日銀が発表した企業間取引のモノの価格を示す企業物価指数の1月の速報値は、2015年の平均を100とした水準で109.5となり、1985年9月以来36年4ヶ月ぶりの高さとなった。
全体の3分の2にあたる品目で値上がりし、業務用の小麦粉やコーヒー(メキシコのコーヒーの木の病気がきっかけ)といった生活に身近な飲食料品も値上がりするなど、企業間で原材料価格の上昇を販売価格に転嫁する動きが、広がってきている。
指数は前年同月を11ヶ月連続で上回り、1月の上昇率は8.6%と依然、高水準となっている。
これは、原油などの資源価格や、電気や都市ガスの料金などの値上がりに加え、大豆や小麦などの価格も上昇していることが主な要因。
ウクライナ問題で、エネルギー価格や欧州向け小麦の一大産地のウクライナ情勢が混沌としてきており、新コロナからの経済回復で上昇していた価格がさらに上昇している。
燃料価格の高騰は、物流経費にも影響しており、海外産だけではなく、国内産の値上げにも至っている。
木材価格の米相場(Lumber (USD/1000 board feet)は昨年5月1700ドルを付けたがその後調整され600ドル台以下まで下げたものの、昨年9月から再び上昇し、現在、1200ドル前後となっている。日本到着には燃料高の船賃等物流経費が大きく乗っている。
日銀は先行きについて、「企業物価は、原油などの国際商品市況に左右される面が強く、その動向を注意深く見ていきたい」としている。
以上、
食糧・経済安保観念がない輸入国の日本、輸出業は円安で大儲けしているが、輸入する穀物や資源エネルギー価格は円安により国際相場よりさらに1割ほど上乗せられ高買いしている。
賃金は上がらず、物価は2回にわたる消費税+消費税にかこつけた商品値上げで消費低迷が続いている。深刻なデフレになる前にどげんかせんと、輸入価格高による典型的なスタフグレーションに陥る可能性が高くなってきている。
岸田政権は新コロナでも威勢の良い口だけで、実行面でリーダーシップをとっておらず、懸念された首相としての資質が早速問われている。今後とも問われることは山積してくる。国内でリーダーシップがない人に世界でリーダーシップをとるなどまったく考えられない。金魚の糞状態が続く。
超過度な銭あまり現象は投機に資金が流れ、買占め横行、このままでは世界経済が糞詰まる。新自由主義経済下、拡大し続ける相場は何れ破たんするしかない。
2015年100
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国内企業物価指数
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2022年1月日銀
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木材・木製品
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166.1
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石油・石炭製品
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133.4
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鉄鋼
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139.7
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非鉄金属
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139.4
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スクラップ
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190.6
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輸入物価指数
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円ベース
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2019年
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94.4
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2020年
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84.7
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2021年
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104.0
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2021/6月
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102.4
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2021/9月
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108.9
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2021/12月
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120.1
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2022/1月
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119.9
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