アイコン EV火災 韓国の電気自動車販売に悪材料 政府EVバッテリーメーカー開示させる


1台の電気自動車(EV)の火災から、「EV=燃えだしたら火が消えない車」といった恐怖心が、韓国に広がり始めた。
EVを生産する現代自動車グループも、車載用バッテリーのメーカーも、このところのEV販売の停滞を「一時的な需要減退にすぎない」と見てきたが、いまや「国内に大型の悪材料が発生した」と緊張しているようだ。

米国ではこれまでは
・EVは高い、
・地方では充電インフラが整備されていない、
・極寒地で始動しない
などの理由で昨年夏から売れなくなったEV、
今や、て  EVの中古車価格が暴落し、さらに販売低迷の原因となっている。中古車価格の下落は米国にとってインフレの抑制にも役立っているという。

 

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韓国では、
8月1日早朝、仁川市の高層アパート群の地下駐車場で発生したEV火災。
韓国メディアが防犯カメラの映像をもとに報じたところによると、駐車中のベンツ「EQE」}から白煙が噴出後、たちまち炎に包まれ、次々と他の車に延焼した。鎮火までに8時間以上。
約40台が全焼、100台以上が高熱により電気系統の故障などの被害を受けた。
吹き上がった有毒ガスで20数人が病院に搬送された。
さらに5棟140世帯が長時間の停電になった。
バッテリーは中国の孚能科技(ファラシス・エナジー)製が搭載されていた。

ベンツEVは車種により、世界第10位のファラシス製(←ベンツが2018年より共同研究開発で締結)や世界№1のCATL(中国)製のLFP電池や3元系バッテリーが搭載している。また、一部の車種にLGエナジー製とSKオン製のバッテリーを搭載していた。

8月7日には、立体駐車場で充電したままの状態のKIA-EV6が早朝炎上、バッテリーはSKオン製だった。

問題は、誰が補償するのか定かでない。
最初に出火した車の所有者に、そんな財力があるかどうか。ベンツの韓国販売代理店は当事者能力がないようだし、バッテリーを製造したのは中国メーカー。補償問題はこれから大騒ぎになっていくだろう。

<EV、地下乗り入れ禁止も>
この火災をきっかけに、「地下駐車場へのEV乗り入れ禁止」を、住民が決議する高層アパートも出現した。
韓国政府は、EV普及のため、高層アパートの地下駐車場に充電施設の設置を義務付けているが、防火壁のない地下での充電の禁止を求める動きも出てきた。 さらに、走行中の車両運搬車で、搭載していたEVが突然出火し、車両運搬車も燃えてしまう事故が起きた。
これも、誰が補償するのか、定かになっていない。車両運搬業者がEVの託送を拒否する可能性まで取り沙汰されている。

米国でも火災が発生しているはずだが、政策優先なのか、2021年のGMボルトのリコール後ほとんど発表されなくなっている。

中国ではEV火災が年間5万件あまり発生しているという。その中でも多いのがEVバイクだという。

EVによる大損害は、
昨年7月、日本の船会社所有のパナマ船籍の自動車運搬船「フリーマントル・ハイウェイ」がドイツからシンガポールに向け運航中にオランダ沖で火災。ドイツ製車両3783台を積んでいたが、ほぼ焼失、EVからの出火だったと見られている。うちEVを498台積載し、また、300台あまりはベンツだったという。
ただ、バッテリーメーカーなどを公表した記事はまだ見当たらないが、仁川ベンツは中国メーカーの中国製バッテリーだった。

また、2022年2月には、ドイツからアメリカへ輸送中の車両運搬船「Felicity Ace号」(商船三井系所有)が、ポルトガル沖のアゾレス諸島近くで火災が発生、全焼失。
搭載車両はほとんどがVWグループの車両で、ポルシェ、アウディ、VW、ランボルギーニ、この時の貨物船は商船三井の子会社が所有の自動車運搬船で、約4,000台の車両を運搬していたFelicity Ace号、その後2週間大西洋を漂流した後沈没した。
約4,000台の車両は大半がVWグループ製で、ポルシェ(1,100台)、アウディ、VW、ベントレー(189台)、ランボルギーニなどを積載していた。
当火災:原因は、VW-EVタイカンだったという。
当火災では、商船三井や保険会社のアリアンツが原告となり、EVバッテリーの危険性とその対策が採られていなかったとして、VWを訴えていた。
両船舶火災はともに1週間以上燃え続けた。


韓国では仁川火災を受け、地下駐車場には、満充電の90%以下まで充電できる設計にしたEVしか駐車できないようにする動きが出ている。90%設計はメーカーに依頼すれば簡単に再設計できる。テスラは通信により行っている。

2021年当時、満充電火災が多発したための措置のようだ。そうしたことから多くのメーカーが現在は満充電97%前後までしか充電できないように設計している。ただ、1回満充電の走行距離の問題があり、安全面から▲10%下げ90%にすれば、表示法違反に問われる可能性や訴訟を起こされる可能性もある。

2021年当時のLG製バッテリーの火災は、GMシボレーVOLTの場合、ほとんどがバッテリー製造工程で稀に生じた不純物の混入により、その不純物がバッテリーセル内でなんらかな原因で熱暴走を引き起こし、火災に至ったと結論付けていた。当時、15万台あまりを20億ドルでリコールしていた(LG負担9割)。韓国でもEV火災が発生し、現代自動車のEVコナの場合、リコール費用は3:7でバッテリーメーカー負担が非常に重くなっている。

どう見ても韓国製や中国製のバッテリーは安全性が担保されていないようだ。日本の日産や三菱のEVは14年以上前から販売はているが、火災の話は無い。ただ、日産は傘下のバッテリー子会社を中国勢に叩き売っている。
安全性を高めれば高めるほど製造コストが嵩み、日本勢は安価に製造する中韓勢に淘汰されてきた。

米国はスピードを出す人たちが多く自動車事故多発国、タイガーウッズも数回転のスピード事故から奇跡的に生還していた。EVは衝突の衝撃に弱く、火災が発生する確率が高い。最近、そうした事故の際の火災がほとんど報道されないのは、報道機関の政策への忖度なのだろうか。

世界の自動車メーカーは車両価格30%以上を占めるバッテリーでね安全性のキーとなっているの搭載したバッテリーのメーカーを開示していない。
韓国政府当局は8月13日、国内のEV販売会社全社に、情報開示させ、開示している。
一歩前進だ。


 

[ 2024年8月16日 ]

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