アイコン 中国ではガソリン価格が安い


中国山東省などではガソリンの販売価格が、中国での平均価格の9.65元より25%以上安い。山東省の港を通じ、欧州の制裁で輸出ができなくなったロシア産原油が安値で大量輸入され、精製され、安価に販売されている。中国国営の精製会社ものより大幅に安い。

国際決済システム(SWIFT)から追放されたロシアは、ドルを受け取れない状況なのに、中国はどうやって原油の代金を支払っているのだろうか。
陝西省の西安空港では今年6月、小米(シャオミ)の最新スマホを含む中国製のIT機器や消費財を積んだ貨物機がロシア第2の都市サンクトペテルブルク(前レニングラード)に向け離陸。日経新聞は「中国は人民元で原油代金を支払い、ロシアはそれで中国製品を輸入した」とし、「事実上の物々交換」だと報じていた。

米中対立とロシアのウクライナ侵攻以降に露骨化している中ロの経済蜜月関係「チャイシア(Chissia・ChinaとRussiaの合成語)」を象徴している。
西欧は、物価高騰に苦しみ、ロシア産ガスが切れた欧州は猛暑で冷房もまともに稼働できない中、中国とロシアは安価なエネルギーと工業製品を交換し、国際社会による制裁のハードルを迂回している。
以上、

 

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中国がロシアから輸入している原油は、ほとんどが私企業が輸入しており、国営企業は米中貿易戦争から米国からの輸入を拡大させ、ほかは中東、アフリカ、南米など既存のルートから購入している。
中国の製油所は、こうしたロシア産原油を精製し、今後大量に軽油が欧州へ輸出されることになる。そして大儲けする。
EUは今年いっぱいで露産の原油など石油製品の輸入を9割減らすことを決定している。ハンガリーなど親露政権が今後とも輸入を続けるほかはほとんどの国が0にする。
すでに減らした国では、ロシアから原油を安く購入したインドなどから輸入している。インドは精製して欧州へ軽油を大量に輸出してボロ儲けしている。 

結局は、85ドルだとしてもまだ高い原油価格を、ロシアが2~3割安価に売却したとしても、ロシアは大儲かりするだけだが・・。

すでにロシアは欧州に対して、実質逆制裁として天然ガスのパイプラインの多くを閉めており、冬場の11月からは、天然ガス問題が再浮上することになる。当然、代替エネルギーとして原油価格にも影響しそうだ。

欧州は石畳の道路が多く、馬力の強いディーゼル車が過半数を占めている。そのため軽油もロシア産を輸入して賄っていた。その輸入をシャットアウトすることから、11月までに現在以上に軽油は必要となり、中国からも大量に購入することになる。こうした欧州市場、米経済が破綻でもしない限り原油価格はこれ以上、下がりそうにないのが現実だ。

2021年9月23日の欧州TTFガス価格(LNGによる天然ガス)は73ユーロだったが、今年8月25日には321ユーロまで上昇し、9月20日現在182ユーロとなっている。新コロナ前の2019年12月は15ユーロからして、10倍以上価格が上昇している。
ロシア産天然ガスは長期購入契約により価格は大幅に安価、しかし、ロシアが供給量を減らし、欧州の国々はTTFガスを購入せざるを得なくなっている。
天然ガスの世界一の生産量を誇る米国は、米国で販売するより欧州へ売った方が儲かるとして、LNG化して輸出している。そのため米国内の天然ガスの需給バランスが崩れ、米国も高値圏で推移、原油価格の値下がりを相殺している。
米国内の天然ガス価格も、2019年12月は2.5ドル、2021年9月は4.8ドル、そして2022年9月20日は7.8ドル(ピークは4月22日の9.6ドル)と新コロナ前の12月より3倍以上高くなっている。
そうしたことから、米国では、環境問題から天然ガスに切り替えていた火力発電の電力会社では逆ザヤが発生するとして、石炭に切り替えている。新興国の電力会社も石炭発電が主、そのため石炭価格が高止まりしたままとなっている。

石炭価格は、2019年12月は66ドル/トン 2021年9月は181ドル、2022年9月20日440ドル。熱効率からして安いだろうが、こうした高値は石油類も含めて新興国の外貨準備高や財政を悪化させている。
今回のインフレは米バイデン大統領の自作自演だが、米国内にとどまらず世界中をインフレに追い込んでいる。おまけにぷっちんプーチンの侵攻により、エネルギーインフレもはなはだしくなっている。


 

[ 2022年9月20日 ]

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