新潟県新発田市で婦人衣料や学生服、作業服などの卸売りを手掛ける株式会社村安(法人番号:3110001012955)が、2026年10月30日付で事業を停止し、自己破産申請の準備に入ったことが分かった。
同社は1886年(明治19年)創業、140年の歴史を持つ老舗衣料卸売業者。新潟県下越・佐渡地区を中心に東北や北関東などにも販路を広げ、1989年3月期には年売上高約15億8300万円を計上していた。しかし、人口減少や得意先の廃業などで需要が低迷し、2026年3月期の売上高は約2億7700万円に減少。最盛期から約82.5%の減収となっていた。
近年は赤字決算が続き、本店建物の老朽化に伴う維持管理費の増加も経営を圧迫。運転資金の確保が困難となり、事業継続を断念した。負債は債権者約130人に対し、約3億1000万円とみられる。
明治19年創業、下越・佐渡から東北や関東にも販路拡大
村安は1886年に創業し、1950年4月に法人化された衣料品卸売業者。資本金は2000万円で、新発田市を拠点に地域の衣料品店や事業所などへ商品を供給してきた。
主な営業エリアは新潟県の下越・佐渡地区で、山形県をはじめとする東北地方のほか、群馬県や長野県などにも販路を広げていた。
婦人衣料を中心に、アクセサリーやかばんなどの装飾品、寝具、肌着、タオル、作業服、学生服、体操服など幅広い商品を取り扱い、地域の小売店や学校、事業所などに関わる衣料需要に対応していた。
過去の求人資料には、衣料品のほか、カーテン、敷物、安全帽、安全靴などを取り扱い、小売店向け卸売りと事業所への直接販売を手掛けていたことも記載されている。
1989年3月期には年売上高約15億8300万円を計上し、衣料品の幅広い取扱品目と県内外の販売網を背景に事業規模を拡大していた。
最盛期から売上82.5%減、年商2億7700万円に縮小
長年にわたり県内外に販売網を築いてきた村安だったが、人口減少や少子化に伴う衣料需要の低迷が経営に影響した。
地域の衣料品店などを中心とする得意先の廃業も重なり、従来の販売基盤が縮小。近年は物価高の影響も受け、売上高と利益の双方が低調に推移していた。
1989年3月期に約15億8300万円だった年売上高は、2026年3月期には約2億7700万円となり、約13億600万円の減収となった。
最盛期と直近決算を比較した減収率は約82.5%に達し、37年間で売上規模が大幅に縮小したことになる。
一方、経営の立て直しは進まず、近年は最終赤字が続いていた。売上高の減少に伴って運転資金の確保も難しくなり、厳しい経営状況が続いていた。
ただし、各年度の損益額や商品別売上高、得意先の減少件数などは確認できておらず、需要減少による影響を数値で詳細に分析できる状況にはない。
地元学校向け物品も取り扱い、2024年には新発田市と契約
村安の取扱商品は一般向け衣料にとどまらず、学校や事業所などで使用する繊維製品にも及んでいた。
新発田市が公表した2024年度の物品購入契約の結果によると、同社は2024年8月9日、市立紫雲寺小学校の校旗・優勝旗・別染旗の購入契約を締結していた。
契約金額は消費税込み77万円で、契約上の履行期限は2025年3月3日だった。
この公表資料から、同社が地元自治体の学校向け物品調達にも関わっていたことが確認できる。
ただし、この契約記録だけで実際の納品完了や、2026年時点の継続的な学校取引を確認できるわけではない。また、学校制服の製造元や特定校の独占納入業者であったことを示す資料も確認されていない。
事業停止3カ月前まで求人活動、総務・経理や一般事務を募集
同社の最近の事業活動については、ハローワークの求人記録も確認できる。
2026年6月26日には総務・経理担当の正社員求人を受け付け、仕入商品の登録、入出金管理、帳簿記入、支払関連業務などの担当者を募集していた。
さらに同年7月27日には、仕入商品の登録や入出金管理、電話対応などを行う一般事務のパート従業員を募集。求人票には従業員14人と記載されていた。
事業停止の約3カ月前まで採用募集を行っていたことになるが、実際の採用人数や事業停止時点の従業員数は確認できていない。
また、採用活動と資金繰りの悪化との直接的な関係を示す資料もなく、求人の存在だけから当時の経営状況を判断することはできない。
本店の老朽化も経営を圧迫、移転計画も実現状況は不明
同社が直面していた経営上の課題には、本店建物の老朽化もあった。
長年使用してきた本店の維持管理に必要な費用が増加し、売上高や利益が低迷するなかで経営上の負担となっていた。
本店の移転も計画されていたとされるが、移転候補地や契約の有無、移転費用、計画の進捗状況などは確認できていない。
2026年7月のハローワーク求人には従来の本店所在地が記載されており、少なくとも同時点の公開記録では新発田市内の従来所在地が事業所として使用されていた。
経費負担の増加に加え、長期にわたる業績低迷で運転資金の確保も困難となり、事業継続を断念するに至った。
10月30日に事業停止、負債約3億1000万円で自己破産申請へ
村安は2026年10月30日付で事業を停止し、事後処理を弁護士に一任した。
今後、新潟地方裁判所新発田支部へ自己破産を申請する予定となっている。
負債総額は債権者約130人に対して約3億1000万円とみられる。直近の2026年3月期の年間売上高約2億7700万円を上回る規模となる。
1886年の創業以来、140年間にわたり新発田市を拠点に営業してきた老舗衣料卸売業者だが、地域の衣料需要の変化や取引先の減少などに対応しきれず、経営の継続が困難となった。
なお、2026年11月2日時点では自己破産申請の準備段階であり、破産申立日や破産手続き開始決定は確認できていない。負債約3億1000万円も現時点の概算額であり、破産手続きにおける確定債権総額ではない。
同社が扱ってきた商品や得意先への供給体制、在庫・取引契約の承継などについても、現時点で具体的な情報は確認できていない。
株式会社村安の会社概要
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法人名 |
株式会社村安 |
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所在地 |
新潟県新発田市 |
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創業 |
1886年(明治19年) |
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法人化 |
1950年4月 |
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資本金 |
2000万円 |
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法人番号 |
3110001012955 |
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主要事業 |
婦人衣料、学生服、作業服、寝具、繊維製品などの卸売 |
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主な営業地域 |
新潟県下越・佐渡地区、東北地方、群馬県、長野県など |
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1989年3月期売上高 |
約15億8300万円 |
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2026年3月期売上高 |
約2億7700万円 |
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事業停止日 |
2026年10月30日 |
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法的手続き |
自己破産申請準備 |
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申請予定先 |
新潟地方裁判所新発田支部 |
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負債総額 |
約3億1000万円(見込み) |
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債権者数 |
約130人 |
※売上高・負債額は公表報道に基づく概数です。2026年11月2日時点で自己破産申請は準備段階であり、破産手続き開始決定は確認されていません。
参考:新発田市・物品購入契約結果。学校向けの契約記録や過去の求人情報は、会社の事業活動を示す資料であり、今回の破綻原因を示すものではありません。