アイコン 中国 製造業購買担当者景気指数 景況改善・悪化の分岐点 2ヶ月連続下回る

Posted:[ 2021年11月 1日 ]

中国国家統計局が31日発表した10月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は49.2と前月の49.6から低下した。景況改善・悪化の分岐点となる50を2ヶ月連続で下回った。
原材料価格の高止まりや国内需要の鈍化が影響しており、景況は年内にさら悪化する可能性がある。
生産指数は、前月の49.5から48.4に低下、新規受注指数も48.8と3ヶ月連続で50を下回った。
さらに懸念されるのは産出価格指数が61.1と、2016年の指数算出開始以来の高水準となり、全般的な経済成長が減速する中、インフレ圧力の高まりを示していることだ。調査対象企業の約3分の1が需要不足を最大の課題に挙げており、不十分な需要が生産を抑制したことが示されている。

10月14日に統計局が発表した9月の生産者物価指数(PPI)は、前年比10.7%上昇と、原材料価格の高騰を背景に1996年10月の統計開始以来、最も高い伸びを記録していた。
一方、弱い需要により消費者物価の伸びは鈍く、政策当局者は生産者物価の伸びを抑えながら景気を支援するという難し舵取りを迫られる。

国家統計局の説明では、
  10月の製造業購買担当者指数は49.2%で、前月から0.4ポイント減少し、2ヶ月連続で縮小範囲にあり、ともに非製造業活動指数と複合PMI出力指数も52.4%となり、それぞれ先月より0.8ポイントと0.9ポイント下落した。



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Ⅰ、<.製造業購買管理者指数が低下>
10月には、依然として供給が逼迫していることや一部の原材料の高騰などの要因により、製造業のPMIは49.2%に低下した。
製造業の業種から見ると、調査した21の業種のうち、9業種は先月を上回り、3業種は先月よりも低く、製造業の生産と運営における活動は弱まっている。

10月の主な注目点
第1、需要と供給の両方でのさらなる減速
生産指数と新規受注指数はそれぞれ48.4%と48.8%と、前月比1.1ポイントと0.5ポイント低下した。これは引き続き縮小範囲にあり、製造業生産と市場需要は弱まっていることを意味する。
業界すれば、繊維、非金属鉱物製品、鉄金属製錬、圧延加工の2つの指標生産・受注)は、どちらも45.0%未満の縮小範囲にあり、需給両端の繁栄度は低い。

第2、物価指数は上昇継続。
主要原材料の購入価格指数は前月より8.6P上昇し72.1%、工場出荷時価格指数は4.7P上昇し61.1%と高かった。
工場出荷時価格指数はここ数年で最も高かった。
産業から見ると、石油、石炭およびその他の燃料処理、化学原料および化学製品、鉄金属製錬および圧延処理、非鉄金属製錬および圧延処理およびその他の産業の2つの価格指数は73.0%以上になり、材料の購入価格と製品の販売価格がより速く上昇した。

第3、輸出入指数はわずかに反発
新規輸出注文指数と輸入指数はそれぞれ46.6%と47.5%で、前月から0.4ポイントと0.7ポイント上昇した。
世界の主要経済の回復は最近鈍化しており、国際的な経済貿易の状況は複雑で変化しやすく、製造業の輸出入の傾向はさらに観察する必要がある。

第4、ハイテクおよび機器製造業は拡大継続
ハイテク製造業と機器製造業のPMIはそれぞれ52.0%と51.2%であり、製造業全体よりも2.8ポイントと2.0ポイント高かった。これらは拡大傾向を続け、依然として製造業全体に大きな牽引効果をもたらした。

高エネルギー消費産業のPMIは47.2パーセント、全体的な製造業より低く、▲2.0%ポイント、高エネルギー消費産業や事業活動期待指数は全体の48.6パーセントの製造業よりも低い。

第5、大企業の運営は安定
大企業のPMIは50.3%で、前月から0.1ポイントのわずかな減少であり、それでもしきい値50を上回っている。大企業は拡大を続けた。
中小企業のPMIは48.6%で前月比▲1.1ポイント低下し、2ヶ月連続縮小、50割れは6ヶ月連続で中小企業に対する生産縮小圧力がかかっている。

Ⅱ、 <非製造業PMI52.4%、拡大続く>
10月の非製造業活動指数は52.4%。
前月より▲0.8ポイント低いものの、それでもしきい値50を上回っており、非製造業は拡大を続けているものの、その上昇力は弱まっている。

サービス産業の回復は鈍化している。
サービス業の事業活動指数は前月比▲0.8ポイント減の51.6%であり、繁栄度は低下している。業界の観点からは、電気通信、放送、テレビ、衛星放送サービス、インターネットソフトウェア、情報技術サービスの事業活動指数は2ヶ月連続で56.0%を上回り、市場活動は引き続き増加している。
これは、「第11回」ゴールデンウィークと休日宿泊、ケータリング、生態保護と環境ガバナンス、エンターテインメントなど、消費に密接に関連する業界の事業活動指数がすべて55.0%を超える高い水準にあり、合計消費額は前月より大幅に増加した。同時に、新コロナや天候不順の影響により、消費者はお祭りや近距離のツアーを利用する傾向がある。
今月は、鉄道輸送、航空輸送などの業界の事業活動指数が臨界点を上回った。拡大は比較的弱く、経済水準はそれほど良くない。
近年の同時期に、さらに、資本市場サービス、保険、不動産業界の事業活動指数は引き続きしきい値50を下回っている。
市場期待については、事業活動期待指数は前月比▲0.4ポイント減の58.5%であり、引き続き高い経済水準にあり、ほとんどの企業がサービス産業市場について比較的楽観的であることを示している。

<建設業は着実に成長>
建設業の事業活動指数は前月比▲0.6ポイント減の56.9%だったが、依然として高い水準にあり、建設業の生産は伸び続けた。
市場の需要と雇用の観点から、新規受注指数と従業員指数はそれぞれ52.3%と52.4%であり、建設会社が署名した新規建設契約の数と労働者の数の両方が前月から増加したことを示している。
なお、中国不動産開発会社で最大級の恒大は、延期していた2回の社債利払いを実行、会長が香港資産を担保に借り入れ資金捻出、建築現場も動き出したというニュースが伝わってきている。

Ⅲ、<.包括的なPMI出力インデックスの拡張は停滞>
10月の総合PMIアウトプット指数は、前月の51.7%から▲0.9ポイント低下し50.8%であり、中国企業の生産・運営活動全体の拡大が鈍化していることを示している。
総合PMIアウトプット指数を構成する製造業生産指数と非製造業活動指数はそれぞれ48.4%と52.4%である。
以上、中国国家統計局参照

鉄道・地下鉄・大架橋、高速道、大トンネルなどのインフラ工事をあちこちでやっているのだろうか鉄道以外、あまり聞かないが・・・。
共産国の経済指標資料は、政府や業界に忖度したデータとなっており、特に敏感なデータは参考程度にとどめる必要がある。日本でも上から指示され忖度統計資料が作成された経緯があり問題となったことがあり、統計庁の設置が求められたが騒ぎだけで終わった。

 


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