アイコン 拒絶反応起きにくい備蓄iPS細胞使用の網膜加齢黄斑変性治療へタッグ

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京大iPS細胞研究所や理化学研究所(理研)などは6月6日、京大があらかじめ他人から作って備蓄しておいたiPS細胞を使って、目の難病治療を目指す臨床研究を再開すると発表した。来年前半にも移植手術を実施する。

理研の高橋政代プロジェクトリーダーらが2014年に実施した1例目は、患者自身の細胞を使っていたため、コストがかかっていた。
新方式なら将来は治療の費用を数百万円に抑えられる可能性があり、治療期間も最短で1ヶ月程度に縮められるとみている。使いやすい治療法に改善し、普及につなげる。

6日に理研の高橋政代プロジェクトリーダーと京大iPS細胞研究所山中伸弥所長、大阪大学の澤芳樹教授、神戸市立医療センター中央市民病院が共同で記者会見を開催。4機関は5月30日付で臨床研究の実施で協力するとの協定書を締結している。

臨床研究では「滲出型加齢黄斑変性」と呼ぶ視力が低下して失明につながる目の難病の症状改善を目指す。複数の患者にiPS細胞から作った網膜色素上皮と呼ぶ細胞のシートを移植する計画。

理研の高橋政代プロジェクトリーダーらは2014年9月に、同じ病気の患者向けに世界初の臨床研究を実施した。このときは患者自身の細胞から作ったiPS細胞を育てて作製した細胞シートを移植した。2例目も検討したが、作ったiPS細胞に複数の遺伝子変異が見つかり、移植を見送った経緯がある。

今回の臨床研究では、遺伝子の変異などを確認済みの備蓄細胞を京大が提供し、安全性を担保する。阪大と中央市民病院が移植手術や診察を担う。
iPS細胞の生みの親である京大の山中伸弥教授は「iPS細胞を作る京大や網膜の細胞へ育てる理研など4機関がしっかりタッグを組めたのは大きな前進で、非常に力強く感じる」と話している。

 また、高橋プロジェクトリーダーは「備蓄細胞のほか、患者自身から作るiPS細胞を使う研究も並行する。シートに加え、懸濁液を使う研究も実施する」と話し、多様な手法で治療を目指す方針を明らかにした。

 京大が提供する備蓄細胞を使った細胞や組織の移植については、阪大が心不全や角膜の病気、京大が神経難病のパーキンソン病などで計画している。
理研などによる今回の臨床研究が成功すれば、こうした移植計画に弾みがつく。

<拒絶反応起きにくい備蓄iPS細胞>
 京都大学は「iPS細胞ストック」を整備し、多くの人に移植できる特殊なiPS細胞を作って備蓄している。免疫による拒絶反応が起こりにくく、細胞の品質も厳重に確認している。すぐにiPS細胞が必要な場合に役立つほか、治療の費用や期間を抑えられる。
以上、報道参照

[ 2016年6月 7日 ]
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