西部ガスは1日、ロシアのガス生産・販売大手、ノバテクと共同で、中国・上海に液化天然ガス(LNG)36トンを輸出したと発表した。西部ガスは今年1月、上海向けに単独でLNG270トンを輸出している。
今回の輸出はLNGの国際取引事業で合弁会社設立に向け協議を進めるノバテクとの共同事業で、関係強化の一助としたい狙い。
LNGは、西部ガスのひびきLNG基地で貯蔵するガスをコンテナに移し替え、北九州港のひびきコンテナターミナルから送った。輸送と現地での販売は、ノバテク子会社、ノバテク・ガス・アンド・パワー・アジアが担った。
西部ガスとノバテクは昨年9月、2023年の事業開始を目標に基本合意を交わしていた。将来的には、ノバテクが北極圏で生産した天然ガスをひびきLNG基地に運搬・保管し、中国をはじめアジア各国で販売する構想を描く。
西部ガスも将来的に人口減、九電や自然エネルギー電気との競争にさらされることになる。基幹の一つになる事業が欲しいところ、ひびきLNG基地の有効活用からしても大きなチャレンジとなる。事業がうまくいけばさらにタンクを何基も増設する可能性もあり、電力会社などへの販売も可能となる。