アイコン 日銀短観 業種・規模ごとのDI(景況判断)を見る


日銀が発表した短観=企業短期経済観測調査で、大企業の景気判断を示す指数が製造業、非製造業7期ぶりに悪化した。
ロシアのウクライナ侵攻をきっかけとした原材料価格の一段の高騰が、景気の重荷になっていることが浮き彫りになった。短観のデータからは、原材料価格の高騰によるコストの大幅な上昇を、販売価格に転嫁しきれず、収益が圧迫されている企業が多くなっている状況が見えるとしている。

しかし、基調判断材料の為替に見られるようにロシア制裁による資源エネルギー高がどこまで記されているのか不明な点も大きい。

日銀短観については、いつも大企業のDIばかり記される。しかし、大企業と中堅企業・中小企業との間には景況感について大きな乖離もある。
例えば、繊維業については、今回、大企業は現在も先行きも良いも悪くもなしだが、中堅企業は大きなマイナス、中小企業はさらなるマイナスとなっている。
最近、アパレル販売不振から繊維関係社の小売、卸、縫製業者の倒産が際立って多くなってきている。
川上が儲け、川下が泣いている製造業も多いようだ。
票に直結する建設業、国土強靭化政策に引き続き、国土強靭化迅速化政策が執行され、公共投資に支えられ、堅調を長期にわたり維持している。大企業の建設業者は好調そのもの、一方、川下の中小企業・下請企業などとの温度差は大きい。

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↓業況判断DI

大企業・中堅企業・中小企業それぞれ1000社以上に問い合わせた現況の景気判断、景気が良いと回答したところと良くないと回答したところの差を率に指数化したのも。


スクロール→

 

大企業

中堅企業

中小企業

先行=先行き

最近

先行

最近

先行

最近

先行

製造業

14

9

3

1

-4

-5

繊維

0

0

-17

-21

-44

-40

木材・木製品

20

0

24

-8

-3

-7

紙・パルプ

-3

-11

7

6

-21

-21

化学

28

16

11

4

0

-7

石油・石炭製品

27

7

-5

-5

-7

-26

窯業・土石製品

0

-7

-6

-9

1

-12

鉄鋼

10

-10

-4

2

13

13

非鉄金属

21

15

14

4

29

17

食料品

-5

-6

-14

-16

-25

-14

金属製品

3

0

12

3

1

5

はん用機械

31

30

33

17

6

1

生産用機械

43

36

23

12

1

3

業務用機械

22

13

19

19

16

14

電気機械

24

24

19

15

9

7

造船・重機等

-23

-19

-17

-15

-7

-6

自動車

-15

-1

-25

4

-15

-3

 

 

 

 

 

 

 

素材業種

16

4

2

-2

-3

-9

加工業種

12

12

4

3

-5

-2

 

 

 

 

 

 

 

非製造業

9

7

0

-3

-6

-10

建設

14

8

14

2

10

-3

不動産

20

21

13

8

10

1

物品賃貸

23

17

13

9

-9

-16

卸売

20

8

10

0

-9

-16

小売

2

5

-4

-1

-23

-21

運輸・郵便

-2

-1

-18

-20

-21

-20

通信

27

27

36

20

24

17

情報サービス

38

29

26

20

24

17

電気・ガス

-13

-12

-15

-13

12

-4

 

 

 

 

 

 

 

対事業所サービス

38

22

18

16

5

0

対個人サービス

-14

2

-17

-5

-30

-17

宿泊・飲食サービス

-56

-55

-75

-54

-66

-40

 

 

 

 

 

 

 

全産業

11

-3

2

-1

-6

-8

 

全規模合計

為替条件・ドル

製造業

2

0

21

21

22

22

非製造業

-2

-5

109

110

111

111

全産業

0

-3

 

 

 

 

・ドルの読みにしてもインフレ圧力にさらされている米国の金利上昇=円安や露制裁のさらなるエネルギー高・資源高などの影響を反映していないようだ。

 ↓生産者物価指数
大手のように製品価格に転嫁できるところは問題ないが・・・。
0402_02.jpg

↓小売販売高
新コロナの影響だけだろうか?
0402_03.jpg

[ 2022年4月 2日 ]

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