アイコン サムスン物産と第一毛織の合併経過と問題点 サムスン財閥最大の危機 崔順実事件

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第一毛織は、⇒サムスン生命⇒サムスン電子⇒サムソンSDI⇒サムスン物産に代表される循環支配構造の頂点に立っていた。

<合併構想>
サムスンの李一族は、巨大化したサムスン電子を支配する上で懸案となる一族の持株比率、李健煕会長は、磐石な一族支配が続けられるように、グループの持株会社でもある第一毛織と合併させることを計画。
その持分構造からして、意図的にサムスン物産(建設と総合商社)の業績を悪化させ、悪化させた上で、第一毛織と合併させ、一族の持株比率を上げる工作をはかった。

しかし、健煕会長は、2015年5月に急性心筋梗塞により倒れ、意識もあるのかどうかわからない状態が現在も続いている。
当計画を引き継いだのが、健煕会長の長男で承継者となる李在鎔副会長だった。2015年9月1日合併した。
その結果、第一毛織(株)の23.2%を保有していた李副会長が、新会社(新・サムスン物産)で17.08%の株を持ち、妹でホテル新羅社長の李富真が5.5%、同じく妹で李叙顕第一毛織ファッション部門社長も5.5%の株式を保有することになり、新サムスン物産の持株はほか合わせて一族合計が30.4%となった。

<合併経過>
1、2015年5月26日、サムスングループは支配構造の再編作業の一環としてサムスン物産と第一毛織を合併させることを決定し、表明した。
合併比率をサムスン物産1:第一毛織0.35の割合とした。
2、2015年7月17日、株主総会、第一毛織で合併案が承認された。
3、2015年7月24日、株主総会、69.53%の賛成票で合併は承認された。
4、2015年9月1日、サムスン物産と第一毛織が合併
5、2015年9月14日、(新)サムスン物産として再上場した。

<元のサムスン物産の株主構成>
1、サムスングループの系列会社・特殊関係人が13.92%
(うちサムスンSDI7.18%、サムスン火災4.65%、李在鎔副会長は1.4%ほか)
2、韓国企業のKCCが5.96%(建材会社)、
(現代財閥から分離独立した建材メーカー・太陽光発電会社、カジノ会社。サムスン物産が自社株を2015年6月11日売却して5.96%保有、KCCは第一毛織株の10.18%も保有)
(賛成票を確保するためのKCCへの売却とされるが、自社株売却は役員会の専権事項)

3、国民年金公団が11.21%
4、同公団以外の韓国機関が11.05%
(証券会社22社中21社賛成表明、ハンファ証券反対、後、社長を財閥が更迭)
(韓国の証券会社はサムスン生命とサムスン火災が資金を引き上げたらやっていけない)
(証券会社以外の金融機関30社程度)

5、米ハゲタカのエリオットが7.12%(反対)
6、米ハゲタカのメイソンキャピタルが2.18%(反対)
7、日盛新薬2.1%(反対)
 (裁判を起こし、一審でサムスン物産の1株価値を合併価格より16.8%増した価格を認定、同社に32億円入ることになった)
などとなっていた。

株主総会では69.63%の賛成票で合併は承認された。

<元 第一毛織の株主構成>
1<李在鎔副会長が23.2%。
2、KCCが10.18%
3、李富真新羅ホテル社長7.74%
4、李叙顕第一毛織ファッション部門社長7.74%
5、国民年金が5.04%

<合併効果・サムスン電子の11.3%支配>
結果、李一族はサムスン物産の30.4%の株を保有することになった。しかも、サムスン物産はサムスン電子の4.1%の株を所有し、また、19.3%保有するサムスン生命を通してサムスン電子の7.2%と合わせサムスン電子の11.3%の株主となった。
(李在鎔副会長のサムスン電子の持株比率は0.6%に過ぎないが、新サムスン物産を支配することでサムスン電子の実質大株主となった)

<サムスン物産の株価下げの証拠、裁判所の見解=判決内容>
サムスン物産が住宅の新規供給や受注量など、企業価値を高められる好材料を意図的に合併後に回したり、公開を先送りするなどして企業価値を低く評価させたと推定した。
具体的には、
1、2015年上半期は住宅景気が活況を呈している状況で、他の主要建設会社が住宅の新規供給を大幅に膨らませた一方、サムスン物産は300余世帯しか供給せず、合併決定後の下半期にソウルに1万994世帯のアパートを供給する計画を明らかにした。

2、また、2兆ウォン(約2,000億円)規模のカタール複合火力発電所工事を受注していながら公にせず、合併後にこれを公開したこともその根拠に挙げた。

3、さらに、2014年末から2015年初にかけてサムスン物産が主管した建設工事のうちの一部をサムスンエンジニアリングに譲っていた。

4、株主の国民年金公団が合併前に売りたたき、株価を下げ、合併後に買い越している。合併発表前11.21%の筆頭株主。

<その他>
1、サムスン物産の合併に反対していたエリオットに対して、韓国政府系の韓国投資公社(KIC)は、エリオットが国益に反する行動をとった場合、エリオットに出資している資金を引き上げるとエリオットの動きを牽制していた。
(エリオットは裁判を起こすとしていたが、この恫喝が効いたのか、裏取引があったのか、合併後は沈黙、最近では、サムスンに対して、サムスングループ全体の持株会社構想を助言し、敵対していたサムスン側が検討すると表明している。)

2、ハンファ財閥傘下でサムスン物産の株式を保有するハンファ証券の社長は、合併比率問題から反対を表明し、合併反対票を投じたが、その後、ハンファ財閥側から社長を更迭され首になった。ハンファ財閥とサムスン財閥は付き合いがある。
  
3、2015年7月20日、米ウォール・ストリート・ジャーナルは社説で、「国民年金の決定は『経済民主化』の旗を掲げ財閥を規制するという政府の約束に反する。韓国社会が自由市場に反する行為を愛国心という名の下で黙認している」と皮肉った。

<崔順実ゲート事件とサムスングループの関係>サムスンに崔順実・娘・姪が登場
要約のみ
1、上記サムスングループの合併につき、サムスン側が崔順実に対して国民年金が賛成するように要請したのではないか・・・。

2、その見返りに、崔が私物化するため設立した「ミル財団」と「Kスポーツ財団」へ204億ウォン(約19億円)という巨額を拠出したのではないか。

3、サムスンは、崔の娘が乗馬しており、サムスン乗馬クラブ(現在廃止)に加入させたのではないか、また、韓国乗馬協会の会長をサムスンの社長が務めており、2014年9月開催の仁川アジア競技大会で乗馬の団体戦の高校生の娘をメンバーに入れたのではないか。
(サムスン・ゴンヒ会長は、崔の娘として知り尽くし、娘を取り込むことで、崔順実を大統領を動かす影の最実力者として認識し、手を打っていたようだ)

4、サムスンは、崔の姪チャン・シホ(37)が設立した「韓国冬季スポーツ英才センター」に16億ウォン(約1億5千万円)を支援しているが、合併時の御礼では・・・。

5、サムスンが、崔の娘チョン・ユラ(現在20歳)がドイツに設立したスポーツコンサルティング会社「コアスポーツ(現WIDECスポーツ)」に直接振り込んだ280万ユーロ(約3億2900万円)と毎月送金し続けている資金は、合併時、国民年金を賛成に回らせたお礼ではないのか。
(崔の娘は、昨年子供を生み、その後結婚。その資金で崔はドイツでホテルや自宅を購入している。韓国検察は娘が会社資金を私物化したとして背任容疑により逮捕状を取り、ドイツ政府に逮捕要請している。現在、行方不明。世界中にコリアタウンがあり、諜報機関並みの韓国マスコミが、ドイツ滞在説、スイス説、アメリカ説を流している)

6、韓国文具メーカー「MONAMI」子会社が、今年5月、230万ユーロ(約2億7千万円)で、ドイツの乗馬場を購入したが、当時、MONAMIとサムスンが99億ウォン規模のプリンター・事務機器の管理契約を締結、実際はサムスンがMONAMIを通じて崔の娘のために乗馬場を買い入れたとされ、検察の調査対象となっている。

サムスン一族は、大統領の影の側近中の側近オカルト崔順実をキーにして、国民年金を賛成に回らせ、グループ会社の一族支配を強固なものにしたものの、今度は、崔がサムスングループをいつまでもカモり続け、金蔓、金の成る木として強請られていたのが実態のようだ。

<↓ 韓国準国営放送局KBSニュースより>
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[ 2016年12月29日 ]
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