16日に過去最高となる9.329ドルに達した米国の天然ガス価格、18日は9.188ドルと超高値圏で推移している。
欧州のLNG天然ガス価格のTTFIitthも過去最高の241.005ユーロになっており、10月からは冬用需要の相場となることから、このままだと一般国民にとって悲惨な結果をもたらすことになるかも知れない。
これはロシアのウクライナ侵攻に対する金融経済制裁およびウクライナに対する欧州各国の武器供与に対して対抗措置として、ロシアが天然ガスのパイプラインでの供給量を大幅に減らしていることにある。
欧州は米国二度天然ガス生産国から輸入するには、天然ガスを液化して船舶で輸入するしかなく、LNG天然ガスと区別される。
米国の天然ガスのLNG化施設で火災があり、欧州の価格は急上昇したが、逆に米国ではその分が国内需要に回ることから、5ドル台まで下げていた。今回の欧米共での上昇は、火災施設の回復により欧州への輸出が回復し、米国内の供給量が減ったのか、ロシアの供給量が大幅に減った関係なのかは不知。
それほどロシアは欧米勢の最新兵器のウクライナへの供給が、ロシア軍の被害・ダメージを想定以上にもたらしている現われでもあろう。
今度はロシアが「窮鼠猫を噛む」状態に陥り、ウクライナに対して、最悪に近い兵器を使用するか、中枢を攻撃する可能性もある(ロシアは米国がアフガンで使用した巨大爆弾MOABよりさらに大きい巨大爆弾を所有している)。
また、最悪は、季節風しだいでは原発を、ウクライナが攻撃したとして爆発させる可能性もある。
その予兆が最近の原発施設付近で数多くなってきた双方の攻撃騒ぎではなかろうか。チェルノブイリでは欧州全体へ放射性物質が飛散した。ただ、チェルノブイリ原発4号炉が爆発したのは4月26日であり、当初放射性物質はモスクワ方面へ流れ、ソ連はモスクワ手前の森林地帯で人工降雨を降らせ、放射性物質のモスクワへの飛散を大幅に軽減させたことで知られている。
(ビル・ゲイツが地球温暖化対策に、代賛エネルギー対策として、しきりにマイクロ原発の大量設置を世界に吹聴しているが、テロ対策や攻撃ミサイル・砲弾に対する迎撃体制を完璧に構築しなければ、テロ攻撃を受け爆発した場合、放射性物質の飛散では大きかろうが小さかろうが大被害をもたらすことに変わりない。世界各地に分散させるだけ、そのリスクを高まるだけである。新冷戦時代に突入した現在、原発も攻撃対象リスクが高まっている。日本も原発も近隣国からのテロによる攻撃を防止するため、その対策が採られている。経産省の庇護の下、何をやっても杜撰がまかり通る東電は柏崎でそれを放ったらかしにし、規制庁から怒られていた・・・)
一方、WTI原油価格は露制裁直前の3月6日につけた124.66ドルから4月11日に94.29ドルまでいったん下がったものの、EUが露産原油の9割を年内に輸入停止にする決定を受け6月8日には戻り高値の122.11ドルを付けた。しかし、米国のインフレ退治の金利高が加速、8月16日には86.53ドルまで下落、ただ、18日には90.55ドルまで上昇している。
米FOMCの各州のメンバーは景気後退してもインフレ退治が大事としており、9月にもさらに0.75%引き上げ、3.25%まで引き上げることが濃厚となっている。
そうしたことから、円安もいったん130円台まで下がったものの、再び135円台となっている。
130ドルになった時には、日本の識者たちはすぐにでも120円台、110円台に戻ると予想したが、現実は再び135円台となっている。忖度発言だったのかもしれない。
米国の経済指標はインフレ退治の金利高で悪化してきているが、予想に反して好調な分野もあり、更なる金利高もインフレ退治を優先する限り続く。そうでもしない限り、米バイデンが1.9兆ドルの新コロナ経済対策により発生させた世界の商品価格の暴騰を早期に解決しなければ、商品価格の高騰、ドル高による高騰のあい異なる高騰原因で、新興国が多い世界各国の経済に深刻なダメージを与え続けている。
原油価格の暴騰は沈静化しつつあるが、当初から暴騰解消ができる唯一の国は米国だった。世界一の原油生産国の米国の生産量は、いまだ新コロナ前の生産量には程遠いものとなっている。
それは、シェールオイル軍団は共和党であり、化石燃料排斥主義の民主党バイデン大統領には恨み骨髄状態の関係にあることによるもの暴騰だった。
ただ、長期的観点からすれば、現在のところ100ドル以上の暴騰は今年3月から始まり、半年も続かなかったことになる。
天然ガスは世界一の生産国である米国にしても生産量を急に増やすことはできず、運搬にもLNG化する必要もあり、新生産施設の稼動には3~5年必要とされている。欧米の利用が大きく、国家として耐える力は有していよう。
スクロール→
商品先物相場の価格など
|
|
単位
|
8/18日
|
6/1日
|
3/7日
|
年初
|
1年前
|
米金利
|
%
|
2.50
|
1.00
|
0.25
|
0.25
|
0.25
|
インフレ
|
%
|
8.5
|
9.1
|
8.5
|
7.0
|
5.3
|
コフインフレ
|
%
|
5.9
|
5.9
|
6.5
|
5.5
|
4.0
|
食料インフレ
|
%
|
10.9
|
10.4
|
8.8
|
6.3
|
3.7
|
以上、当該月
|
WTI原油
|
ドル
|
90.500
|
112.720
|
119.650
|
75.850
|
62.140
|
天然ガス
|
ドル
|
9.1999
|
8.686
|
4.833
|
3.815
|
3.851
|
LNG
|
ユーロ
|
241.005
|
85.55
|
227.200
|
80.435
|
41.945
|
石炭
|
ドル
|
413.90
|
412.00
|
422.65
|
157.50
|
167.75
|
小麦
|
ドル
|
731.50
|
1,052.25
|
1,252.50
|
758.00
|
727.50
|
大豆
|
ドル
|
1,495.5
|
1,625.0
|
1,659.5
|
1,355.5
|
1,323.0
|
ヤシ油
|
MYR
|
4,043.0
|
6,356.0
|
6,626.0
|
4,857.0
|
4,238.0
|
採種油
|
ユーロ
|
603.5
|
796.8
|
845.0
|
771.3
|
564.8
|