TSMC製チップ ファーウェイの「アセンド910B」搭載問題2
カナダの調査会社テックインサイツは最近、ファーウェイ(華為技術)の最上級AIアクセラレーター(高速処理)「アセンド910B」(チップセット)を分解、その際、TSMC製の半導体を発見した。
ファーウェイは米商務省が輸出規制対象会社に指定している。
テック社はまずTSMCへ連絡、TSMCは調査を開始、「アセンド910B」に類似したチップを特定し、10月中旬、類似商品を注文した当該の顧客に対して納品を停止、米政府と台湾当局の双方に通知・報告した。
(台湾政府にも通知しており、対象の顧客は台湾企業かもしれない)
TSMCは、最先端半導体を生産する7ナノ以下のファウンドリ市場で90%以上のシェアを持っている(サムスンは自社製システム半導体約10%を除いたシステム半導体の生産量と見られる)。
米商務省は「輸出制裁違反の可能性に対する報道を知っている」とし、10月21日、TSMCは「報告された事項を米国商務省と積極的に疎通した」として、「規制の要求事項を遵守するために2020年9月中旬以降、ファーウェイに対して半導体を供給していない」と明らかにした。そのため、ファーウェイの製品にTSMC製は搭載されなくなっていた。
米商務省によるファーウェイに対する輸出規制は2019年から実施されており、輸出する場合は当局の認可を必要とする。
以上、
8月の報道では、ファーウェイの最新プロセッサー「アセンド910C」(現行「Ascend 910B」の機能を高めた)が、中国のインターネット会社や通信会社のサーバー向けに試験的に使用され、この製品はエヌビディアの「H100」に匹敵するという。
エヌビディアはH100を含む先端チップを、中国の顧客に販売することを禁じられており、エヌビディアは「H20」など中国向けに性能を下げた3種類のチップを導入し、輸出している。
エヌビディアのソフトウエアプラットフォーム「CUDA(Compute Unified Device Architecture)」は、CPU(中央演算処理装置)からエヌビディアのGPUに超並列処理の命令を送り、データ処理を大幅に高速化できるソフトウエア環境システム。一方、ファーウェイのAscendシリーズは、独自の「CANN(Compute Architecture for Neural Networks)」を搭載してるが、性能不足と診断されているほか、チップの安定性の問題、チップ間の通信速度の遅さなども指摘されている。
台湾勢は脇が甘いようだ。先般のイスラエルと見られるポケットベル爆弾では、台湾のポケットベルメーカーが正体不明のチェコの貿易会社に製造技術を供与(ライセンス供与)したことに起因していた。





