日本製鉄とポスコの違い
ポスコは連結基準で売上高が前年比32.1%増の76兆4000億ウォン(約7兆2800億円)、営業利益は283.8%増の9兆2000億ウォン(約8750億円)だったと発表した。新コロナによる環境悪化どころか大増収増益を記録している。
一方、日本製鉄の今期は6.7兆円の売上高を予想している。営業利益は安価に仕入れていた在庫が、中国の石炭不足・電力不足により国際相場が高騰し、その恩恵をポスコ同様受け好業績となる。
ただ、こうしたことは一度や二度ではなく、その翌期は高値で仕入れた原料により生産することになり、今期の業績だけを見ることはできない。
日本製鉄の代表は、「世界の日本製鉄に再度蘇がえさせる」と豪語して就任したものの、国内企業と喧嘩している状態。
日本の製鉄企業が支援して勃興したポスコとの現在の差は何なのだろうか、
権威主義・官僚主義・投資不足・経営も施設も老朽化、内輪型思考と大陸型思考の差、サラリーマン経営の差・・・。
ポスコは日本製鉄の極秘の「方向性電磁鋼板」製造技術を、日本製鉄元社員らから盗み出し、日本製鉄は2012年、ポスコに対して1000億円の損害賠償請求訴訟を起こし、300億円で和解した。
ポスコ社員がポスコが盗人した技術を中国宝山鋼鉄に売却、産業スパイ罪で告発され、裁判過程で発覚したものだった。
(日本製鉄は宝山に対して2021年10月やっと訴訟を起した。宝山鋼鉄もポスコ同様、日本製鉄が支援して勃興した鉄鋼会社でもある。日本製鉄は、「方向性電磁鋼板は極秘すぎて特許もとらず生産していたが、2010年にこうしたポスコとの問題が発覚しやっと出願、2014年に認められている。特許出願前にすでに宝山も製造していた。)
韓国のバッテリー戦争では、
LGの社員をSKが採用してEV用電池の製造技術を盗人、LGから告発され米国のITC(米国際貿易委員会)もSK(米工場建設中)が単独で開発しようとすれば十年かかると盗人判定した。
LGの経営姿勢はサムスンとの訴訟でも徹底的に戦い決して和解しない。
EV普及を第一義にして登場したバイデン米大統領が米進出のLG(GM合弁で3ヶ所建設中)に圧力をかけ、昨年4月両社に和解させた。
その和解代金は2兆ウォン(約1900億円)だった。
日本製鉄は官営企業意識を今に引きずる殿様商売・経営意識の問題。
日本製鉄の時価評価額は1.80兆円/ポスコは1.96兆円
ポスコはインドネシア・ベトナムへ製鉄所進出、アルゼンチンでリチウムの大規模塩湖権取得、
日本製鉄は全国の老朽化施設の閉鎖・再編中、次世代向けの新規投資どころではない。
スクロール→
日本製鉄/IFRS基準 |
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連結/百万円 |
20/3期 |
21/3期 |
22/3期予 |
売上高 |
5,921,525 |
4,829,272 |
6,700,000 |
営業利益 |
-406,119 |
11,381 |
800,000 |
税前利益 |
-423,572 |
-8,656 |
|
株主利益 |
-431,513 |
-32,432 |
520,000 |
総資産 |
7,444,965 |
7,573,946 |
|
自己資本 |
2,641,618 |
2,759,997 |
|
資本金 |
419,524 |
419,524 |
|
有利子負債 |
2,488,741 |
2,559,231 |
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自己資本比率 |
35.50% |
36.40% |
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