アイコン 米 2021年の貿易赤字 初の1兆ドル超え、中国1/3


米商務省が8日発表した貿易統計によると、昨年1年間のサービスを除いたモノの貿易赤字は、前年より18.33%増えて1兆906億ドル、日本円で約125兆円となり、赤字額が初めて1兆ドルを超えて過去最大を更新した。

新型コロナウイルスのワクチンの普及や大型の経済対策を背景に、米国内の経済活動が活発になり、パソコンや家具など幅広い分野で輸入が大きく増えたことによるもの。
国別で貿易赤字が最も多かったのは中国で、赤字額全体の3分の1を占めている。

トランプ前政権時代に、最大25%の関税上乗せ措置や輸出を拡大させる協定によって中国に対する貿易赤字を縮小させてきたが、昨年は3年ぶりに拡大、中国との対立が激しくなる中でも米国の国民生活が中国製品に依存した実態が窺える。

バイデン政権は、支持基盤とする労働者層を重視して、国産品を優遇する政策を進めているが、貿易赤字が拡大したことで、秋の中間選挙に向けて保護主義的な傾向を強める可能性もある。

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2021年の貿易収支は、赤字が前年比27.0%増の8,591億ドルと、前年の6,767億ドルから拡大し、過去最大となった。企業が在庫を積み増す中、輸入が急増した。
財の輸出は23.3%増の1兆8,000億ドルと過去最大。工業用品・素材、食品、消費財、石油の輸出が過去最大だった。
2021年は57ヶ国への輸出が過去最大。対メキシコで2,765億ドル、対韓国で658億ドルに増加した。対中国でも21.4%増の1,511億ドル。
ただ、中国からの輸入は16.5%増の5,064億ドルとなり、対中貿易赤字は20年の3,103億ドルから3,553億ドルに拡大した。

輸入は、工業用品・素材の輸入が14年以来の高水準に達し、食品、資本財、消費財などの輸入も過去最大となった。
2021年はメキシコ、カナダ、ドイツなど70ヶ国からの輸入が過去最大となっている。
以上、ロイター等参照

どうのこうの言っても中国なしにはやっていけない米国の現実がある。特にオバマ政権ではリーマンショックの立て直しから経済最優先策、生産価格が安い中国への進出や中国からの輸入を奨励し、安価な物品により低迷する消費を上昇させ、経済を復活させる政策に興じた。
しかし、実態は、たまたまシェールガス・オイルの大増産により、燃料価格が大幅に下がったため、GDPの約7割を占める消費が活発化し、リーマンショックを乗り切ったものの、中国から大量輸入が恒常化させる原因を作った。
今回は、バイデン政権が化石燃料を目の敵にして登場、原油生産会社は、莫大な投資をしても回収できないおそれがあり、稼動リグ数や生産量を増やさないことから、原油価格の高騰を招いている。
OPEC+ロシアの生産量の問題に匹敵する問題の米国の原油生産の実態である。
原油生産業界は共和党が支配、バイデン民主党政権と対立の構図もある。
影で原油掘削会社へ膨大な投資をしているハゲタカファンドたちは原油価格高騰による高配当で大儲けしており、新たな投資をして生産量を増加させても原油価格が下がるだけ、新たな投資も毛頭考えていない。

米国の金魚の糞の日本國の岸田政権、ウクライナ問題で、バイデン政権は国内のシェールガス生産会社に大増産させれば、日本が調達しているLNGを欧州向けに融通するなど考えられないこと。
すべては、トランプが仕掛けた米国内の分断の結果がもたらしているもので、税優遇措置などバイデンに解決させる知恵も何もない。
2019年12月の米国の原油掘削リグの稼動数は677本、2月4日現在497本(ベーカーヒューズ社版)。

米国の足元では、CO2問題からLNG発電に切り替えていた火力発電所が、価格高騰でたまらんとして石炭燃焼に多くが切り替えている。
新コロナパンデミックのなかでカーボンニュートラルを唱えることは勝手だが、足元の経済を踏まえなければ、経済そのものがパンデミックに陥る危険性すらはらんでいる。


 

[ 2022年2月 9日 ]

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