アイコン 韓国企業連合にイラク政府支出ストップ  60億ドルのカルバラ石油プラント工事 

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韓国の建設各社がイラクで進めている7兆ウォン規模の石油精製プラント事業が現地政府の工事代金未払いで、着工から1年余りで事実上中断したことが15日までに分かったと韓国紙が報じている。

2014 年4月、イラク中部のカルバラの石油精製プラント施設をイラク政府系の「石油プロジェクト公社(SCOP)」から総額60億4千万ドルで、現代建設・SK 建設・GS建設・現代エンジニアリングによるコンソーシアム(企業連合)が受注し、韓国で最大の海外建設プロジェクトだと聨合ニュースが報じていた。(カ ルバラはシーア派の聖地、シーア派過激派民兵マハディ軍の本拠地)

 当企業連合は、昨年2月着工したが、工事が22%進んだ今年4月に作業を中断した。
現地下請企業によると、発注元が工事代金を支払えなくなり、工事を中断せざるを得ない状況に追い込まれたという。
 財政不足のイラク政府は、今年に入り、工事代金をほとんど支払っていないという。その結果、一部の韓国系下請会社は、その下請けのイラク企業に工事代金を支払えなくなり、韓国人従業員が旅券を取り上げられ、現地に足止めとなるケースも生じているという。
在イラク韓国大使館は「事態解決に向け、現代建設などと協議している」と説明しているという。
以上、

当プロジェクトの受注時は、イラク第2の都市「モスル」をISが占拠(2014年6月)する前であり、イラクへの国際支援も経済復興に傾注していた。しかし、今ではISの支配地奪還で軍事費用は拡大するのみ。
イラクのイラン寄り・東南部の油田地帯は稼動し続けている。しかし、イラクの場合は、原油生産を石油メジャーに依存しており、その取り分として一定割合を政府が受け取っているが、収入は限られる。北部の油田地帯はIS支配下にあり、その分の収入はなくなっている。

そうした中、2014年6月頃から2015年1月にかけ原油価格が暴落、イラク政府は大幅な収入減。一方、欠かせない戦費。当然、そのシワ寄せは、開発プロジェクなどの支出抑制へ、当原油精製プラント工事もその対象になったようだ。

イラクとしては、原油価格暴落後原油を増産させているが、いくらあっても足りないのが軍費ということになる。
それにしても、韓国の企業連合が受注し工事を進めており、発注元のイラン公社から入金しないとしても、下請企業に対して工事費用を支払わないとは、さすが韓国の企業連合だ。その煽りを受け、下請けの韓国企業から孫請けのイラン企業への支払いが滞り、イラン企業関係者が、受注した韓国企業の従業員のパスポートを取り上げるのも分からぬではない。

こうしたカントリーリスクは、イラクは内戦国であり、当然考慮すべきこと。受注時、有頂天に喜んでも、今の時点の結果はこの有り様だ。
韓国のゼネコンは、これまでに中近東やアフリカなどで、原油生産利益を原資とした数多くのプラント工事を受注しており、結果、完成時に利益が出ている保証はない。

昨年は造船業界が、過去の海洋プラント受注で引渡しに至り大損、造船業界が挙って経営危機に陥っており、その似の前になることも考えられる。

こうした事業は政府主導で受注しており、韓国ゼネコンやプラント工事会社は2010年~2014年の5年連続して600億ドル以上を海外で受注している。
政府が関係した工事では、政府が一定部分を保証でもしない限り、韓国のゼネコンも今後海外での受注を抑制する可能性もある。

[ 2016年6月17日 ]
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