韓国の半導体大手、SKハイニックスが25日公表した2023年10~12月期決算は、営業損益が3460億ウォン(2億5980万ドル)の黒字に転換した。
2022年の前年同期は▲1兆9千億ウォンの赤字、前期の23年7~9月期は▲1兆8千億ウォンの赤字だった。
売上高は、前年同期比47%増の11兆3千億ウォンだった。
因みにサムスン電子の同第4四半期の決算(速報)は、半導体部門はまだ▲2千億ウォンの赤字と推計されており、いち早く黒字に転換させたことになる。
同社のキム・ウヒョン最高財務責任者(CFO)は「人工知能(AI)メモリ分野での技術的リーダーシップのおかげで長引く低迷から(黒字への)転換を達成した」と説明し、「AIメモリの総合プロバイダー」への成長を目指すとした。
半導体メモリDRAMの新規格「DDR5」や高速・大容量処理が可能な生成AIで使われる高帯域幅メモリ(HBM)の半導体チップといった先進のDRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリ)が堅調で、黒字回復につながった。
他社に先駆けて開発した「HBM3」の売上高は23年には前年比5倍以上に増加し、米半導体大手エヌビディアにも納入しているという。
なお、SKハイニックスの2023年通期業績では、
売上高(連結ベース/速報値)は、前期比▲26.6%減の32兆7567億ウォン、営業損失は▲7兆7303億ウォンで、前期の6兆8094億ウォンの黒字から赤字に転落した。純損失は9兆1375億ウォン。
以上、
メモリDRAM市場では、トップシェアのサムスン電子との差は5%以内であり、2022年12月までにすでに在庫調整していたことも今回の利益につながったものと見られる。サムスン電子が在庫調整に入ったのは昨年3月中旬からだった。
メモリ半導体市場は、新コロナ特需の反動から、既存の生産半導体の単価下落による販売処分と在庫の評価損がこれまでメモリ半導体メーカーを苦しめてきた。
SKにしてもサムスンにしても新製品を開発しているが、SKが販売を先行させたようだ。こうしたメーカーは、騒がれなくなると力を蓄える期間となるが、サムスンはスマホもファンドリー部門も、家電もあり、それぞれにライバルがおり、なんでも世界一にしたがる韓国紙によりあまりにも騒がれ過ぎの感がある。
スクロール→
サムスン電子 & SKハイニックス 2023年12月決算と第4四半期
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売上高
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前期比
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営業利益
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前期比
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サムスン電子(億ウォン)
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2023年
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2,581,600
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-14.6%
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65,400
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-84.9%
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23/Q1
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6,400
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23/Q2
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6,700
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23/Q3
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24,400
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23/Q4
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670,000
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27,900
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-35.0%
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→小計
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65,400
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○ 半導体(メモリ+自社製システム半導体+システム半導体受託生産)
+スマホ+パソコン・サーバー・中継機器等電子製品+家電
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1ウォンは0.1106円/0.0007ドル
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SKハイニックス(億ウォン)
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2023年
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327,567
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-26.6%
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-77,303
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(黒68,094)
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23/Q4
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113,000
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47.0%
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3,460
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(赤19,122)
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○ DRAM主力+NAND/NANDはintelから買収した大連工場主力
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