中国の9月の貿易 輸出・輸入とも伸び率低迷
中国税関総署が10月14日発表した9月の貿易統計(ドル建て)によると、輸出は前年同月比2.4%増で、5ヶ月ぶりの低い伸びとなった。9月の輸入は前年比0.3%増となり、8月の0.5%増より減少した。貿易収支は817億1千万ドルの黒字だった。
市場予想では輸出は6.0%増、輸入は0.8%増でともに下回った。
欧州経済の低迷などもあり、中国製品に対する世界的な需要が軟化していることに加えて、複数の貿易相手国が中国製品に追加関税を適用することも影響しているとみられる。
1~9月期
中国税関総署が14日発表した今年第1~3四半期(1~9月)では、
モノの貿易額は前年同期比5.3%増の32兆3300億元(1元=約21円/1ドル=0.141元)、
輸出は6.2%増の18兆6200億元、
輸入は4.1%増の13兆7100億元
だった。
モノの貿易は安定した伸びを維持したとしている。(なぜか9月単月では報道していない)
中国の専門家は、輸出の伸びは鈍化したが、数量は依然2桁ペースで増加しており、底堅さを維持している。
ただ今後、貿易障壁の拡大がますます制約となる可能性が高い」と指摘し、「中国の貿易相手国での金融緩和への転換は、需要を下支えするはずだ。ただ中国の好調な輸出が、他国の貿易制限の強化につながり、長期的な輸出の伸びを弱める恐れがある」としている。
中国経済は不動産と消費市場の低迷を製造業と輸出で牽引してきたが、輸出は世界から過剰生産のダンピング輸出と批判され、既に生産調整に入っている分野も多くなっている。
そのためか、不動産と消費市場の回復のため、中央政府当局は9月24日、多くの経済対策を発表、その成果はタイムラグで数ヶ月後、現実経済に繁栄してくるものと見られる。
中国は米国からの半導体規制を強く受ける前に駆け込んで大量に半導体製造装置を買い込んでおり、今後、そうした装置により生産される半導体により、メモリ半導体は暴落するおそれがある。メモリ半導体は昨年10月を底に価格は回復してきているが、7月には幾分価格が下がりピークアウトした可能性も指摘されている。高付加価値品のHBMやSSDの需要は堅調で価格も高次元であるが、汎用メモリは中国・欧州経済の低迷により中国企業製は苦戦、連れて汎用メモリが総じて軟調にあるという。





