アイコン 米国の3月のインフレ率 5.0%まで落ちたが、コアインフレ率は上昇 家賃上昇続く

Posted:[ 2023年4月13日 ]

米労働省が12日に発表した3月の消費者物価指数は、前年同月比で5.0%上昇した。5%台になったのは2021年9月以来1年半ぶり。
 上昇率では、前月の6%を下回り9ヶ月連続で減少している。
 上昇率の減少は、ガソリン価格が前年同月比で▲17.4%下落、中古車価格が▲11.2%下落したことが主要因。

中古車価格の大幅下落は、昨年3月は半導体不足で新車の市場供給が滞り、新古車価格が新車価格よりも高い現象が生じる異常な高騰の反動によるもの。人気車を購入できた人がすぐ新中車として転売し大儲けしていた。

 一方、変動の大きい食品やエネルギーを除いたコア物価指数は、前年同月比で5.6%上昇。上昇率は前月を0.1ポイント上回り、6ヶ月ぶりに拡大している。

 今回大きく低下したガソリン価格は産油国でつくるOPECプラスによる原油の減産表明を受け、再び値上がりしている。

 米FRBは5月に金融政策の決定会合を開催するが、物価や雇用の動向を踏まえて利上げを継続するかどうかが焦点となる。FRBが重要視しているスーパーコアインフレ率も上昇しており、0.25%の更なる上昇が委員から示唆されている。
以上、

 



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前年比では下がっていることも事実だが、まだ、実態は高いままとなっている。それは昨年3月の8.5%という高いインフレ率の物価に対して5.0%の上昇率ということを勘案してお区必要がある。 
FRBはインフレ退治の金利上昇により、その伸び率を2%台まで抑えるというのも一理ある。
ただ、高い金利にすでに銀行破たんも生じており、今後の金利の動きは神経をすり減らすものになる。
企業の業績が悪化すれば、金利は下がるだろうが、現実は失業率の低下も続き(3月の失業率3.6→2月は3.5/うち青年失業率8.1%→7.5%)、総就業者数の増加も続き、賃金も低率ながらまだ上昇が続いている。こうした労働状況が購買力を拡大させており、高いインフレ要因となっている。
日本と異なり、続く賃金上昇は、高インフレに抵抗感もなくし、インフレスパイラルに陥る。

3月の外食や旅行などのサービス価格の伸び率の下落は、この間初めてであり、やっと落ち着く気配となった。すでにハワイなどのリゾートホテルなどは食事も含めすでに庶民には泊まれない価格まで上昇している。就業者数の増加もあり、家賃はまだ上昇が続いている。
米国ではウクライナ戦争で軍需関連企業はフル操業状態が継続、CHIPS法、IRA法により半導体・EV用電池メーカーやサプライチェーン企業も含め巨大工場建設投資が続いている。


スクロール→

基準

 

米国のインフレ率

金利

 

全体

食料

コア

家賃

サービス

エネルギ

0.25

21/9

5.4

4.6

4.0

3.2

3.20

24.8

0.25

21/10

6.2

5.3

4.6

3.5

3.65

30.0

0.25

21/11

6.8

6.1

4.9

3.8

3.77

33.3

0.25

21/12

7.0

6.3

5.5

4.1

4.01

29.3

0.25

22/1

7.5

7.0

6.0

4.4

4.58

27.0

0.25

22/2

7.9

7.9

6.4

4.7

4.80

25.6

0.50

22/3

8.5

8.8

6.5

5.0

5.12

32.0

0.50

22/4

8.3

9.4

6.2

5.1

5.37

30.3

1.00

22/5

8.6

10.1

6.0

5.5

5.74

34.1

1.75

22/6

9.1

10.4

5.9

5.6

6.22

41.6

2.50

22/7

8.5

10.9

5.9

5.7

6.25

32.9

2.50

22/8

8.3

11.4

6.3

6.2

6.81

23.8

3.25

22/9

8.2

11.2

6.6

6.6

7.37

19.8

3.25

22/10

7.7

10.9

6.3

6.9

7.20

17.6

4.00

22/11

7.1

10.6

6.0

7.1

7.20

13.1

4.50

22/12

6.5

10.4

5.7

7.5

7.52

7.3

4.50

23/1

6.4

10.1

5.6

7.9

7.60

8.7

4.75

23/2

6.0

9.5

5.5

8.1

7.60

5.2

5.00

23/3

5.0

8.5

5.6

8.2

7.30

-6.4

 

・コアインフレ率は変動が大きい食品とエネルギーを除いたもの。

 

年月

WTI/ドル

東京ドバイ/円

19/12.

59.80

40,918

20/6.

38.25

27,455

20/12.

47.09

31,814

21/6.

71.40

47,047

21/12.

71.53

50,443

22/6.

114.11

82,900

22/12.

80.26

63,087

23/1.

78.87

63,116

23/2.

77.05

63,861

23/3.

75.67

62,020

23/4/12.

83.06

67,410

19年12月と23年3月の比較

 

26.5%

51.5%

22年3月と23年3月の比較

 

-26.4%

-13.0%

日米の違いは為替によるもの 

 

 


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