アイコン 円安と日本の米国債保有残高


日中韓はそれぞれ昨年11月をピークに米国債残高を減らしている。ただ、中国は一時1.3兆ドル以上の米国債を保有し、世界一の米国債保有国だったが、過去に手元外貨不足 元安の危機に見舞われ、その後米国債保有残を一貫して減らし続けている。

韓国もこの間、ウォン安に見舞われ、金利を引き上げ、公式に為替介入を認め、ドル売りウォン買いで為替暴落を防いでいる。

日本も米国債残を減らしているが、そのタイミングは、米国のインフレ退治の金融政策であるテーパーリング開始(金融緩和の資産購入を金融引き締めの資産売却)、続く金利高と同じくしている。
米国債は生保や年金が主に保有しているが、今年3月9日からの急激な対ドル円安に、米国債を購入すれば、円安に振れ、米国債を売れば円買いとなり円高に振れ、5月にはピークから1000億ドルほど減らし・・12兆円超ドル売りしていたが、その後は僅かに増加させ、為替安を誘導している。

 

スポンサーリンク

生保も年金も利回り何簿の世界、米金利高・円安進行で米国債を購入したくてしょうがないだろうが、政府日銀が、生保や年金に対して購入させない、実質為替介入を遅くとも4月の時点から行ってきているともいえよう。

 ただ、外貨準備高に対する日本の米国債保有率は高く、これまで米国から日米貿易摩擦問題で米国から苛められ続けた結果、こうした米国に対するご機嫌取りの残高になったものと見られる。しかし、そうしたご機嫌取りは、円暴落のように今時通用せず、外貨の戦略的な使用も必要かと思われる。
今回の世界でのインフレは、単にバイデンの1.9兆ドルのバラまきに起因し、バイデンの米国の一人相撲に世界が巻き込まれているだけの感が強い。
そんな国とまともに付き合うことができるのだろうか。

対中・対米依存度が極端に高い韓国では、貿易拡大を支援するため、各国の国債などを買い込み輸出入に役立て、外貨準備高に対する米国国債保有残高割合は25%に過ぎない。

日本は為替安定のためにも米国債を大量保有していようが、そうしたことが裏切られた現在、貿易の多角化も含め、そろそろ米国債一辺倒から、金魚の糞・腰巾着からの脱却も必要かと思われる。
米国が利用した新自由主義経済、そして米国№1主義の保護貿易経済では付き合うにも限界があろうか。
日本は米国債を2000億ドル売ってもまだ世界一の米国債保有残高国、ただ、日本の国債の巨額発行残高による円の信用不安を米国債保有残である程度相殺している面もあり、過度に売り込むことは当然できない。

円の信用は対ドル円で表現される。
それを日本人が日本国が身勝手に判断し決定できるものではない、海外の投機家・投資家・貿易会社、海外金融当局が決めることであり、現在ではその信用が損なわれる端緒に至っているものといえる。
当然そこには少子高齢化の中での底なしの日本の国債発行に依存した財政・予算にある。


スクロール→

米国債保有高推移/米財務省

/億ドル

日本

中国

韓国

 

Japan

China,

Korea

22/7

12,343

9,700

1,123

22/6

12,363

9,678

1,123

22/5

12,237

9,808

1,157

22/4

12,185

10,034

1,178

22/3

12,324

10,396

1,193

22/2

13,063

10,548

1,224

22/1

13,031

10,601

1,244

21/12

13,040

10,687

1,312

21/11

13,286

10,808

1,327

21/10

13,204

10,654

1,254

21/9

12,296

10,475

1,301

21/8

13,197

10,470

1,290

21/7

13,102

10,683

1,261

 

 

 

 

7月外貨準備高

13,230

31,040

4,386

 割合

93.3%

31.3%

25.6%

 

[ 2022年9月20日 ]

スポンサーリンク
 

 

 


HTML Comment Box is loading comments...



※記事の削除等は問合せにて。

スポンサーリンク
 

 

関連記事

 

 



PICK UP


破産・小口倒産一覧