アイコン ヤマトが荏原に勝訴64億円 過去、建設廃材が土壌整備で用いられていた訴訟 荏原控訴へ

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東京地裁は、過去、東京湾の羽田域で、それも廃棄 物処理法とか厳しくなかった時代に、荏原が、工場建設に当たり、依頼した建設会社が多くの建設廃材を用いて埋め立て、その中に石綿含有スレート片が多数見 出された問題で、土地を所有していた荏原から購入したヤマト運輸が、土壌汚染地だとして、その修復するための損害を荏原に求めた裁判で、ヤマト運輸の全面 的な勝訴を申し渡した。

当判決において荏原は、その費用を、全部責任を負わなければならないことに激怒し、控訴すると発表している。

<経過>
荏 原は、平成19年12月25日にヤマト運輸との間で荏原の羽田事業所(東京都大田区羽田旭町11 番1 号等)の土地等を売却する売買契約を締結し、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」をはじめとする非飛散性の石綿含有建材の取り扱いに関する法令、並びに 「土壌汚染対策法」その他の各種法令に準拠して、本件土地上の建物撤去工事及び本件土地の用地整備工事等を完了後平成22年9月30日に本件土地を同社に 明け渡した。
その後、平成23年1月にヤマト運輸から、本件土地に石綿含有スレート片が存在している事実があり、これは本件土地の瑕疵に該当するとの通知を受けた。

しかしながら、第三者である専門家の指導・助言の下に当社で調査したところ、本件土地上に存在する当該非飛散性の石綿含有スレート片は、産業廃棄物に該当せず、本件土地の土壌も産業廃棄物には該当しないとの結論に至ったことから、これに基づき、荏原の見解を記載した書面をヤマト運輸に送付し双方の協議による解決を模索してきた。

しかし、ヤマト運輸・荏原間での協議による解決が成立せず、平成24年3月28日に、ヤマト運輸は自らの判断と費用で本件土地の土砂約13万6千㎥を搬出したとして、廃棄物として処分等するために支出した工事費用に相当する金額、並びに物流ターミナル建設遅延に関する損害金
の合計金7,384,837,969 円の損害賠償請求を求める訴訟を東京地方裁判所に提起した。
なお、ヤマト運輸は、最終的に8,505,095,193 円に請求を拡張した。

荏原は、現在に至るまで当該石綿含有スレート片は産業廃棄物に該当せず、本件土地の土壌も産業廃棄物には該当せず、本件土地売買契約の瑕疵担保責任を荏原は負わないことを主張・立証し、全面的に争ってきた。本件訴訟において、様々な法律上・事実上の主張をしてきた。
その中で、荏原は本件土地において、当該石綿含有スレート片を不法投棄した事実はないことを主張・立証してきたほかに、

①東京都心及び近郊の土地を中心に荏原等による調査だけでも97 箇所もの公園・小中学校等で石綿含有スレート片が存在し、本件土地を超える割合で石綿含有スレート片が存在している公園等もあること
②同社から物流ターミナル建設工事を請け負った建設会社が新たに本件土地に搬入した土砂にも石綿含有スレート片が混入していたこと、
③さらに、建設会社が持込んだ石綿含有スレート片の一部が今も処分されずに本件土地に
残存していることを主張・立証し、土地の中に石綿含有スレート片が存在していることは決して特異なことではないこと、及び建設工事において使用されている埋め戻し用の土砂は石綿含有スレート片が混入している状態で流通していることを明らかにしてきた。

<判決の内容(要旨)>
(1) 被告は原告に対して金5,618,124,016 円及びこれに対する支払済みまで年6 分の割合に
よる遅延損害金を支払え。
(2) 原告のその余の請求を棄却する。
(3) 訴訟費用は3 分の1 を原告の負担とし、3 分の2 を被告の負担とする。
(4) この判決は、第1 項に限り、仮に執行することができる。

<判決に伴う業績への影響>
本判決で支払いを求められた5,618,124,016 円及び遅延損害金相当額839,049,009 円の合計6,457,173,025円については、2016年3月期連結決算及び単体決算において訴訟損失引当金繰入額として特別損失に計上する。
以上、

現に購入した土地に有害物質(アスベスト廃材)があり、元の所有者がその除去をせず、ヤマト運輸が除去したとしてもヤマト運輸が負担すべき問題でもなく、荏原が一方的に負担する問題でもないようだが・・・。
荏原が施主として工場建設に当たっており、その責任は最終的に荏原にあるのだろう。しかし、建設アスベスト問題が発生する前だったことから、現在の廃棄物規制法の適用が可能かどうかについても、元鍍金工場や化学工場などの有害有機物残存同様判断により荏原の責任となルカ脳性が高く、その前例に乗った今回の判決と見られる。
もしも、建設会社がまだ存在するのならば、荏原は建設会社にその費用負担を求めることは可能だろう。
ただ、過去、土壌の整備用として建設廃材が法違反にならず流通していた事実もあり、最高裁の判決が求められるものと見られる。

 
連結/百万円
売上高
営業利益
←率
経常利益
当期利益
15/3期実績
482,699
34,567
7.2%
36,258
23,580
16/3期前回予想
497,000
37,000
7.4%
36,000
24,000
16/3期今回予想
486,235
38,011
7.8%
36,471
17,443
16今予/16前予比
-2.2%
2.7%
 
1.3%
-27.3%
16期予/15期実績
0.7%
10.0%
 
0.6%
-26.0%
 

 

 

[ 2016年5月 2日 ]
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