12月の鉱工業生産指数 前月比▲1.0%減の96.5 アジアサプライチェーン問題
経済産業省が31日発表した12月の鉱工業生産指数(2015年=100、季節調整済)速報値は96.5となり、前月比▲1.0%減となった。低下は3ヶ月ぶり。汎用・業務用機械工業や生産用機械工業が下がった。
1月は新型コロナ・オミクロン株の拡大で、すでに自動車工場や部品会社などで生産停止に追い込まれており、生産を下振れさせる可能性が高い。
12月までは半導体不足で多くの電子産業や自動車産業に影響し、1月からはオミクロン株が追い打ちをかけている。
12月は全15業種のうち10業種が低下。汎用・業務用機械工業は水管ボイラや汎用内燃機関などの減産で▲4.9%下がった。
産業用機械に使うガソリンエンジンなどの汎用内燃機関は「アジアからの部材調達の停滞や物流の逼迫の影響が出た」という。
半導体製造装置やプラスチック加工機械が減産した生産用機械工業は▲3.2%低下した。自動車工業を除く輸送機械工業も▲13.0%低下した。
自動車工業は、駆動伝導・操縦装置部品や小型乗用車の増産で1.5%上昇した。
経産省は生産の基調判断を「持ち直しの動きがみられる」に据え置いた。
2021年の年間の鉱工業生産指数(原指数)は前年比5.8%高い95.9となった。比較可能な2014年以降で最大の上昇率となった。ただ、新コロナの感染拡大前の2019年の101.1は大きく至らない。
主要企業の生産計画から算出する生産予測指数は1月が5.2%、2月は2.2%の上昇を見込む。
自動車などの輸送機械工業は1月に3.3%、2月は5.7%の上昇を予測している。ただ、調査は1月10日時点のため、その後の感染急拡大による自動車各社の国内工場の稼働停止などは織り込んでいない。
以上、
スクロール→
鉱工業生産指数 |
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生産指数 |
前年比 |
備考 |
2019年 |
101.1 |
-3.0 |
五輪景気剥落 |
2020年 |
90.6 |
-10.4 |
新コロナ惨禍 |
2021年 |
95.9 |
5.8 |
新コロナ惨禍 |
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季節調整後 |
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前月比 |
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2021/1月 |
96.9 |
3.1 |
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2月 |
95.6 |
-1.3 |
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3月 |
97.2 |
1.7 |
|
4月 |
100 |
2.9 |
|
5月 |
935.5 |
-6.5 |
英国株 |
6月 |
99.6 |
6.5 |
|
7月 |
98.1 |
-1.5 |
デルタ株 |
8月 |
94.6 |
-3.6 |
デルタ株 |
9月 |
89.5 |
-5.4 |
デルタ株 |
10月 |
91.1 |
14.8 |
|
11月 |
97.5 |
7.0 |
|
12月 |
96.5 |
-1.0 |
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