アイコン 福岡大流通戦争⑰/地場スーパーの個別経営状況③/スーパー大栄

同社は、元は八幡東区の商店街の商店が集まって作られたスーパーであるが、事業展開も早く、北九州市八幡区を核に福岡各地ほか、大分・山口に進出している。しかし、ダイエーに始まる大型店の出店は、イズミ(ゆめタウン)やイオンなどで頂点に達しているが、地元のサンリブ丸食さえ大型化していった。

当然同社への影響は多大なものがあったが、リテール市場を捉えスクラップ化もしながら、模索する中で、不振店を鮮ど市場化して再起を果たしている。鮮ど市場化は、2002年熊本の鮮度市場とFC契約を締結して導入、福岡市東区の三苫店を手始めに、現在では11店舗を鮮ど市場化している。同社の命運はこうした鮮ど市場化にあったと思われるが、先般も鮮度市場福間店が、ASO(麻生元首相の家元経営)福間店を潰したほど消費者に喰い込む違いを見せつける(単に新鮮で安いだけであるが・・・)ほどである。 

同社は、以前自前で鮮ど市場化をはかる動きも見せたが、鮮度市場側からノウハウ利用とのお叱りを受け、FC店として展開している。そうしたなか、最近ではスーパー大栄のD&D店も展開している。同店では近隣の百姓に野菜を持ち込んでもらい販売しており、新鮮な野菜を市場価格以下で販売していることから人気も高い。他の不足する野菜や食材は同社が調達して販売している。 

連結/百万円
01/3期
02/3期
03/3期
04/3期
売上高
30,928
30,455
31,304
30,846
経常利益
75
-146
203
162
当期純利益
-152
-1,490
131
224

 
05/3期
06/3期
07/3期
08/3期
09/3期
10/3期予
30,319
28,823
29,071
28,750
29,839
29,000
32
22
-128
179
274
70
70
-1,607
-198
211
139
-70
07年の赤字は、大型店の進出によるスクラップ化及び鮮ど市場化により、販管費が一時的に嵩み赤字となったが、08年、09年と回復させてきた。
同社は現在47店舗を有しているものの殆どが中小型店、これまで10年間年商も300億円前後で推移している。そのため不景気風が吹いている昨今影響を受け、今期は赤字に転落しそうである。
そうしたことから、同社に求められるのは収益基盤(稼ぎ頭部門)の確立であろう。
なお、同社は、物流業務をヤマエ久野に委託している。

福岡流通 

[ 2010年2月26日 ]
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