サムスン電子が今年第1四半期の工場稼働率を60%水準に強力な減産を実行したにもかかわらず、在庫資産が史上最大値に増えるなど効果を上げられない。グローバル景気萎縮の影響で個人消費も企業投資も減退し電子製品の需要が減り、業績悪化を避けられなかったためと見られる。
今年下半期から漸進的に需要が回復し、徐々に在庫と稼働率が改善されるだろうという見通しが出ているものの、強力な減産を断行した状況で、ややもすると今年予想できなかった変数が発生すれば、大きな打撃を受けかねない。
財界によると、サムスン電子の減産にもかかわらず、在庫管理には失敗。今年3月末、サムスン電子の在庫資産規模は8145億ウォン(別途基準)で、創業以来最大値を記録した。これは昨年末の7029億ウォンに比べ、3ヶ月ぶりに1116億ウォン(15.8%)増えた数値。
特に目立つのはサムスン電子が第1四半期の生産設備稼働率を60%前後まで下げたにもかかわらず在庫が急増したことだ。
サムスン電子の事業は大きく3分類。
半導体パッケージ基板を生産するパッケージソリューション部門
積層セラミックコンデンサ(MLCC)などを生産するコンポーネント部門、
カメラ・通信モジュールを生産する光学通信ソリューション部門、
の3つ。
これら3事業部門はそれぞれ生産能力が異なり、それぞれ稼働率を別途算定している。
今年第1四半期の
パッケージソリューション部門は57%(前年同四半期は100%)、
コンポーネント部門は59%(同70%)、
光学通信ソリューション部門は63%(同61%)
の稼働率だった。
メモリー半導体等生産のP部門の落ち込みが大きい。光学通信は自社製スマホの新製品の販売が関係している。
業界では稼働率60%水準なら深刻な減産を意味するという評価。
実際、昨年下半期の11月に減産を宣言したSKハイニックスも昨年、全体稼働率100%を記録していた。人員削減や設備売却など極端な措置でなければ一気に稼動率を下げることはできない。
問題は今も大幅な減産を断行しているサムスン電気が、今年も在庫を減らすことができるかどうかである。年明けよりグローバル景気萎縮の影響が大きく、長く続くだろうという観測が少なくないためだ。
実際、台湾市場調査業者トレンドフォースは、まだメモリー半導体在庫が多く価格が持続的に下落しており、第2四半期にも10~15%下落すると見通している。また、下半期にも在庫が多ければ価格上昇可否が不確実だと見通している。
財界の一部では、今年追加的な変数が発生すれば、サムスン電子など大幅な減産を断行した企業が大きな打撃を受けかねないという分析が出ている。
かなりの減産をすでにしているだけに、人員削減など極端な措置を並行しなければ追加的な経営戦略を断行することは難しいという見方もある。
悪材料だけでなく、好材料にも対応しにくいという指摘も出ている。
稼働率を大幅に減らしただけに、これを再び急激に引き上げることは難しいという分析。まもなく好況が到来すると仮定すれば、サムスン電子のライバルが好況の恩恵を独り占めする可能性が高い。
ただ、サムスン電子は電子製品の需要萎縮局面でもMLCC(積層セラミックコンデンサ)などで危機を突破できると見ている。
サムスン電子の関係者は「EV(電気自動車)に適用可能な世界最高容量のMLCCを最近開発するなど、ハイエンド級電装用製品ラインナップを増やしている」と明らかにしている。
以上、
サムスンは3月から生産調整している。4月の在庫を見なければわからないところも多いが、景気が昨秋から月を追うごとに悪化し続け、現在の生産調整では在庫の減少には至らなくなっているようだ。そのため価格も6月まで下げ続けるとの見方がなされている。
今年3月サムスン電子が減産に入ったことから、大方の見方は第2四半期までに在庫調整が進み価格は下げ止まり、第3四半期は反転し、10月からの第4四半期には本格的に価格は上昇期に入るという見方であった。
米国しだいだろうが、米国では総就業者数が減少に入れば購買力が弱体化しインフレも抑制されるだろうが、経済は全般強く、まだ就業者数も増加している。しかし、インフレ退治の高金利に何れ景気は悪化すること必至、現在よりさらに悪化するすると言うもの。米国ではバイデン政権が結果、インフレ促進策(CHIPS法+IR法+露ウ戦争特需)を遂行しており、一方で高金利策は続き、影響を受ける企業も多くなり、全般では不景気になる。GDPの7割を稼ぐ個人消費も新ころなのリベンジ消費一巡では、ローン金利の高さに光学製品が徐々に売れなくなっていく。
高金利下の不景気では、個人も企業も自動車や半導体を搭載するPC・サーバーや通信機器・電子製品の販売も減少することになり、景気はさらに悪化する。
↓米製造業、今年になり悪化が進んでいる。
昨年4月のインフレ率は8.3%、その上で今年4月は4.9%となっている。率では下がっているが、CPIでの指数では上昇が続いている。
スクロール→
米国製造業の景気
|
|
製PMI
|
設備
稼働率
|
製生産
|
工場
受注
|
金利
|
インフレ率
|
22/4.
|
59.2
|
|
|
|
0.50
|
8.3
|
22/5.
|
57.0
|
80.6
|
3.1
|
0.7
|
1.00
|
8.6
|
22/6.
|
52.7
|
80.4
|
2.7
|
1.8
|
1.75
|
9.1
|
22/7.
|
52.2
|
80.7
|
1.9
|
1.8
|
2.50
|
8.5
|
22/8.
|
51.5
|
80.7
|
2.4
|
-1.0
|
2.50
|
8.3
|
22/9.
|
51.8
|
80.8
|
3.6
|
0.2
|
3.25
|
8.2
|
22/10.
|
49.9
|
80.6
|
2.4
|
0.3
|
3.25
|
7.7
|
22/11.
|
47.6
|
80.2
|
0.8
|
0.4
|
4.00
|
7.1
|
22/12.
|
46.2
|
78.9
|
-1.3
|
-1.9
|
4.50
|
6.5
|
23/1.
|
46.8
|
79.5
|
0.8
|
1.7
|
4.50
|
6.4
|
23/2.
|
47.8
|
79.6
|
-0.2
|
-2.1
|
4.75
|
6.0
|
23/3.
|
49.3
|
79.4
|
-1.8
|
-1.1
|
5.00
|
5.0
|
23/4.
|
50.4
|
79.7
|
-0.9
|
0.9
|
5.25
|
4.9
|
23/5.
|
48.5
|
|
|
|
5.25
|
|