アイコン ブラックストーン 不動産ファンドの償還制限 株10%安

Posted:[ 2022年12月 2日 ]

米プライベートエクイティ(PE、未公開株)への投資会社ブラックストーンが手掛ける690億ドル(約9.3兆円)規模の富裕層個人向け不動産ファンドについて、償還請求を制限すると発表した。

このファンドは同社にとって重要な利益源の一つであり、償還請求の制限は事業面での後退を強く示唆するほか、不動産業界にとっても不穏なシグナルとなる。

 1日付の書簡によれば、ブラックストーン・リアルエステート・インカム・トラスト(BREIT)では四半期の限度を超える償還要請に直面。これは、個人投資家の取り込みを目指すブラックストーンの意欲的な取り組みにとって大きな試練となる。
発表を受けブラックストーン株は一時10%安と、3月以降で最大の値下がりとなった。
 
ブラックストーンの広報担当は「われわれのビジネスは資金の流れではなく、パフォーマンスの上に成り立っている。パフォーマンスは極めて堅実だ」と説明した。
BREITは金利上昇に対応するため、年初から11月末までにスワップ契約を200億ドル超の規模に膨らませている。
BREITは2017年の立ち上げ以来、集合住宅や郊外の住宅、学生寮に投資。超低金利環境において投資家が利回りを追求する中で急速に成長し、不動産業界でも有数の存在となった。
だが、現在では借入コストの大幅上昇と景気減速で、同ファンドを巡る環境は急速に変化しつつある。
以上、ブルームバーグ参照

 



スポンサーリンク

ブラックストーンの運用資産は350兆円あまり、そのほとんどが証券を販売して投資家から集めた資金。

企業への投資を束ねた債権を販売している大手投資ファンドは、その中身には現在不良化した企業の投資分も入っており、何れリーマンショックに至ったサブプライムローン問題と類似した問題が、大手投資ファンドから持ち上がる可能性が指摘されている。
金利高で預金しても利益が取れ、富裕層はリスク投資を控える動きにある。利回りをさらに上昇させればそうした販売証券も売れようが、実際、利回りが取れるのかは不明。自転車操業の詐欺ファンドになる可能性すらある。

<KKRも>
米投資会社KKRによる仏保険ブローカー、アプリル・グループの買収は、ウォール街が得意としてきたレバレッジドファイナンスの力が消えつつあることを垣間見せている。
KKRは計23億ユーロ(約3200億円)に上るアプリル買収資金を自ら賄うことで合意したと関係者が明らかにした。
銀行は買収に絡むファイナンスの債権を400億ドル(約5.4兆円)以上バランスシートに抱えており、買収資金として数十億ドル規模のローンを提供できる銀行は今ではほとんどない。
こうした全額現金方式による買収は通常ならほぼ聞かれないが、今のような市場環境では突如としてよくある案件になり、過去数ヶ月間でアプリルのような買収は少なくとも5件あった。
これはまだ始まりに過ぎない可能性もある。

レバレッジの欠如は銀行のPE取引縮小を示唆
金利上昇によって売却できないローン「ハングディール」が積み上がり、約10年にわたって続いた低金利は突然終わりを迎え、借り入れによる買収の世界を一変させている。
ピッチブックのファンド戦略担当リードアナリスト、ヒラリー・ウィーク氏は「一部の銀行がプライベート・エクイティ(PE、未公開株)取引から完全ではないにせよ縮小させているのが要因だ」と述べた。
KKRはより有利な条件を引き出せそうな段階でデットファイナンスを進めていく計画だという。
詳細が非公開だとして匿名を条件に同関係者が語った。
それでも数十年にわたりレバレッジに依存してきた市場にとっては大きな変化となる。
以上、ブルームバーグ参照

いくら図体が大きかろうと投資ファンドは、投資家へ証券を販売することで資金調達しており、金融機関も資金調達先のひとつ。当然、リスク債権であり、金利上昇で財務体質を事前にしておくことが求められる金融機関にあり、金融機関が離れるのは当然のことだろう。
今年3月までと11月では事業環境がまったく異なる。


 

 


スポンサーリンク

HTML Comment Box is loading comments...



※記事の削除等は問合せにて。

 




スポンサーリンク

 


スポンサーリンク