アイコン 中国再び電力不足のおそれ インドネシア石炭輸出禁止措置

Posted:[ 2022年1月 5日 ]

昨年9~11月の中国の電力不足により生じた生産者物価指数の高騰、電力不足が多くの工場団地で工場の稼動調整に入り生産減、材料や部品が品不足からサプライチェーンを一時ズタズタになった。
中央政府が石炭の緊急輸入拡大と採炭会社に大増産を指示して現在は落ち着いているが、冬の最需要期、インドネシアの石炭輸出禁止に再び電力や暖房に暗雲が垂れ込めている。

中国は発電量の6割を石炭火力発電所に依存しており、石炭不足は製鉄所、精錬所などにも多大なる影響をもたらす。

こうした問題は、中国政府が豪州政権と喧嘩して豪州炭の輸入(6000万トン前後)を禁止したにもかかわらず、世界最大の石炭産出国である自国の石炭産出量を前年(20年)並に据え置いたことにすべて起因している。世界経済の新コロナからの回復により輸出が大幅に伸び、それとともに電力需要も大きく伸びていた。
秋場は、夏の冷房消費も落ち着き、石炭需要が低迷する時期、そうした時期に石炭不足に陥っていた。



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中国政府は採炭会社に緊急増産させる一方、世界最大の石炭輸出国のインドネシアから大量買付けに入っていた。
そのため、インドネシアの石炭火力発電所の石炭在庫が減少、インドネシア政府が緊急事態だとして1月の1ヶ月間輸出を停止するというもの。

採炭会社は、国内販売は価格に上限が設定されており、それより2~3割高く買い取る海外勢に優先して販売していた。
今回の事態に再び石炭価格が値上がりするものと見られ、それも輸出禁止期間が延長される可能性もあり、中国で再び石炭不足が生じる可能性もある。

インドネシア石炭の主要輸入国は中国、インド、日本、韓国などとなっている。

中国メディアは、今回の輸出禁止措置について、集中豪雨などラニーニャ現象によりインドネシアのカリマンタン地域の石炭採掘が正常稼働できておらず石炭不足が起きたとし、中国が緊急大量輸入したことには触れていない。
中国が昨年輸入した石炭は11月末基準で2億9000万トンに上る。このうち61%の1億7800万トンをインドネシアから輸入した。中国のインドネシア産石炭輸入の割合は2020年の46%から昨年は61%以上に拡大している。

中国では厳冬の石炭消費が最大化する季節、暖房用にも使用され、電力不足が再び生じる可能性がある。

石炭の先物価格は、
2018年12月31日、99ドル/トン
2019年12月31日、65ドル
2020年9月1日、47ドル(過去5年間でのボトム)
昨年10月11日に240ドル(ピーク)
昨年11月15日、150ドル
今年1月3日、174ドル

中国政府は豪州政府と新コロナ起源説で喧嘩し、中国政府は豪州からの石炭の輸入禁止、農産物やワインの高関税化などエスカレートさせている。それでいて、鉄鉱石やリチウム含有鉱物の豪州からの輸入はしっかり行っている。

 


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