アイコン 愛する牛丼の吉野家研究

吉野家牛丼戦争は、昨年12月の値下げ競争から始まった。このころよりテレビではデフレ報道をしきりに始めており、その報道は値を下げたすき家・松屋がクローズアップされ、値を下げない、下げられない吉野家は、無料の広告機会を失するとともに高いイメージを作ってしまった。例えば安部社長が米牛は美味しいといくら言っても、スネカジリの学生がすき家と吉野家と並んでいたら、どっちの店に行くだろうか。タクシーの運転手さんでも同じと思う。その結果、吉野家から客離れが進行して、離れた客はすき家・松屋に流れ込んでいることが既存店客数の指数で証明されている。これを戻すには並大抵ではない。

<牛丼戦争の最近の戦い>
牛 丼 価 格 戦 争/ 12月火蓋は落とされた
店舗名
並価格
従来
実施時期
備考
吉野家
380
 -
実施せず
都心部に強い
すき家
280
330
12月7日
郊外にも強い
松 屋
320
380
12月3日
 
 
 
 
 
 
20104月キャンペーン価格
店舗名
並価格
開始日
終了日
備考
吉野家
270
7
13
最初に発表
すき家
250
9
21
都心部に限定
松 屋
250
12
23
 
 
現行価格(2010年7月7日現在):吉野家380円、すき家280円、松屋320
 
<前期決算と今期予想>
 吉野家は、戦う前から前期売上高より減じた計画を立てている。
吉野屋/連結 百万円
売上高
営業利益
経常利益
当期利益
10年2月期
179,602
-895
-476
-8,941
11年2月期予想
175,000
2,500
2,700
100
※吉野家Hの決算
 
 
 
 
すき屋/連結 百万円
売上高
営業利益
経常利益
当期利益
10年3月期
334,172
12,539
11,114
3,506
11年3月期予想
368,583
17,883
15,698
5,997
※ゼンショーの決算
 
 
 
 
松 屋/連結 百万円
売上高
営業利益
経常利益
当期利益
10年3月期
62,425
2,546
2,523
1,026
11年3月期予想
66,370
2,980
2,880
1,140
※松屋フーズの決算
 
 
 
 
 
 
<既存店客数 月別指数(前年同月比)推移>
客離れが進む我が愛する吉野家
既存店客数
吉野家
すき家
松屋
2009年4月
95.4%
94.6%
98.4%
2009年5月
96.6%
101.4%
94.7%
2009年6月
91.9%
95.1%
97.3%
2009年7月
96.1%
94.4%
100.6%
2009年8月
93.3%
90.7%
100.2%
2009年9月
93.2%
98.7%
100.1%
2009年10月
84.5%
98.1%
91.4%
2009年11月
93.2%
93.6%
112.0%
2009年12月
75.1%
115.9%
106.7%
2010年1月
91.0%
112.6%
104.5%
2010年2月
81.5%
117.0%
105.1%
2010年3月
77.7%
125.5%
108.0%
2010年4月
96.8%
137.9%
123.2%
2010年5月
86.5%
127.1%
113.8%
2010年6月
83.9%
131.3%
119.7%


吉野家 グラフ 牛丼戦争に敗戦しかけている吉野家であるが、500円でうな丼を季節限定販売を開始した。一方、負けじと「すき家」は6月8日から、うな丼を昨年より10円下げ580円で開始する。カレーまである松屋は、今夏うな丼を扱うか表明していないが、山かけ鮪丼490円あたりが対抗商品になろう。松屋では7月1日から8日まで牛丼並250円キャンペーンをはっているが、6月も同様のキャンペーンを行っており、客離れを防ぐため、今後とも毎月1週間程度キャンペーン価格を打ち出すことも考えられる。松屋の場合メニューが豊富であり、牛丼を客寄せパンダに使うことで、全体売上高を伸長させる効果もあろう。

うな丼では、吉野家がすき家より価格で勝っているが、どこまで客を呼び込めるのか、離れた客を呼び戻すことができるか問われる商材となっている。
吉野家は、牛丼で儲けた金で、ゼンショーのように企業買収に走った。しかし、吉野家が買った企業は食中毒などによりケチが付いてしまっている。本業・本体への経営資源が散逸した可能性もある。そのためか再度安部さんが陣頭指揮を取ったようだ。
[ 2010年7月 8日 ]
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