アイコン 北九州銀行 北九州争奪戦⑦/山口銀行・福岡銀行

北九州銀行以前、JC-NETでは、金融機関が県市町村を借金漬けにしていると記載したが、ふくおかFG(=福銀)も山口FG(山銀)も同じである。

<横道、県市町村融資を拡大させる金融機関>
特に福銀は規模がデカく、融資残(市債残は別)は09年3月期末の全融資残の10.8%、8,944億円に達している。山銀も同期末4,408億円(同8.0%)の融資残を有している。
こうした地方公共団体向けの融資は、借金時計(トップページ右にあり)の借金数値を大きくするだけであり、地方公共団体自らのリストラをも阻み見逃せない。
県市町村等地方公共団体への融資はリスクZEROとしてカウントされており、融資する金融機関はリスク債権と看做されないところも妙味がある。しかし、金融機関にとって一番美味しいところは県市町村の公金取り扱い。融資しなければ他行へ取り扱い権利が移る可能性があり、また公金の取り扱いを増やしたいため融資するそうした金融機関は、県市町村を麻薬付けにしているのが実態である。
[09年9月中間期、ふくおかFGの国・地方公共団体向け債権は1兆6,176億17百万円、内貸付債権1兆0,662億82百万円、市債等債権5,513億34百万円、総資産11兆,5243億49百万円の14.0%。  一方、山銀も地方公共団体向け融資残を08/3月3,270億68百万円 ⇒09/3月4,408億94百万円 ⇒09/9月5,257億28百万円と大きく増加させてきている。各金融機関は、企業からの返済資金を、不況により新たな貸付先がないまま地方公共団体へ融資を振り向けている。]

「北九州銀行」に戻るが、山口FGは、山口県下・もみじ銀行の広島・北九州を営業地盤としている。山口県は貸出占有率45.9%から見て限度、広島県は同占有率27.5%であるが広島銀行が君臨しており東洋工業はあるもののこれも大きく伸ばすことは難しい。ところが、北九州では貸出占有率が13.4%しかなく余地が大きい。金融機関は群雄割拠状態であり、戦略上北九州(周辺人口含125万人)をターゲットにするのは福岡銀行・西日本シティ銀行とて同じである。そこで山口FGは最終兵器である地場銀行設立に動いた。
山口FG が、北九州で山口銀行の看板をかなぐり捨て「北九州銀行」を設立するのは、福銀や西日本シティ銀行に対して絶対的な差別化をはかり、川筋気質の北九州市民や企業に同化する営業戦略を打ち立てたからにほかならない。
北九州の市場環境も長く続いた最悪期を脱した感が強く新銀行設立は最適時、北九州市民にとって地場銀行「北九州銀行」は長い間待ち望まれたものでもある。

終わり
 

[ 2010年4月 7日 ]
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