カナダ政府が12月21日までに、中国国有大手の山東黄金鉱業によるカナダの鉱山管理会社TMACリソースの買収案を却下した。
北極の地政学的な要所に関わるTMACの買収案は、専門家からカナダの安全保障上の懸念を引き起こしていた。
TMACの声明によると、投資法に基づくカナダ政府の決定を受けて、中国国営企業・山東黄金鉱業有限公司と取引の終了を協議しているとした。
世界最大級の金生産企業である山東黄金鉱業は5月、中国の規制当局の承認を得て、北極圏に位置するカナダ北部ヌナブト州のホープベイ金鉱山を所有するTMACを2億3千万ドルで買収する計画を発表した。TMACの株主たちは6月、株主総会で賛成票を投じた。
しかし、カナダ政府が10月、国家安全保障の懸念から計画の見直しを命じたため、同案は承認待ちとなった。
カナダ政府は「機会主義の投資行動」を防ぐために、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が続く中、外国企業に対してより厳しい審査を行っている。
北米への足掛かりとなる北極圏を狙う中国とその国営企業は、北極に資産を所有する外国企業に手を伸ばしている。
中国は、一帯一路の世界覇権に向けて、長期的な戦略目標を進めるために外国企業やインフラ投資協力名目で相手国や相手国自治体を借金の漬物にし、相手に借金を軽減させるため、港湾や空港などを99年間借用するという軍事覇権戦略を実行し、米国の庭の中南米や豪州北部ダーウィン港にもそうした手口で中国は進出している。スリランカ、ジブチ・・・・