アイコン 福岡流通大戦争⑫局地戦/水巻町の戦い②再トライアル×ルミエール

ディスカウントスーパーとしては、トライアルよりルミエールが早く、古賀店(福岡県古賀市)に見られるように、これまで地元に根付いた商売を行ってきている。ルミエールのオーナー(三角商事オーナー)が、東京吉祥寺の本家ロジャースに勉強に行き、ロジャースの商売手法を取り入れ、店舗名もロジャースとして1978年八幡店をオープンさせたのに始まり、それから2年に1店舗位の割で店舗を作り続け、現在13店舗展開している。最近では福岡市東区箱崎のBOX-TOWNや大和ハウスのモールに入った福間店など、当初より食料と雑貨を統合、新しいスタイルの販売形態で大成功を納めている。

一方、トライアルが注目されだしたのは、破綻した壽屋やニコニコ堂・オサダの跡地に入った頃からである。新宮店(旧ニコニコ堂跡地、大型店)はディスカウントスーパーとして24時間営業を行い、5キロ先のジャスコ(千鳥店)がそれまでの24時間営業を止めてしまうほど大成功を納め、今日に至っている。トライアルはまた動きが早い。いつのまにか関東に進出、いつのまにか北海道に進出。売上高もあれよあれよで前期(09/3)1,732億49百万円と、これまでのスーパーの概念である踊り場の形成もなく伸長している。
店舗内容は、大型家具を除き生活用品は全部あるといっても過言ではない。大型店の新宮店ではファッションにも力を入れており、型落品と見られるブランド物まで安く販売されている。価格は「しまむら」価格より安く、以前あった店内の100均では、税込100均で税別100均のダイソーより安かった。
 トライアルはルミエールの価格帯や商材と全く互角。その両社が宗像市と水巻町で激突する。
トライアルは、これまで国道3号の福岡市東区郊外の新宮町(ニコニコ堂跡地)から北九州(北九州地区には8店舗展開)の間に店舗を持っていなかった。今回の宗像店及び水巻町の2店舗の開設は、この間の距離は30キロメートルあり、ターゲットを明らかにルミエールに絞った展開と見ておかしくない。
どんな会社であろうと広い流通市場、ライバル関係にある店舗近くに出店する馬鹿はいないだろう(相乗効果も認めがたい)。それならば、イオンモールなど集客力のある施設のそばに作ったほうがまだ現実的である。そうしたことから、箱崎店(トライアル本社が近い)で人気に沸くルミエールに対して、既に巨艦になった永田トライアルが、嫉妬からルミエールに対して包囲網を形成して押し潰す魂胆かと疑いも生じてくる。
とにかく常識では納まらないトライアルであり、今回の戦略は特に何も見えてこない。
何れの世も奢れる者久しからずである。

トライアル敷地よりルミエールを見る

 

[ 2010年2月 9日 ]
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