アイコン 2017年度の鉄鋼需要 東京5輪関連工事で今期を上回る予想

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粗鋼生産⇒2015年度10,423万トン、2016年度10,550万トン(見込み)
2020年に開催する東京五輪・パラリンピック関連施設の工事開始に伴って、建設資材の需要が拡大している。
新国立競技場や選手が滞在する「選手村」の整備が本格化し、2017年度は鋼材やセメントを中心に今年度を上回る需要を見込む。
日本鉄鋼連盟は東京五輪関連の鋼材需要を最大300万トンと予測している。

日本鉄鋼連盟は2017年度について次のとおり説明している。
2016年度の日本経済は、雇用・所得環境は良好な状態を保ったものの、消費者の節約志向から個人消費は弱さがみられた。
企業活動は、国内では熊本地震等の自然災害、急激な為替変動、海外では、中国の成長鈍化に加え、英国のEU離脱、米国の大統領交代など、世界経済の先行き不透明感の高まりもあり、設備投資は力強さを欠いた。

2017年度は、内需は、
引続き雇用・所得環境の改善が見込まれ、個人消費の持ち直しが期待されるほか、企業活動では業績改善から慎重な投資マインドも和らぎ、遅れていた建築案件も、東京五輪関連をはじめ加速が見込まれ、公共投資も政策効果などが下支えし底堅いと見られる。
外需は、
不透明要因を抱えながらも、世界経済の回復から緩やかに持ち直していくと思われる。

2017年度の粗鋼生産は2016年度を上回る見通し
2016年度の鉄鋼内需は、
建設は、土木や住宅が回復基調を辿った。
製造業は、設備投資など機械関連は総じて力強さを欠いたものの、熊本地震等による生産停止の影響で年央まで低迷した自動車は、挽回生産や新型車効果等から下期に持ち直しが見られた。外需は、
先進国経済が緩やかな成長を持続し、ASEAN 等の新興国も総じて緩やかな回復傾向に転じたことから、2016暦年の世界の鋼材需要は僅かながらも前年を上回ったとみられる。
こうしたなか、在庫調整の進展もあり、2016年度の粗鋼生産は1億0550万トン程度と、3年ぶりに前年実績を上回る見込みである。

2017年度の鉄鋼内需は、
建設は、東京五輪関連をはじめ都市再開発・交通インフラ整備の加速による建設投資の拡大が見込まれる一方、人手不足による制約が懸念される。
製造業は、為替要因に左右されるため、企業の投資マインドは保守的になる可能性もあるが、省力化・省エネ化投資は堅調が見込め、総じて前年を上回ると見られる。

海外鉄鋼市場は、中国の輸出増による世界的な需給緩和、通商問題の頻発が依然大きく影を落としており、鉄鋼輸出は、世界経済が緩やかな回復傾向を辿るものの、2016年度並みと想定される。
輸入は、2016年度以降水準が上昇しており、今後も高水準が継続すると想定される。

この結果、2017年度の粗鋼生産は、2016年度を上回る見通し。
変動リスク要因としては、
1、(保護貿易を打ち出しているトランプなど)世界的な政治リスク、
2、急激な為替変動による外需の下振れリスク、
3、原材料価格の上昇、
4、人手不足による工事案件等の遅れ
等が想定される。
一方、輸入材の圧力にも留意が必要である。
以上、

景気低迷する中国では、公共投資と不動産バブルにより、石炭価格や鉄鋼製品価格が急騰するも、すでに、不動産バブルには規制がかけられており、価格も沈静化してきている。
中国では投機資金のハケ口がなく、金利の低下および規制緩和により、急速度で不動産バブルを演じ、関連する鉄鋼製品やセメントなどの買占め投機なども横行、価格が急騰しやすい。
中国は、日本と比較して電力・燃料・労務費も大幅に安いが、原材料の輸入も大きく、国内の需給バランスにより、国際価格を高騰させたり、低下させたりしてきた。しかし、鉄鉱石は世界第3位、石炭は世界第1位の生産国であり、総じて生産コストが安い。
中国政府は、節度ある輸出をせよとケチを付けられ、構造改革で生産施設の減少をはかると口では言いながら、生産量は再び増え、世界中に安価に輸出しまくっている。
1960年代の米国を夢見るトランプが、関税砲やダンピング砲を撃ち続けられるものと見られる。

国内ニーズでは、東京5輪関係の直接ニーズのほか、東京5輪までに完成予定で東京都心の再開発事業が目白押しに成っており、再度、建築コストが大幅に値上がりすることが懸念される。 
前回は、手当てが遅すぎ、大赤字工事を続出させたゼネコンも、安値工事を受注しないなど、逆攻勢に出、資材価格や労務コストが落ち着いたことから、今では空前の利益を上げている。
今回は、前回の似の前にはならないと、先読みして見積価格を提出してくると見られ、再度、大幅に建築コストが値上がりするものと見られる。
ただし、20東京5輪後は、内需だけで見た場合、大幅に建築コストは下がるだろう(鉄鋼価格は国際価格に左右される)。
今日の東京の不動産バブルは、国民置いてけぼりのバブルであり、20東京5輪後の反動は、高騰している分譲マンションなど、リーマン・ショック後のようになる可能性すらある。
それでも、安倍政権が続く限り、国直轄+地方交付税による公共投資拡大は続き、大きな下振れリスクは少ないと見られる。その後は知らん。

[ 2017年1月27日 ]
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