アイコン 中国政府 レアアース事業を2社に統合、国家管理強化へ レアメタル

Posted:[ 2021年11月 1日 ]

中国政府は、以前からレアアース鉱山開発事業を国営企業のみに認可して戦略物資として管理してきた。しかし、国営企業といっても地方政府が管理する企業もあった。

そこで、今回の米中貿易戦争により、中国はレアアースを貿易の武器に強化すべく、南北の2社に纏め上げ、その戦略物資としての統制を強化している。すでにレアアースは暴騰している。

中国政府は、レアアース鉱山の開発から生産まで行っている中国五鉱集団(CMC)、中国アルミニウム(CHALCO)、南方土集希団の3社を統合し、南方希土集団とした。



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これでレアアースの生産企業は、軽希土類を中心に年間10万トンを生産する北方希土集団と、主に重希土類5万トンを生産する南方希土集団の2社に集約された。

希土類、特にネオジウム永久磁石(NdFeB)は、電気自動車のモーター、風力発電タービンの重要な必需品で、世界的に需要が拡大し続けている。

特に中国には世界の希土類の埋蔵量の90%が集中している。

今回の統合により国家直営になり世界の希土類供給に対する独占度を強め、価格統制権も強化する。

中国の毎日経済新聞は、これら企業の統合をめぐって、「欧米に対する核心的な戦略の切り札になるだろう」と報じた。

希土類のランタノイド類の中でガドリニウムより原子量が小さい元素の鉱物を軽希土類といい、原子量が多いのを重希土類とよぶ。

軽希土類は、La, Ce, Pr, Nd(ネオジウム), Pm, Sm, Euをいう。

重希土類は、ランタノイド15元素、ランタン族のスカンジウムとイットリウムを加えた17元素をいう。

米国では過去、採掘・精錬などに伴う環境対策費用や生産コスト増により、自ら安価な中国に依存し、レアアースの開発・生産を放棄してきた経緯がある。


 

 


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