アイコン 現代自動車 第3世代の水素燃料電池車の開発断念 水素時代

Posted:[ 2022年1月18日 ]

夢を語るのはよいが、政府の政策が大言壮語ばかりではいかがなものだろうか。

隣国は国を挙げて水素社会の実現を目指すとどっかの国の言葉を置き換え、推進してきた水素燃料電池車の普及、牽引役の現代自動車が第3世代の水素車の開発を断念したという。

中国のように、研究開発するより、ノウハウを持つ企業を買収、進出企業に強制的に技術を開放させたり、パクッたり、日本を始め開発研究者や企業の研究員を高額で引っこ抜いたり招聘した方が技術導入も短時間で済み、安上がりと見て、タイミングを見はかる算段だろうか。

隣国政府は、2019年に、「2022年に水素自動車販売8万台」という目標を掲げ、また現代自動車は「2025年に水素自動車年間生産13万台」とし、2040年に水素社会を達成する「水素経済活性化ロードマップ」を発表していた。

その実現のために「SUVネクソ(NEXO)」に適用された第2世代燃料電池よりも体積を▲約30%減らし、出力と耐久性を2~3倍高める第3世代、生産単価も現在の3000万ウォン(約290万円)前後と推定される車両燃料電池価格を2025年までに▲50%以上引き下げる計画だったが、4年計画の1年目にして現状から実現不可能と監査室から判断され断念したようだ。組織も再編成してしまうが、研究開発は今後とも続けていくとしている。



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これまでの販売台数
現代自の水素車の販売と輸出実績は、大統領の音頭により政府や官庁が導入したことにより昨年11月までに2.1万台販売や輸出していた。しかし、2022年の目標には遠に及ばない。

インフラ整備1(水素ステーション)
水素ステーションのインフラにしても補助金を出しながら117ヶ所の設置にとどまっている。ガソリンスタンドの投資より2~3倍高額となり、車両販売台数が少なく、いくら補助金をもらって設置しても採算にまったく合わないとして、自動車メーカー系などが設置するのを除けば民間企業による設置はまったく進んでいない。今年中に全国に310ヶ所整備予定だった。

インフラ整備2(水素価格)
水素価格も現在1キログラム当たり平均単価が8430ウォン(約815円)で、計画の2022年までに6000ウォン(約580円)以下に下げるには▲28%も下げなければならない。
日本のように豪州で褐炭から水素を取り出し、液化して水素運搬船で持ち込み価格を下げる、水・海水から水素を安価に取り出す、石油精製施設の副産物として安価に取り出す技術など各方面で研究を行うわけでもなく、その努力も限られている。造船大国ながら水素運搬船を開発するわけでもない。

トヨタは2030年に世界販売台数の3%を水素車と想定している。トヨタだけだとしても30万台と採算ベースに乗せられる販売台数となる。

EVに急速に舵を切った自動車業界、米国でもカルフォルニア州やバイデン大統領じきじきに推進しているが、エンドユーザーにそれほどインパクトはない。米国は衝突事故の多い国、衝突の際のEVの火災リスクからはまだ開放されていない。EV車両が多くなれば必然的にこうした問題が浮上し、米国で衝突炎上死亡事故でも発生すれば莫大な賠償金が待ち構えている。現代コナ車やGMボルト車の炎上でもリコールに1000億円単位の莫大な費用を要している(ともにLGエナジー製)。

EVトラックは電池を多く積めばいくらでも走ろうが価格との勝負になる。トヨタはCO2対策車として日野自動車とともに走行距離を伸ばせる水素トラックの普及を目指している。

EVも暗礁
より安全性や単価により隣国勢3社の3元系リチウムバッテリー(正極材にニッケル・コバルト・マンガン酸リチウム)より、中国勢のリン酸鉄リチウムバッテリー(正極材にリン酸鉄リチウム)が改良され、走行距離が400キロと伸び、通勤利用に不足なく、ベンツを始め導入する自動車メーカーが多くなってきている。既に搭載車は半々となっている。

自動車メーカーが猪突猛進型でEVにシフトしていることから、3元系のリチウムもコバルトも暴騰し続け、ニッケルも高騰している。車両価格に占めるEV用電池代の割合は増加する一方、よほどの政府が補助金を支給しなければガソリン車・HV・PHVと競争では勝ち目がない。

隣国の政府系研究機関が次世代電池の全固体電池をやっと開発している。しかし、実用化できる段階ではなく、車両に搭載できるだけの小型化を実現しているのかも定かではない。各種試験もこれからだ。隣国の研究機関の研究成果は蓋を開けなければわからないところが多い。


スクロール→

先物相場

 

単位

19/12

20/12

21/12

22/1/17

リチウム

CNY/

51,790

46,778

277,327

327,500

コバルト

USD/

33,103

32,673

70,692

70,500

ニッケル

USD/

14,148

16,783

20,678

22,570

マンガン

CNY/

31.56

31.32

33.41

33.50

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