アイコン 石炭価格急騰の中国の動向

スポンサード リンク

中国国務院の設備削減目標では、2016年、石炭の生産能力は2.5億トン以上の削減が求められている。
中国石炭工業協会の姜智敏副会長は23日、「今年、石炭業界での過剰設備削減目標が、目標を上回るペースで達成されることが確実となった」と明らかにしたと新華社が報じている。

姜副会長は、「現在、閉鎖された炭鉱の労働者の再配置や債務処理が順調に進められている。これらの閉鎖された炭鉱の一部が法人化されていないことから、その企業の買掛金と売掛金の処理や、それによる金融問題の解決には時間がかかることから、関連の金融政策の制定が急がれている」とした。
 石炭価格の上昇について、姜副会長は、「去年は石炭価格が下がる一方だった。今年1月から安定を保ちながらやや上昇を見せ、7月と8月には急速な上昇を見せた。
しかし、現在多くの企業の石炭販売の平均価格はなお前年同期のレベルを下回ったまま。
全体から見れば、一部の企業はまだ赤字状態から抜け出していない。石炭企業の経営は業界全体でおしなべて困難な状態だ」とした上で、
「最近、市場価格予想安定のため、複数の石炭企業が電力、鉄鋼企業と中長期協定を結び、5500キロカロリーの火力発電用石炭の基準価を1トン535元にするとの取り決めをしている。今後市場による価格変動がみられる場合、原則両者50%ずつの割合で価格変化による差額を工面しあうことになっている」と語っている。
以上、

10月はじめの時点で中国石炭価格は年初から50%以上値上がりしている(ブルームバーグ)。
中国政府が10月中旬、石炭価格の急騰、また冬場を向かえ、一転して、炭鉱に増産命令を出している。11月23日の上記の話はチグハグだ。国連決議で禁止されている北朝鮮からの石炭輸入も開始、その代金は核開発には使用されない民生用だと御託を並べている。
それほど、石炭に対する減産の締め付けが強かったということだろう。

なお、BPによる2015年の石炭産出量は37億47百万トン、これを燃焼させ、粗鋼生産やレアメタル生産、火力発電、集中暖房用に用いられており、中国の大気汚染のほとんどは、車両より、石炭にあるといえる。鉾先が鉄鋼製品に向かわないように、大気汚染の最大の元凶は車両だと中国政府がコントロールしている。EVを大量生産する時代に入っているが、その電力は多くのろくに触媒も付けない石炭火力発電所で発電されている。

中国の石炭価格推移(ブルームバーグ)
白線は価格、青線は生産量

1128_03.jpg

スポンサード リンク
[ 2016年11月28日 ]

 

コメントをどうぞ

関連記事

  • この記事を見た人は以下も見ています
  •  
  • 同じカテゴリーの記事です。
  •   
スポンサード リンク
 


PICK UP


PICK UP - 倒産

↑トップへ