中国は習近平国家主席直々の「共同富裕論」、超大金持ちになった各種ネット創業者やネットゲーム産業・塾などがターゲットになり、そして2020年になるとそのターゲットが不動産開発業者に向けられ、金融機関執行の三条紅線によりデベロッパーを強力に締め付けたところ、民間デベロッパーは足腰が立たなくなり、下半身不随で不動産大不況に陥り、今度は政府がいくら笛を吹いても、踊れと言っても大被害(先払い方式+デベ社債購入)にあった国民の誰も踊らなくなっている。
経済波及効果の高い建設住宅産業の内需に資金が回らなくなったことから、内需不振、消費不況に陥り、失業問題にまで発展している。
中国政府は9月24日、総合的な経済対策を発表したが、執行はバラバラ、ただ、株式市場は即反応し、ベースを切り上げ続けているが、「中国製造2025」(国産国消政策)の国家政策に基づく生産体制の大規模拡充は内需不振により余剰生産となり、ダンピング輸出攻勢、欧米市場を震撼させており、米国ではトランプ政権誕生により、先行き中国経済はわからなくなってきている。
上海総合指数:9月23日2750P⇒11月8日3450ポイント、この間の上昇率は25%、パフォーマンスとなっている。ただ、2021年9月の3600ポイント(2015年6月来の高値)を超えなければ経済回復が付いてくるかどうかは不明。3500ポイントもまだ突破していない。
そんな中国で老朽化した高齢者居住の中層住宅群の問題が浮上しているという。
中国メディアの人民日報系の環球時報は11月4日、「高齢者のために中国当局が200万基のエレベーターを設置する計画を立てている」とする英紙フィナンシャル・タイムズの報道を紹介した。
フィナンシャル・タイムズの記事は、中国ではかつて旧ソ連風のコンクリート造りの住宅が数多く建てられたが、数十年が経ち、住民の高齢化が進む中で、階段の上り下りに苦労するという状況が出てきたと説明。
エレベーターなし集合住宅=マンション、
1980~2000年に建設した築20数年以上の建物のすべてにエレベーターを設置するには、少なくとも200万基が必要だとされている。
(25年以上前の6~7階建ての建物にはエレベーターが設置されていないようだ)
中国では老朽化した団地を改修する大規模なプロジェクトが計画されているが、エレベーターの増設費用を誰が負担するかについてはケースバイケースで、結論が出ていない場所も少なくないという。
中国政府は2018年の政府活動報告で初めてエレベーターの増設に言及したが、それ以来、誰が費用を負担するかという問題に悩まされてきた。
2023年には中国の都市部の老朽化した団地にエレベーター3万6000基が増設された。
中には40%を負担するという地方自治体もあったが、住民が負担を迫られるケースもある。
住民同士でも意見の相違があり、低層階の住民がエレベーター設置にかかる費用負担に難色を示すことも多い。
また、エレベーター設置のため駐車スペースが削られることが問題になるケースもあるようだ。
上海や北京では、修繕積立金などをエレベーターの増設費用に充てるという選択肢もあるが、進度は遅いという。
<上海でも26万棟、エレベーターなし建物>
業界関係者の推計では、上海にはエレベーターが設置されていない古い建物がおよそ26万棟あるが、2023年に増設されたエレベーターは前年の2303基からやや増えたものの、3001基にとどまっている。
上海だけでも毎年1万基設置しても26年もかかる計算となる。
あるエレベーターメーカーは、増設にかかるコストを一旦自社で負担し、その後、住民から利用料を徴収するという方法を打ち出している。
顔認証カメラで利用者を判別し、1回につき0.2~0.85元(4~17円)の利用料を支払ってもらう。
広東省深セン市では、すでにこうしたエレベーターが200基設置されており、15年以内にコストを回収できる見通しだという。
ただ、同社は確実なコスト回収や持続可能性を考慮し、補助金が支給される省から優先的にこうしたエレベーターを設置していく考えを示している。
以上、
日本の公団住宅も5階建てまではエレベーターが付いていない。そうしたこともあり古い型は空き屋が目立つが、公団は金持ちのため大量に空き屋のままにしている。
エレベーターを設置するなど毛頭考えておらず、取り壊しを優先しているようだ。ただ、取り壊しにも膨大な費用がかかるため、再開発が可能な都心部を除けば遅々として進んでいないようだ。
公団は、老朽化の都心部の低層・中層団地は取り壊し、新たに高層にして住人を移転させ、大規模に空いた土地はデベロッパーに売却して、借入金の弁済に供してきた経緯がある。
