アイコン 北九州銀行 北九州争奪戦③/山口銀行・福岡銀行

北九州の金融市場は、リテール部門では福岡ひびき信金が№1である。北九州は昔から石炭の集積地として、石炭を利用した製鉄所や化学工場により工業地帯を形成していたため都市銀行が強かったが、中核の新日鐵(旧八幡製鉄)も遠の昔に子会社も含め本店を首都圏に移し、今でも本店を構える大企業は、TOTO と安川電機くらいである。そうしたことから人口減少を生じてきたが、それでも政令指定都市の982千人の大都市。
小回りの福岡ひびき信金は、地域の信金が何回ともなく合併を繰り返し誕生した信金であり、各地に細かな営業店舗をはりめぐらしている。しかし信金、規模が違いすぎ、福岡銀行・山口銀行・西日本シティ銀行の相手ではない。

銀行<自動車産業の集積化進む>

北九州市及び近隣は既に自動車産業のメッカとなっている。トヨタ・日産・ダイハツが大生産工場を持っており、北九州市内にもそうした子会社や協力業者の工場進出が多く、日産車体、トヨタ九州エンジン工場、デンソー・シロキ・千代田工業・豊田合成など多数現地生産している。ブリヂストンも大工場で進出している。
北九州市は平地が少ないが、元末吉市長の記念事業である響臨海工業団地(約275,110m2)にブリヂストンが大規模生産工場を作り、また北九州空港入口の臨空産業団地(約360,000m2)にはトヨタ九州小倉工場(エンジン工場)がある。旧北九州空港跡地(37.7 ha)にも産業団地が形成され、サカエ理研など自動車産業関連企業が生産している。各種鋼板も新日鐵・住金・日立金属(苅田町)などの工場があり、機械加工場も裾野が広く、こうした利便性から自動車産業の集積地となっている。( その他、新日鐵工業団地用地(約100ha)、ひびき灘開発工業団地用地(約35ha)、九州工業工業団地用地(約53ha)など響灘に面し広大な工場誘致用地がある。最近進出企業は海穏やかな瀬戸内側の苅田町あたりに工場が集中しているが。)
(その他の北九州に所在する大工場は、三菱化学、新日鐵化学、旭硝子、東芝、三菱マテリアル、東京製鐵など)
現在自動車産業は不況で頓挫しているものの、北部九州では自動車産業が拡大につれ、協力業者の裾野も拡大していることから、北九州市の経済は底を打ったと見ることができる。
そうしたタイミングに山口銀行は北九州銀行を創設するとは発想の転換、先見の明ありとしか言いようがない。

続く
 

[ 2010年4月 1日 ]
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