国際エネルギー機関(IEA)は今年と来年の世界の石炭需要がほぼ横ばいとなるとの見通しを示した。一部主要国での電力需要の増加が太陽光や風力発電の急速な拡大により相殺されるとしている。
2023年の世界の石炭消費量は中国とインドの大幅な伸びを背景に2.6%増加し、過去最高を記録したと発表した。
IEAのエネルギー市場・安全保障局長の貞森恵祐氏は「現在の政策状況と市場動向を踏まえれば、世界の石炭需要は25年までおおむね横ばいとなる可能性が高い」との見方を示した。
「太陽光・風力発電の急速な普及と中国での水力発電の回復により、石炭使用に大きな圧力がかかっている」としながらも「電力部門は世界の石炭需要の主な要因であり、一部の主要国では電力消費が急激に伸びている」と指摘した。
こうした消費の力強い拡大がなければ、今年の世界の石炭使用量は減少するだろうとしている。
中国では太陽光・風力発電の導入により石炭消費の伸びが鈍化しているが、今年の電力需要は6.5%増加すると予測されており、石炭消費が減少する可能性は低いとした。
原油価格は一時より大幅に下がったが、それでも新コロナ前より高い。米経済の好調、ドル高で各国は対ドル安になっており、ドル基準の原油価格の下落をそれほど享受しておらず、石油発電を石炭発電に切り替えたり、休眠の石炭発電所を再稼動させ、発電コストの上昇をできるだけ抑えている。
また、EVは世界で販売台数が増加すればするほど、中国でのレアメタル製造が増加し、膨大な電力を費消する。石炭発電を増加させ、それに伴い、地球温暖化をEVの増加に比例して急速に悪化させている。EV増加は充電により電力需要を増加もさせている。
EVの急拡大は地球温暖化の抑制どころか、急速に悪化させるしかない。その際たる原因が石炭の世界最大の生産国で石炭を輸入してまでして燃焼させている中国にある。
トランブ2の政策は、シェールオイル業界にパイプラインを再認可(バイデンが認可取り消し)し、生産量を大幅に増やし、石油類の価格を大幅に下げ、価格が下がった分について消費者に消費増を促し、電力価格等下げ産業の土台にする計画。
しかし、減税では消費が喚起され、関税は販売価格が高くなり、物価上昇を招く、不法移民の強制送還も3K労働者の大幅減により、賃金上昇をもたらす。何でもかんでも米国で生産するというスタイルは、すでにグローバル下により破綻しており、新自由主義=規制の最小化=共和党保守方針にも相反する。
トランプ2では米IRA法を凍結する可能性も高い。工場新築投資への補助金、EV購入の補助金を減額したり、停止する可能性もある。
レアメタルにしても、中国が製造しているEV用改LFP電池ではニッケルとコバルトを必要とせず、韓国勢3社+パナ社の3元系より3割前後安価。
しかし、米国では貿易障壁から製造も販売もできず、結果、米国民は高くEVを購入している。米国ではすでに売れなくなっている。トランプ氏はそうしたことを元来嫌い、EVそのものの国家計画を停止させるものと見られる。トランプ1の2017年には燃料大量消費の大型車に乗ろうと呼びかけ、ピックアップトラックが全盛を迎えた経緯がある。