世界鉄鋼協会が25日までにまとめた世界64ヶ国・地域の10月の粗鋼生産量(速報値)は前年同月比7.0%増の1億6189万トンだった。
2桁増が続く中国のほかにインドやブラジルも増加し、3ヶ月連続で前年を上回った。世界で新コロナ感染者が増えている一方で、回復ペースは速まっている。
国・地域別では、
中国が12.7%増の9220万トン。政府の新コロナに伴う景気刺激策に伴うインフラ投資が活発で鋼材需要が拡大しており、2ヶ月連続の2ケタ増。
インドは906万トンと前年同月比で0.9%増。インフラ分野やエネルギー分野での投資が活発になっており、タタ製鉄やJSWスチールなど現地大手の粗鋼生産が拡大している。
ブラジルも3.5%増の278万トンで増加基調。
韓国は9月に増加していたが10月は▲1.8%減の586万トンだった。
欧州連合(EU)は、9月まで2ケタ減が続いていた10月は▲5.6%減の1261万トンまで回復した。
日本は▲11.7%減の720万トン。
JFEスチールの西日本製鉄所の福山地区における高炉1基の再稼働などを背景に、対前年での減少幅が縮小した。
さらに日本製鉄も東日本製鉄所君津と室蘭製鉄所でそれぞれ高炉1基の稼働を再開した。国内での生産規模も回復への期待が高まっている。
以上、