アイコン 福岡大流通戦争⑬/過去6年の大型店の出店状況①

福岡の流通戦争は過去何回もあっているが、今シリーズで記載したとおり、大型商業店舗の売上高合計は、全く伸びていないどころか僅かながら減少している。

そうしたところで過去6年間の福岡県における出店状況は、平成16年12店舗、平成17年27店舗から増勢を極め、平成18年27店舗施設、平成19年度29店舗、平成20年度24店舗、ところが平成21年度は少しまだ日を残しているが7店舗まで激減している。景気の波に乗り、また不動産ミニバブルに乗り増加してきた平成17年からの4年間であったが、平成20年9月に生じたリーマンショックによる経済不況突入と同時に出店見合せなどもあり激減している。 
スーパーにしても百貨店にしても既存店売上高はここ何年も減じているものの、コスモス薬品(過去6年間で県内だけで31店舗進出)のように既存店も伸ばしているドラッグストアーやディスカウントストアーのトライアルも各地に開発している。ディスカウントストアーもトライアルやルミエールは、価格設定力が強く、また生鮮から生活品まで殆ど販売しており、出店先では超人気化している。しかし、こうしたディスカウントストアー等の出店は、地場の商店の衰退に拍車かけているものの、地元の商店にとっては時代の流れとしか言いようがなかろう。
この6年間で一番目立つのは、コスモス薬品。同社は本社を宮崎から福岡に移し、福岡での開発に拍車をかけているようである。また、イオンショッピングセンターやイオンモールは、大木、直方、志摩、岡垣、筑紫野に超大型店をオープンさせている。その前には九大学研都市駅にも開発しているが、大牟田では開発したもののオープン直前に閉鎖され、陽の目を見ることはない。
地場スーパーの大手であるサンリブ・マルショクやマルキョウは、出店ペースを大幅に落としており、サニーは親会社西友の状況から出店の余裕はない。西鉄ストアーは、スピナ等の買収や空店舗への入居で、拡大させ、すでに年間1,000億円以上売上げている。
北九州のスーパー大栄も鮮度市場で少し生き返ってはいるもののそれほどの余裕はない。丸和は広島のユアーズ傘下になっているが、ユアーズが丸和に対して大ナタを振るったものの、今ではその勢いはない。
ハローディは、元壽屋関係者がいることからか熊本へ進出を図ったが、最近は新規出店を見合わせているようである。若奥さんに人気があることからドミナント方式が有効にその人気が作用すると思うが、今では36店舗574億円(09/3期)売上げている。
大分のマルミヤストア(上場)は注目される。大分から宮崎・熊本へ進出、やっと福岡にも筑後地方に進出してきた。会社としては小粒であるが、傘下に水産卸市場や青果卸市場を持ち、また今期は㈱ロンフレからスーパーとディスカウントストアー計3店舗を買収している。新鮮味と価格的な魅力を出せば、確実に福岡市場で力を発揮してくるものと思われる。長期的には侮れない存在である。
注目株は、引き続きコスモス薬品であり、トライアル、ルミエール、マルミヤストアであろう。
 

[ 2010年2月15日 ]
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