アイコン 韓国・チェコ原発2.6兆円輸出に鬼門 海外パテント無視が問題に

Posted:[ 2024年9月 5日 ]

韓国水力原子力が最近24兆ウォン(約2兆6259億円)規模のチェコ原発建設事業を事実上受注したが、来年3月の最終契約(本契約)時までに解決しなければならない最大の障害物が、競合企業の1社だった米ウェスチングハウスの反発にあった。

<原発特許はウェスチングハウス(元東芝傘下)にあり>
原発業界によると、ウェスチングハウスは2024年8月26日、韓国水力原子力が8月17日にチェコ原
発建設事業の優先交渉対象者に選ばれたことと関連して、チェコの反独占事務所に意見提起し
た。
韓国水力原子力が、ウェスチングハウスの基本技術を活用しておりウェスチングハウスを通じた米政府の同意なく第三者が使えるようにする権利はないというのが骨子。

ウェスチングハウスは入札初期の2022年10月に米国の裁判所にも同様の内容で訴訟を起こし現在2審が進行中。

 韓国水力原子力の原発建設の基本技術がウェスチングハウスにあるのは事実。 
ウェスチングハウスは1957年に商業用加圧水型原子炉(PWR)を世界で初めて開発した。
また、韓国水力原子力はチェコ事業を遂行する前に米政府の同意を受ける必要性もある。

 



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韓国と米国が含まれた原子力供給国グループ(NSG)は核兵器拡散を防ぐために各国政府が原発輸出を統制しているが、韓国は米企業のウェスチングハウスの基本技術を土台とするため米政府の同意を得なければならないというのがNSG内大勢意見。
い韓国水力原子力が2009年にアラブ首長国連邦の原発建設事業を受注する時もウェスチングハウスを通じて米政府の同意を得た。

(2009年当時はW社が東芝傘下だったため、同意内容に基づき東芝がUAEの韓国製原発工事(韓国初輸出原発)に携わっていた。当時も当初、W社の訴えを韓国勢は無視していた。バラカ原子力発電所4基は、韓国は超格安価格を提示+50年間以上軍隊による原発の無償警備という圧倒的パフォーマンスで受注、フランス勢等をけちらして受注していた。2010年から建設に入り、韓国軍はアーク部隊(150人~180人規模)を同時に派遣、2024年3月までに4基とも完成し、商業運転に移行している。)

ウェスチングハウスが2009年には協力したが、今回は協力しないということだ。世界的な親原発の流れにより今後各国で原発建設があふれると予想される中でチェコ事業受注により有利な立場を先取りした韓国水力原子力をウェスチングハウスが牽制に出たという見方が業界から出ている。チェコ事業の一部を分けてもらおうとするという分析も提起される。現在ウェスチングハウスの筆頭株主はカナダのファンドだ。ファンドは短期的に利益を最大化しようとする傾向がある。

<バイデン政権の韓国利用とご褒美>
1、バイデン政権はEV化を推進するため、当時、LGエナジーはバッテリー特許侵害のSKオンを米ITCも認定し、米国で完成間際のSKバッテリー工場が操業できない危機に陥った。LGはサムスンの戦いでも常に最高裁の判決にしか従わない主義、米政府はLGに圧力を欠け、高額の損害賠償金の支払いで和解させた。SKの米バッテリー工場は稼動している。
LGはSKが米国でバッテリー工場の建設に入るや否や、建設の差し止め訴訟を米裁判所に起こしていたほどSKを追求していた。

2、露×ウクライナ戦争、ウクライナの劣勢は砲弾不足から生じていた。23年には米国から100万発、欧州から百万発の155ミリ砲砲弾を供給する約束だったが、欧州は9月までに40万発、年末までに50万発程度、米国も自国所有の砲弾を送れば国内の砲弾が大幅に不足することから、韓国から調達した。形式的には米国が韓国から155ミリ砲弾を借りる契約だが実質は砲弾の購入。砲弾は欧州各地の米軍基地に送られており、当然、ウクライナに向かったと見られる。(一方、北朝鮮はロシアへ砲弾やミサイルを供与しており、ウクライナでは韓国製砲弾と北朝鮮砲弾の撃ち合いとなっている。)(韓国から総じてどれほどの155ミリ砲弾が米国へ送られたのかは不明、110万発までは確認でき、その後は秘密化している)

バイデン政権の要請に応えた韓国、バイデン政権はその恩返しにCHIPS法やIRA法に基づく韓国製や韓国企業に対して、その規制を大幅に規制緩和した。米国の23年1月からのEV補助金は当初韓国製は受けられなかったが、22年3月までにその対象となった。また、韓国勢の中国半導体工場(無錫+大連+西安)に対するASML製など最先端半導体製造装置の輸出禁止(中国に対して禁止、外資系にも認可制=禁止となっていた)も撤廃した。
(韓国製バッテリー、完成品や中間材として大量に米国へ輸出されているが、そのバッテリー原料のほとんどは中国製であり、中国から輸入が拡大し対中貿易が赤字になったと騒いでいた。しかし、そうした原材料は韓国で加工され米国(LG+SK+サムスンのバッテリー工場向け)へ送られ、対米貿易が空前の黒字となっている)。
EV価格の25~40%はバッテリー代、バッテリー代の75%前後は材料費。材料の8割以上は中国製。

今回のW社の問題提起は、チョコ当局がどう判断するか不明だが、判断せず、工事を進めさせ、国際司法裁判所で決着させるかもしれない。そうなれば、韓国勢の思いのままでパテント料の支払いで決着させることだろう。W社は米国企業、以前の東芝傘下から現在はカナダの投資ファンドに資本は移っているが、原子力という政治が絡む案件だけに、投資ファンドの意向・采配だけでは片付けられないだろう。

 


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