アイコン インドの幼児の脳疾患 ライチに問題か?死亡率44%/米CDC

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ライチインド北東部で子どもたちを苦しめ、時に死にも至らせている原因不明の脳疾患について、米疾病対策センター(CDC)は1月29日、果物のライチに含まれる有害物質に関係がある可能性を指摘した。
この脳疾患では、患者の3分の1以上に脳卒中や精神状態の異変がみられ、中には死亡するケースもある。
調査チームは、この病気の原因特定にはさらなる調査が必要としている。 
CDCが発表した「週間疾病率死亡率報告」によると、印ビハール州ムザッファルプル県とその周辺では、1995年からライチの栽培が行われており、約1ヶ月間にわたるライチの収穫時期と患者の増加時期が一致しているという。

2013年には子ども133人が、地元の医療機関で脳卒中や神経症状と診断された。患者の大半は1~5歳で、その半数近い44%が死亡。
死亡した患者は、血糖値が下がる低血糖症と診断されるケースが他の患者に比べて2倍以上高かったという。 
患者の髄液テストでは、日本脳炎や西ナイル熱など、この地域で過去に確認されている感染症のウイルスは陰性だった。また、病気の子どもは、健康な子どもに比べ、ライチの果樹園や農地で2倍以上の時間を過ごしていた。

ムザッファルプルの2ヶ所の委託病院では、2014年5月末から7月中旬にかけて、前年に使用された症例定義に当てはまる疾患と診断された小児患者が390人に上り、このうち31%が死亡している。 

研究チームは、動物実験で低血糖症の原因となることが知られているライチの種子で発見された成分、メチレンシクロプロピルグリシン(MCPG)化合物の詳細な調査を行っている。
患者らの自宅近くで栽培されているライチの果実を使った実験の他、自宅や飲料水から採取した環境サンプルを使用した残留農薬の調査なども行われている。 
MCPGは、有毒成分ヒポグリシンA同様に重度の低血糖症などの症状の原因になると考えられている。
CDCはヒポグリシンAについて、「西インド諸島と西アフリカでは、ライチと同じ科に属する果実、アキーを熟す前に食べた後に急性脳症を発症した例がある」と述べている。 

<ライチ>抗酸化活性作用、血糖降下作用
ライチは、楊貴妃が愛したといわれる有名な果実。ビタミンCや葉酸などのビタミン類、カリウムや銅などのミネラル類、ロイコシアニジンなどのポリフェノールが豊富に含まれており、老化や病気、生活習慣病の予防、美肌効果など多岐に渡る効果が期待されている。
ライチの花抽出エキスの抗酸化活性が測定されている。
ライチ花抽出エキスは、Cu(Ⅱ)に誘発されるLDLタンパク、ヒト血液酸化ラジカル、ペルオキシラジカルによる赤血球溶血を抑制した。
これらの抽出物を測定すると、ライチ花には抗酸化能の強いゲンティスティック酸、エピカテキンが存在することがわかっている。

ライチ抽出物から単離したαメチレンシクロプロピルグリシンを60、130、230、400mg/kg、マウスへ皮下投与した結果、マウスの血糖値を濃度依存的に下げることがわかった。このことから、ライチ種子エキスには、血糖降下作用があると考えられる。
との文献がネットで紹介されている。

こうしたことから、ライチには血糖降下作用があり、ライチ農園などでは5歳以下の幼児に多大な影響を与えているものと見られる。
ライチは中国の嶺南地方が原産とされ、中国や台湾などから大量に輸入されており、国内でも栽培されている。CDCから詳細な因果関係の分析が発表されるまで、ライチ農園には幼児を頻繁に入れないことが望まれよう。また、幼児に大量に食させないようにすることも必要だろう。
CDCでも種が問題なのか、熟す前の果実が問題なのか、花や果実から放散している物質が問題なのかなどまだ問題は特定されていない。


 

[ 2016年2月15日 ]
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