アイコン スリランカの暴動 夜間外出禁止令 すべては中国の餌に・債務の罠

Posted:[ 2022年4月 4日 ]

金融・財政・経済危機に陥っているスリランカ、生活必需品が不足し、物価は高騰し、外貨不足で燃料を輸入できず、1日13時間の計画停電を実施している。
ただ、富裕層の住宅団地は自家発電で電気が灯っている。
インドは緊急支援で米とディーゼル油を供与している。

財政破綻・対外債務の返済不履行の危機に瀕し、スリランカ政府は債権国に対して返済猶予を申請する一方、IMFに救済の申し入れを行う予定。
IMFは通常支援するのだが、支援金が中国への支払いに回されるおそれがあり、西側がIMFに支援させない可能性もある。パキスタンの事例がある。IMFが支援を終了するまで中国は民家も含めて債権回収を凍結するしかないだろうが・・・(なお、対外債務に中国企業への債務が記載されていないのではと指摘されている)。
西側はどう対応するのだろうか。

 



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1、慢性的な巨額対外債務、(中国のインフラ投資が主)
2、万年赤字の貿易収支(出稼ぎ送金を入れても経常赤字)
3、歯止めのかからない政府債務残高の膨張とGDP比(バラ撒き政権続く)
4、新コロナによる経済疲弊
5、世界の新コロナ自体からの経済回復で資源エネルギー・穀物等の高騰
6、2月24日の露軍ウクライナ侵攻による欧米等西側の経済制裁による資源エネルギー・穀物等の更なる高騰
7、失業率は22年1月4.6%だが青年失業率は30%。若者に仕事がない。

ただ、IMFの力を借りてでも抜本的に財政を立て直さなければならないところまできているが、国会議員への年金支給など削るところも多いと見られる。

国内不安定化の兆し
ホマガマ警察署は、政府による夜間外出禁止令にもかかわらず、夜間に抗議活動を続けることを許可するとしている(地元紙)。

2022年の国家予算、収入2,221億ルピー、支出は5,245億ルピー、および債務返済は1,531億ルピー。大規模不足分は国債等の発行で補うようだが、購入するものはいないだろうとのこと。

今年の9月~3月のマハシーズンは主食の米が不足すると予想されており、不足分を海外から購入する必要があるが外貨がない。
中国のスリランカに対する各地の港湾、道路、空港のインフラ投資、南端の港湾も再開発し、再開発代金を軽減させるため、その港湾の半分以上を中国は99年間租借(2018年に締結済)している。

↓国民不満の原因
スリランカ国民が怒っている食料品等の価格の高騰、
インフレ率は穀物等の高騰に輸入品の為替安が加わり3月は前年同月比18.9%に達している。(今年の3月9日まで対ドルはここ1年間200ルピー前後で安定/米金利上昇を受け4/3日現在294ルピー/輸入が多いだけに今後さらに急激に深刻な消費経済に至る)
新コロナで経済低迷、ここに来て政府による停電措置

最高権力者が長期化するとろくでもないことばかりが起きる。独裁者に周囲がなびき、お裾分けに授かり、ひれ伏すことから生じる。


スクロール→

↓、3月9日からの急激なスリランカルピーの急落は反映されていない。

スリランカの食料・エネルギー価格

スリランカルピー

単位 

2016

2022

上昇率

1K

80

190

237.5%

砂糖

1K

95

189

198.9%

Dha1

1K

169

420

248.5%

ポテト

1K

129

210

162.8%

たまねぎ

1K

85

180

211.8%

ココナッツ 01

 

52

90

173.1%

ミルク

400

325

790

243.1%

鶏肉

1K

380

900

236.8%

ココナッツオイル

1

280

870

310.7%

牛肉

1K

89

170

191.0%

ターメリック

1K

1,000

4,000

400.0%

パン(1

 

55

110

200.0%

ガス(1

 

1,321

2,675

202.5%

ガソリン

1

117

254

217.1%

 

4,177

11,048

264.5%

 


スクロール→

貿易収支/スリランカ

 

億ドル

2021

億ドル

2010

-49

21/1

-6.67

2011

-100

21/2

-5.72

2012

-98

21/3

-8.32

2013

-77

21/4

-8.88

2014

-81

21/5

-7.15

2015

-83

21/6

-6.52

2016

-88

21/7

-6.06

2017

-96

21/8

-5.86

2018

-103

21/9

-4.94

2019

-80

21/10

-4.94

2020

-60

21/11

-5.53

2021

-81

21/12

-10.85

 

-81.44

 


スクロール→

スリランカ 人口:2141万人

 

外貨準備高

政務債務残高

経常収支

対外

債務

GDP

 

億ドル

億ルピー

GDP

億ドル

億ドル

伸び率

2010

72

45,902

71.5%

-10

 

 

2011

67

51,223

71.1%

-46

 

 

2012

71

60,785

69.6%

-39

 

 

2013

75

68,848

71.7%

-25

 

 

2014

82

74,824

72.2%

-19

 

5.0%

2015

73

85,948

78.4%

-18

 

5.0%

2016

60

94,783

79.0%

-17

470

4.5%

2017

79

103,828

77.9%

-23

519

3.6%

2018

69

120,342

84.2%

-28

530

3.3%

2019

76

130,315

86.8%

-13

551

2.3%

2020

56

151,579

101.2%

-10

516

-3.6%

2021

31

177,685

109.2%

-25

511

3.7%

22/1

23

 

 

 

 

 

・観光収入も出稼ぎ送金も大だったが新コロナで激減。

 


スクロール→

スリランカの政治

 

大統領名

期間

外交

政党

6

マヒンダ・ラージャパクサ

(現在、首相/弟が大統領)

200515

親中

人民戦線(現在)

統一人民自由同盟

自由党

7

マイトリーパーラ・シリセーナ

201419

中印

自由党離脱

統一国民党支持

8

ゴーターバヤ・ラージャパクサ

2019

親中

SLFP

マヒンダ・ラージャパクサ

自由党支持

・マヒンダ・ラージャパクサは、2005年に大統領就任、2009年までに中国とパキスタンとの軍事支援を受け、タミルイスラム武装勢力LTTEを壊滅させた。/2010年に3選禁止の憲法改正/中国からのインフラ投資により空港・港湾・高速道などを設備、その借金は400年分とされている。/縁故主義者・・・兄は大臣、弟は大統領と大臣、長男も大臣・・・。それを許してきたのは国民。

 

 


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