空き家相続問題

アイコン 数字でみる和歌山県の空き家問題 10.5万戸、空き家率21.2%で全国2位 利用目的のない空き家は約5.9万戸


和歌山県の空き家が10万戸を超えている。

総務省の2023年住宅・土地統計調査によると、県内の住宅総数は49万5,600戸。このうち空き家は10万5,300戸で、空き家率は21.2%となった。

全国平均の13.8%を7.4ポイント上回り、確報値では徳島県に次ぐ全国2位。県内では住宅のおよそ5戸に1戸が空き家という計算になる。

さらに注目されるのが、賃貸用や売却用、別荘などの二次的住宅を除いた空き家で、県内に約5万9,000戸ある。この記事ではタイトル上「利用目的のない空き家」と表現しているが、統計上は「賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家」に分類される住宅を指す。

空き家数
10万5,300戸
空き家率
21.2%
全国2位
賃貸・売却用等を除く
約5.9万戸
2018年から
+6,900戸
1998年から
約68%増
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空き家は5年間で6,900戸増加

和歌山県の空き家は2018年時点で9万8,400戸だったが、2023年には10万5,300戸となり、5年間で6,900戸、率にして約7%増えた。

住宅総数は同期間に48万5,200戸から49万5,600戸へ約2%増えており、住宅そのものの増加率を空き家の増加率が上回っている。

さらに長期で見ると、1998年の空き家は6万2,600戸だった。2023年までの25年間で4万2,700戸増加し、増加率は約68%となる。

年 空き家数
1983年 3万8,500戸
1998年 6万2,600戸
2013年 8万6,000戸
2018年 9万8,400戸
2023年 10万5,300戸

40年間では約2.7倍になった計算で、和歌山県の空き家問題は最近になって突然生じたものではなく、長期的に積み上がってきたことが分かる。

約5.9万戸は賃貸・売却用などではない空き家

空き家10万5,300戸をすべて「放置住宅」とみることはできない。賃貸募集されている住宅や売却予定の住宅、別荘なども空き家統計に含まれるためだ。

一方、県内ではこうした住宅を除く「賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家」が約5万9,000戸に上る。

住宅総数に占める割合は12.1%で、全国の5.9%を大きく上回る。和歌山県では単に空き家率が高いだけでなく、市場での賃貸や売却など明確な用途を持たない住宅の割合も高い。

空き家バンクは累計1,531件登録

和歌山県では、移住希望者などと空き家所有者をつなぐ空き家バンクを展開している。

県資料によると、2015年度から2025年12月末までの累計登録件数は1,531件。成約は668件で、このうち売買が393件、賃貸が275件となっている。

空き家全体の規模に比べれば登録物件は限られるが、利用可能な住宅を市場へ戻す仕組みの一つとして運用されている。

相続登記、旧相続分は2027年3月末が一つの期限

空き家を考えるうえで、相続した不動産の登記も重要になる。

相続登記は2024年4月1日から義務化された。相続によって不動産を取得したことを知った日から原則3年以内に登記を申請する必要があり、正当な理由なく義務に違反した場合は10万円以下の過料の対象となる。

制度開始前に発生していた相続も対象で、すでに相続したことを知っていたケースでは、経過措置により2027年3月31日が申請期限となる。

ただし、和歌山県の約5万9,000戸の空き家がすべて相続を原因として生じたことを示す統計ではない。空き家数と相続問題を直接結び付けることはできない点には注意が必要だ。

「空き家になると固定資産税6倍」ではない

2023年12月に施行された改正空家法では、放置すれば特定空家になるおそれがある住宅を「管理不全空家」として行政が指導・勧告できる仕組みが設けられた。

管理不全空家や特定空家について市町村から勧告を受けると、その敷地は住宅用地に対する固定資産税などの特例措置の対象から外れる場合がある。

一方、単に住宅が空き家になっただけで直ちに固定資産税が「6倍」になるわけではない。行政による認定や勧告、土地の条件などによって扱いが異なる。

数字でみる和歌山県の空き家問題

住宅総数:49万5,600戸
空き家数:10万5,300戸
空き家率:21.2%(全国2位)
全国平均:13.8%
賃貸・売却用等を除く空き家:約5万9,000戸
同割合:12.1%(全国5.9%)
2018年比:6,900戸増
1998年比:4万2,700戸増、約68%増

和歌山県では空き家率の高さに加え、賃貸や売却などに回っていない空き家が約5万9,000戸に上る。

今後は住宅を新たに増やす問題だけでなく、すでに存在する住宅を誰が管理し、相続し、利用するのかという問題の比重がさらに大きくなりそうだ。

※住宅・土地統計調査は標本調査による推計値。数値は調査・公表資料の丸め処理などにより合計が一致しない場合がある。

主な出典:総務省「2023年住宅・土地統計調査」、和歌山県「住宅・土地統計調査結果」、和歌山県空家等対策資料、法務省「相続登記の申請義務化」、和歌山県空き家対策関連資料。

[ 2026年10月 2日 ]
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