを持つ企業がない。
メモリー系市場は、韓国のサムスン電子とSKハイニックスが巨額投資を続けており、優位に駒を進めていることは間違いない。
 今後の半導体市場は、AI用システム半導体の市場急拡大が指摘されている。
 

[ 2017年2月 6日 ]
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